『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話 感想&考察 交錯する2つの時代 ネタバレ解説 | VG+ (バゴプラ)

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話 感想&考察 交錯する2つの時代 ネタバレ解説

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2023年11月17日(金)に第1話と第2話が一挙配信

2024年の「ゴジラ」シリーズ70周年に向けて、『ゴジラ-1.0』(2023)や『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア(原題:Godzilla x Kong: The New Empire)』(2024)が動き出している「ゴジラ」シリーズ。その中でもモンスター・ヴァースの最新作として『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』が2023年11月17日からApple TV+より配信が開始された。

本記事ではモンスター・ヴァースの最新作である『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話「旅立ち」について解説と考察をしていこう。なお、本記事には『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話「旅立ち」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』の内容に関するネタバレを含みます。

2015年の日本と1952年のフィリピン

2人の出会い

1952年、フィリピンの首都マニラ。ワイアット・ラッセル演じる若き日のリー・ショウは当時少尉としてクリストファー・ヘイエルダール演じるパケット大佐に呼び出されていた。マニラはスペイン人による植民地化、イギリス軍の占領、1898年の米西戦争後はパリ条約でアメリカの占領下になり、第二次世界大戦下では日本と米英の戦場となるなど、統治者が二転三転した歴史がある。

一時は日本軍が米軍を追い出す形で占領したが、アメリカ軍が後に反抗し、日本軍が降伏した1940年代後半にはアメリカ軍の施政下になっている。マニラ周辺の米軍基地はベトナム戦争時には重要な出撃基地となり、ベトナム戦争開戦の時期は諸説あるが多くが1950年代であるため、1952年には数多くの軍人が赴任している可能性があり、そのためリー・ショウ少尉もマニラに赴任していたと考察できる。

リーは正義感が強く、酒場などで人種差別的な嫌がらせや、女性への侮辱的な行為を見かける度に喧嘩を起こしていた人物であることがここで語られている。リーの父親も軍人であり、ショウという姓もスコットランド系であることから、アメリカでよくみられる軍人・警官・消防士などの下級公務員とされる職業に代々就いている家系の生まれだと考察できる。

問題児であったリーは日本人科学者の護衛任務を命じられる。ここでリーが日本人の護衛に疑問を呈していることと、演じているワイアット・ラッセルの年齢が37歳であることから、リーは第二次世界大戦に従軍していた可能性が高いと考察できる。

また、リーがミンナダオ港でミウラ博士を探している際に人違いをするのは単に時代背景的に女性の科学者が珍しかっただけではなく、ミンナダオ島がフィリピンでも有数の日系人の多い島であることも挙げられるだろう。ミンナダオ島には19世紀末にアメリカによって開かれたマニラ麻農園のために多くの日本人が移住し、第二次世界大戦前には2万人近い東南アジア最大の日本人コミュニティが存在していた。

ここで山本真理演じるケイコのフルネームがミウラ・ケイコであり、リーのフルネームもリーランド・ラファイエット・ショウ3世であることが明らかになる。ジープを飛ばしているときに流れている音楽はビッグ・ママ・ソーントンが1953年に発表した「ハウンド・ドッグ」である。ビッグ・ママ・ソーントン自身が黒人フェミニストとして高い評価を受けており、楽曲の「ハウンド・ドッグ」もヒモ男への女性の怒りを歌った内容であることから、ケイコをミウラ博士の娘などと勘違いしていたリーへの強烈なアンサーソングとなっている。

しかし、「ハウンド・ドッグ」は女性の怒りを歌ったもので、女性が歌うことに意味があった楽曲にも関わらず、カバーしたエルヴィス・プレスリー版の方が有名になってしまった歴史がある。そのためビッグ・ママ・ソーントンの存在が薄れてしまったという悲しい歴史も存在している。

