MCUドラマ『エコー』キングピン&デアデビル登場の予告編を解説 | VG+ (バゴプラ)

MCUドラマ『エコー』キングピン&デアデビル登場の予告編を解説

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ドラマ『エコー』予告編公開

MCUドラマ『エコー』が2024年1月10日(水)に配信されることが、マーベルから正式に発表された。『エコー』はドラマ『ホークアイ』(2021) に登場したマヤ・ロペスを主人公に据えた作品で、一度は2023年11月29日の配信が発表されていたが、同年9月に米脚本家組合と米映画俳優組合のストライキの影響を受けて2024年1月への延期が伝えられていた。また、全6話とされていたエピソード数は全5話に変更となっている。

ドラマ『エコー』は、これまでのMCUドラマシリーズと異なり、全5話が一斉に配信される。また、米国ではDisney+とHuluで同時配信され、Huluでは4月9日まで配信されることが発表されている。Disney+のドラマシリーズとしては、「スター・ウォーズ」の『アソーカ』(2023) が米時間の火曜配信、『ロキ』シーズン2が米時間の木曜配信だったが、『エコー』は水曜配信に戻るようだ。

今回、配信日とポスターと共に最初の予告編が公開されているが、意外な面々が登場するサプライズが用意されている。追記:11月6日(月)に日本語版予告も公開された。

冒頭、右足が義足の女の子が登場するが、これは主人公マヤ・ロペスの少女時代だ。ドラマ『ホークアイ』でもマヤの少女時代を演じたダーネル・ベサウが演じている。なお、ダーネル・ベサウはマヤ役のアラクア・コックスの実のいとこである。

マヤはアイスクリーム屋に手話でアイスが欲しいと伝えるが、アイスクリーム屋は「なんて言ってるのかわからねぇよ (I don’t know what you’re saying)」と、耳が聞こえないマヤに対して不親切な態度を示す。それを見ていたのはヴィンセント・ドノフリオ演じるキングピンことウィルソン・フィスクだ。

車から降りるとアイスクリーム屋の元に直行してフルボッコ。ABC制作のドラマ『デアデビル』(2015-2018) で見せた制御不能の暴力性を再び披露している。『ホークアイ』はホリデーシーズンのファミリードラマということもあり、やや明るめの作風となっていたが、どうやら『エコー』は大人向けのトーンの作品になっているで、旧来のファンが求めていたフィスクの姿が描かれることになりそうだ。

なお、マーベル・スタジオのロゴタイトルはウィルソン・フィスクのトレードマークであるスーツと同じ白色になっている。キングピンの暴力性を引き継いだかのように敵に暴力を振るう大人になったマヤ。キングピンの声で「お前は多くの痛みと怒りを抱えている」というセリフが入り、交通事故のシーンやネイティブ・アメリカンの人々の姿が映し出される。

ドラマ『エコー』はMCUで初めてネイティブ・アメリカンの人物が主人公に据えられる作品だ。主演のアラクア・コックス自身もネイティブ・アメリカンであり、『エコー』には多くのネイティブ・アメリカンにルーツを持つ俳優が起用されている。

そして、ドラマ『エコー』予告編の1分27秒あたりには、デアデビルの姿も。チャーリー・コックス演じるデアデビルは、ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) で正式にMCUに合流。こちらもコメディドラマで明るい作風だったが、『エコー』では再びダークなデアデビルの姿を見ることができそうだ。

なお、MCU版ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』は2024年春の配信開始がアナウンスされていたが、こちらは2025年配信に延期になると見られる。

敵を殴りまくり、痛めつけるマヤ・ロペスの映像に重ねて、ウィルソン・フィスクは「お前と私は同じだ」と語りかける。ドラマ『デアデビル』では、フィスクは幼少の頃に父から暴力を受けていた。フィスクは娘のような存在であるマヤを大事に育てたようだが、それでも暴力の連鎖は止まっていない。今度は父としてのウィルソン・フィスクに焦点が当てられることになりそうだ。

そして予告編のラストでは、アイパッチをつけたフィスクが「誰がモンスターだ?」と問いかける。その前には銃を構えるマヤの姿があった。そう、『ホークアイ』のラストでマヤが撃ち殺したかに思われていたフィスクは生きていたのだ。しかも目を負傷しているということは、マヤは頭を撃ったがフィスクは生きていたということだろうか(その状態で「誰がモンスターだ?」と言われても……)。

『ホークアイ』では、キングピンことウィルソン・フィスクがローニン時代のホークアイにマヤの父を襲撃するよう依頼しており、マヤにとってフィスクは父の仇だった。マヤはやはりフィスクに復讐を果たすことになるのだろうか。

今回の予告編ではニューヨークのギャングとして生きるマヤと、ネイティブ・アメリカンの集落が交互に映し出されていた点が印象的だった。マヤ・ロペスは『ホークアイ』で父から「二つの世界を行き来できる」と教わっていた。HuluとDisney+での同時配信という手法も、その特徴を踏襲しているのかもしれない。

今回の発表では、エコーは「フィスクの犯罪帝国から追われる」ことが明かされている。また、事前に公開されている作品紹介は以下の通りだ。

もし彼女が前に進むことを望むなら、彼女は自分の過去と向き合い、ネイティブ・アメリカンのルーツと再び繋がり、家族やコミュニティが持つ意味を受け入れなければならない。

ドラマ『エコー』は『ホークアイ』からどのように繋がり、『デアデビル』にどのように繋がっていくのか、配信開始を楽しみに待とう。

ドラマ『エコー』は2023年1月10日(水)よりディズニープラスで全話一挙独占配信。

 

なお、『エコー』はMCUの新たなシリーズ「マーベル・スポットライト」に組み込まれることが発表されている。詳しくはこちらから。

ドラマ『ホークアイ』最終回の解説はこちらから。

キングピンことウィルソン・フィスクを演じたヴィンセント・ドノフリオが語ったフィスクの生死についてはこちらから。

 

ドラマ『ロキ』シーズン2第5話のネタバレ解説はこちらから。

11月10日(金)公開の映画『マーベルズ』で主人公三人が置かれている状況についてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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