MCU マーベル・スポットライト誕生
2008年に映画『アイアンマン』と共に幕を開けたマーベル・スタジオのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に新たなシリーズが加わる。その名も「マーベル・スポットライト (Marvel Spotlight)」。この名前はマーベル・コミックのアンソロジーシリーズから取られたものだ。
コミック・アンソロジーシリーズの「マーベル・スポットライト」は1971年から1977年と1979年から1981年にわたって、「ウェアウルフ・バイ・ナイト」や「ゴーストライダー」「ムーンナイト」といった作品が刊行された。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのスターロードことピーター・クイルのオリジンを描くタイトルが発売されたこともある。
MCUにおけるマーベル・スポットライトの最初の作品は予告編が公開されたばかりのドラマ『エコー』(2024年1月10日(水)配信) になるという。マーベル・スタジオにおけるディズニープラス配信作品の責任者であるブラッド・ヴィンダーバウムは、MCUのマーベル・スポットライトが果たす役割について、米マーベル公式で以下のように話している。
マーベル・スポットライトは、より地に足のついた、キャラクター主導のストーリーをスクリーンに届けるためのプラットフォームになります。『エコー』の場合は、MCUの連続性よりもストリートレベルのストーリーに焦点を当てています。コミックファンが「ゴーストライダー」のマーベル・スポットライトのコミックを読むときに『アベンジャーズ』や『ファンタスティック・フォー』を読む必要がないのと同じように、私たち(MCUのマーベル・スポットライト)のオーディエンスは、マヤの物語を理解するために他のマーベル作品を観る必要はありません。
MCUといえば、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギの「行為には結果が伴う」という信念と共に、最後には必ず次の事件につながるクリフハンガーが用意されてきた。一方で、“終わらない物語”が15年以上続いていることから、ファンの中で疲弊している感覚があることも確かだ。
マーベル・スポットライトでは、MCU全体の継続性・連続性とは距離を置き、キャラクターを中心に置いた物語が展開されるという。ドラマ『エコー』が全話一斉配信されるというのは、キャラクターを深掘りしたストーリーを集中して楽しんでもらうための工夫なのかもしれない。
なお、マーベル公式サイトではマーベル・スポットライトのタイトルロゴが公開されている。MCU「スパイダーマン」シリーズをはじめとする多くの作品で音楽を手掛けてきたマイケル・ジアッチーノがファンファーレを制作している。
MCUでは2022年に映画でもドラマでもない約1時間の単発作品「マーベル・スペシャル・プレゼンテーション」が始動。同シリーズからは2022年に『ウェアウルフ・バイ・ナイト』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』が配信されている。
整理するとMCUには、①2-3時間の長編でメインを張る映画、②ドラマやアニメを含む配信作品のシリーズ(series)、③1時間という中編作品のスペシャル・プレゼンテーション、④尺はドラマレベルだがキャラ主導でユニバース内の連続性を薄めたMCUスポットライト、という4つの部門が存在することになる。それぞれがどんな役割を果たしていくのか、まずは2024年1月のドラマ『エコー』の配信を楽しみに待とう。
Source
Marvel.com
ドラマ『エコー』から公開された初予告はこちらから。
11月10日(金)公開の映画『マーベルズ』で主人公三人が置かれている状況についてはこちらから。