ケイコをリーが護衛する理由は、米軍の気象観測機がフィリピン海の上空で放射性同位体を検出したことだと語られる。ソ連の核実験にしては南方すぎており、米軍が行なった記録もない。その発生源がフィリピンにあることから調査が依頼されたわけである。モンスター・ヴァースにおいて対ゴジラ用に行われたビキニ諸島でのクロスロード作戦が1946年の7月1日と7月25日であるため、既に世界情勢は核の時代に突入しており、特別研究機関MONARCHでなくとも米軍が放射能に関して警戒していた時期であることが考察できる。

発見された更なる書類

2015年、東京。第1話「余波」で父親のヒロシが隠していたカバンを見つけてしまった渡部蓮演じるケンタロウは出勤せず、父親のオフィスに足を運んでいた。自分の知らなかった父親のもう一つの顔と家庭。その怒りに任せてケンタロウは暴れる。

その最中、鍵付きの棚の一つからリーランド・ラファイエット・ショウ3世が現役時に行った任務についての調査書類を発見する。その中には社会法人フタバ憩いの里という老人ホームにリーは入居していることが書かれた書類もあり、そして「1952年フィリピン」とだけ書かれたテープが残されていた。

特別研究機関MONARCHの原形

その1952年のフィリピンでは、日ごとに減っていく放射線量について早く調査するため、リーとケイコが急いで準備していた。急かされたことに対し、リーはケイコの英語に対して嫌味か、それとも時代背景からか人種差別的な発言を返すがケイコはそのような発言にバークレーの大学院で学んだと返す。

ケイコが学んだと語るカリフォルニア大学バークレー校は全米最高峰の公立大学であり、10大学からなるカリフォルニア大学の旗艦校で最古の歴史を持っている。その上ノーベル賞受賞者の輩出人数世界第3位という世界最高水準の学校であるため、その大学院でみっちりと学んだというケイコの優秀さがそれだけで考察できる。

リーは1952年という時代背景も含めて、未知の放射能汚染が発見されたのにも関わらず日本人女性科学者が1人と護衛1人だけ送られてきた時点で上層部は状況を重く見ていないと話す。リーは正義感が強いがその一方で非常に「アメリカ人らしい」側面があり、それを話がずれているとケイコに指摘されている。ある意味ではワイアット・ラッセルが演じたMCUドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のジョン・ウォーカー / キャプテン・アメリカ(2代目) / U.S.エージェントに近い人物像かもしれない。

ジャングルの中で物音がし、その正体であったカメラを回す白人に銃を突きつけるリー。その白人は「自分は元海軍だ」と語り、名前をウィリアム・ランダだと語る。ウィリアムの愛称はビル、もしくはビリーであるため、第1話「余波」で登場したアンダース・ホルム演じるビリーは後に『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)で登場するジョン・グッドマン演じる特別研究機関MONARCHに所属する地質学者ウィリアム・“ビル”・ランダであることがわかる。

1952年のウィリアム・ランダは地質学者ではなく未知生物学者だと名乗っており、真実を追い求めていると語っている。このことから、リー、ケイコ、ビリーの3人の出会いが特別研究機関MONARCHに繋がっていったことが考察できる。

特別研究機関MONARCHとの遭遇

西武新宿駅へと向かう中、謎の女性につけられるケイト。しかし、西武新宿駅に到着したとき、母親とケイトの電話の会話が聴こえたといって謎の男性が接触してくる。ジョー・ティペット演じるティムと名乗るその男は、ケイトにファイルについて話があると切り出す。ティムは第1話「余波」で登場した特別研究機関MONARCHの職員であり、カーシー・クレモンズ演じるメイが暗号を解読した際に1人で対処すると豪語した人物だ。実際にケンタロウが住んでいた東京都新宿区西新宿8丁目9−18から西武新宿駅は徒歩11分ほどであり、2015年の東京都で繰り広げられた物語はほぼ徒歩約10分圏内で行なわれていたことがわかる。地理的にも無理のないように収めているところが制作陣のこだわりを感じる。

