ドラマ『ザ・ボーイズ』のヒーロースーツ制作はマーベル作品のデザイナーが集結 コスチュームデザインのこだわりが明らかに | VG+ (バゴプラ)

ドラマ『ザ・ボーイズ』のヒーロースーツ制作はマーベル作品のデザイナーが集結 コスチュームデザインのこだわりが明らかに

©️Amazon Studios

空前のヒット作となったドラマ『ザ・ボーイズ』

2019年7月のシーズン1公開直後から各界隈から大きな注目を集めているAmazonドラマ『ザ・ボーイズ』。腐敗したスーパーヒーローに民間人が挑むという設定の同作が大ヒットを記録していることは、空前のスーパーヒーローブームに沸き立つエンタメ業界に衝撃を与えている。

ヒーロースーツの秘密が明らかに

そんなドラマ『ザ・ボーイズ』の公式SNSで、同作に登場するヒーロー達のコスチュームデザインのメイキングを紹介する動画が公開されている。

『ザ・ボーイズ』でコスチュームデザインを担当したのはローラ・ジーン・シャノン。これまでに映画『アイアンマン』(2008)『ブレイド』(1998) 等のコスチュームデザインに携わってきた。ローラ・ジーン・シャノンは、『ザ・ボーイズ』でのスーツ制作の意図についてこう語る。

この作品でデザインを担当するにあたって、自分たちの正統なスーパーヒーローユニバースを作り出したかったんです。
それぞれのキャラクターに個別のストーリーと人間性があって、そのキャラクターを形成しています。そして、それがコスチュームデザインに影響を与えているんです。

ブラックコメディ作品といえど、既存のスーパーヒーロー作品のパロディで終わることなく、ドラマ『ザ・ボーイズ』のオリジナルな世界観を作り出すことを意識していたようだ。それでも、現実世界を席巻しているスーパーヒーロー作品への風刺も『ザ・ボーイズ』の特徴だ。ヒーローとしてのオリジナリティと既視感のバランスをとる、なかなかハードルの高い作業だったことがうかがえる。

マーベル作品のクリエイターが集結

更に、ドラマ『ザ・ボーイズ』のスーツ制作には、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『デッドプール』の制作にも携わったCreative Character Engineering社も加わっている。同社は、デザインされたコスチュームを実際に形にしていくパートを担当している。『アイアンマン』に『GotG』に『デッドプール』……これまでマーベル作品の世界観を作り出してきた面々は、世界最強のスーパーヒーローチームであるセブンのスーツデザインを、どのように設計していったのだろうか。

ホームランダーのスーツのこだわり

まず、「ファシストの気はあるがアメリカを凝縮したようなキャラクター」であるホームランダーは、ナチスドイツのイメージをもとにデザインが決定されたという。コスチュームにはワシの肩章が両肩に付いているが、これはドラマオリジナルの設定。原作コミックではワシが付いているのは右肩のみとなっている。肩章を両肩に設定しブーツとベルトにもワシの紋章を置くことことで、コミックでの仰々しさが抑えられ、より統制の取れたユニフォーム風のデザインに仕上がった。コミック作品の実写化で必ず直面する“リアリティの獲得”という問題もクリアしている。

それぞれのスーツにこだわりが

スターライトは中西部出身のピュアな少女という設定。地元の量販店で手に入るような素材をコスチュームに使い、控えめなデザインが施されている。スピードスター、Aトレインのスーツには、一転して空気抵抗や排熱性能に配慮。機能性重視のコスチュームデザインに仕上げられている。
水中で活動できる点が特徴のディープは、二枚目のキャラクターとして成立させるために、見た目のクールさにもこだわった。一方で、演者がグローブを簡単に着脱できるよう配慮するなど、様々な工夫が凝らされている。
ブラックノイアーは忍者と傭兵の間をとったデザイン。スーツの様々な場所にナイフを隠せるようになっているという細かいこだわりも。クイーンメイヴは戦士のイメージを損なわないよう注意が払われ、コスチュームには彫刻風のデザインが施されている。

ドラマ『ザ・ボーイズ』は、既にシーズン2の製作も進められており、シーズン2からは新たなキャラクターも参戦することが決定している。ドラマではほとんどのキャラクターのオリジンが語られておらず、今後、『ザ・ボーイズ』はMCU、DCEUに負けず劣らずのユニバースとなっていく可能性もあるかもしれない。新キャラクターのスーツデザインと共に、今後の更なる展開に期待しよう。

ドラマ『ザ・ボーイズ』の原作コミックは、G-NOVELSより日本語版が発売中。ドラマ『ザ・ボーイズ』はAmazonプライムビデオでシーズン1が配信中。

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