自分はモナークのもので、ヒロシが遺したファイルには重要な意味があると語るティム。電話したいと言って一度は逃亡するケイトだったが、ケイトを追跡していたフランス語訛りの謎の女性のエリサ・ラソウスキー演じるデュバルに取り押さえられ、車に押し込まれる。彼女もティムと同じくモナークの職員だった。ティムは行き先を知られないためにケイトに布袋をかぶせるが、ケイトはそれが引き金となって「サンフランシスコの悲劇」がフラッシュバックし、パニックに陥る。ここでケイトがスクールバスに閉じ込められた影響で閉所恐怖症になったことが考察できる。

パニックになり、ゴジラの幻影がフラッシュバックしたケイトは運転していた女性を蹴り飛ばし、それによって車は中央分離帯に激突して横転してしまった。何とか逃げ出すケイト。その頃、ケンタロウはメイに接触を図り、「1952年フィリピン」と書かれたテープの解析を頼む。しかし、メイはそれをあしらい、ヒロシの遺したファイルの解析に勤しむのだった。

逃げ出したケイトは警察から信用されず、夜の街を1人逃げる。ケンタロウと久藤今日子演じるケンタロウの母親はヒロシの幼少期の写真を破り、怒りのはけ口とする。だが、ケンタロウはその写真の中に若き日のリーの写真を見つけてしまった。

MUTO

1952年のフィリピンのジャングルの中、リー、ケイコ、ビリーは今後の放射線同位体を追う方法を話し合っていた。ガイガーカウンターでは追い付かないと豪語するビリー。ビリーは民話や神話の中に答えがあると語り、この山の住人の伝承では炎の道と共に飛ぶドラゴンの伝説があると語り、その炎の道は電離放射線ではないかという持論を話す。

ケイコは真面目に聞いているが、リーは呆れた様子だ。この時のビリーの語り口は『キングコング:髑髏島の巨神』のビルの片鱗が垣間見えている。ビリーに同行するかどうかで意見が割れるケイコとリー。ケイコはリーに対して護衛任務は結構だと突き放し、リーも迎えをよこすと言ってそのままジープで走り去ってしまった。

ビリーはこのドラゴンのことをムートー(MUTO)と呼んでおり、後に特別研究機関MONARCHが怪獣(タイタン)の総称として用いるMassive Unidentified Terrestrial Organism(未確認巨大陸生生命体)の名付け親がビリーだと明かされる。ビリーはドラゴンの飛行ルートに周期性を見つけ、それを追っているのだった。

その飛行ルートと、ケイコの調べていた観測機が検知した放射性同位体の浮遊経路を見比べると、両者がぴったりと合致していることがわかる。ビリーはケイコを連れて走り、山中に遺棄された駆逐艦ロートンを見つける。駆逐艦ロートンのモデルになったのは、おそらく第二次世界大戦でフィリピンのサンペドロ湾の戦いなどに参加した駆逐艦ウィリアム・D・ポーターか、サウスダコタ級戦艦だと考察できる。

不幸な艦とも呼ばれる駆逐艦ウィリアム・D・ポーターは第二次世界大戦ではフィリピンで支援砲撃や火力支援、水上戦力の侵入を防ぐためにフィリピン近海で運用された。ロートンという名前は駆逐艦ウィリアム・D・ポーターは魚雷の雷管を外し忘れてしまい、戦艦アイオワを雷撃してしまったエピソードがある。この際、雷管を外し忘れたとして労働刑を命じられ、インターネットミームになった人物の名前がロートン・ドーソン水雷分隊長である。

駆逐艦ロートンは『キングコング:髑髏島の巨神』にも写真資料として登場しており、その写真ではサウスダコタ級戦艦に近いデザインだった。『キングコング:髑髏島の巨神』では巨大生物に襲撃され、生存者は1名のみという怪獣(タイタン)の脅威を伝える存在として登場している。その際には浜辺に難破し、船体は爪か何かによってずたずたに引き裂かれていた。

特別研究機関MONARCHからの追跡

夜の街を逃げ続けるケイト。ケイトは数少ない日本の頼れる人物としてメイの家に向かうが、メイの家には既にティムら特別研究機関MONARCHの面々が待ち構えていた。寸前のところでメイに引き留められ、鉢合わせを回避するケイト。部屋の中でティムとデュバルはメイがどこまでの情報を探ったのかについて調べている。

ケンタロウは母親から父親のヒロシの父親、つまりケンタロウにとっての祖父はヒロシが18歳の頃にベトナムで死亡しており、ヒロシが頼れる人物はリーだけだったと知らされる。ヒロシはリーのことをおじさんと呼んでいたようだが、多くは語らなかったとのことだ。リーについて訊ねるケンタロウの元にメイからメールが届く。そのメールを開く前にケンタロウの元に特別研究機関MONARCHのティムとフランス語訛りの女性が訪ねてくるのだった。

無理やりケンタロウの家に上がり込むティムとデュバル。2人はランダのファイルを要求する。ケンタロウの母親は若き日のリーの写真を隠してケンタロウに手渡し、アイコンタクトでケンタロウに逃げるように伝える。ヒロシの遺影を見てティムが何か気づき、その企みは悟られてしまったが、ケンタロウはリーの写真を持って逃亡に成功した。

駆逐艦ロートンの生存者

1952年のフィリピンでは何故1943年に真珠湾で沈んだはずの駆逐艦ロートンが8000kmも離れたフィリピンにあるのかについて、ケイコとビリーが話し合っていた。1973年が舞台の『キングコング:髑髏島の巨神』では沈んだ理由が怪獣(タイタン)によるものだとビルは確信を持っていたが、それはこの1952年のフィリピンでの出来事が関係していると考察できる。

駆逐艦ロートンの中に入っていくビリーとケイコ。ビリーはケイコに神話や民話を調べている理由について聞かれると、当時の人が何に惹かれ、何を恐れたのか興味があるのか気になると返した。そしてビリーは自分の名前が書かれた箱を見つける。

ビリーこそ、怪獣(タイタン)に襲われた駆逐艦ロートンの唯一の生存者だったのだ。ビリーは「駆逐艦ロートンは日本の潜水艦にぶつかり3分たたずに沈没した」と考えていたが、フィリピンで駆逐艦を見つけられたことこそが、『キングコング:髑髏島の巨神』での怪獣(タイタン)の存在を確信に繋がったと考察できる。

その頃、ジープでミンナダオ港に戻ろうとしていたリーはガイガーカウンターが反応を示し、空にオーロラのようなものが出来ているのを発見する。それこそビリーが語っていた「炎の道と共に飛ぶドラゴン」の存在であり、急いでケイコのもとへと戻るべくジープを走らせた。

ジェイソン・ボーン

時は再び戻り、2015年の東京。メイは行きつけの居酒屋の奥にケイトを匿う。ゴジラの襲撃が起きた「サンフランシスコの悲劇」、通称G-Day以降、メイは非常用バッグをつくって隠していると語るがその中身は偽造パスポートや偽造IDに各国の紙幣と、ケイトの言う通り『ボーン』シリーズの主人公ジェイソン・ボーンさながらのものだ。

そこに合流するケンタロウ。メイとケイトは逃げるか、それともランダのファイルを渡してしまうかで意見が割れているが、ケンタロウがリーの写真を見てあてがあると話し、2人をリーのもとへと連れていく覚悟を決めた。

ケンタロウが発見したヒロシの集めていたリーの資料の中には、確かに現在のリーの居場所として、社会法人フタバ憩いの里という老人ホームにリーは入居していることが書かれた書類が存在していた。おそらくそこに記載された富士山の見える双葉市に向かうと考えられる。老人ホームのパンフレットに富士山が綺麗に見えることがアピールされていることから、双葉市は静岡県か山梨県、もしくはその周辺の都市部にある架空の市だと考察できる。

青い体液

1952年、フィリピンの山中に捨て置かれた駆逐艦ロートンの艦内は青い体液のようなもので汚染されていた。その体液は船内乗組員たちを覆い、死体を保管していた。9年前にも関わらず腐敗しているようには見えない遺体たち。

青い体液に覆われた死体の山を見たケイコとビリーは駆逐艦ロートンからの避難を決意。しかし、先ほどの入ってきた階段からはまだ乾いていない青い体液が滴っていた。それはこの船の中に何者かがおり、人間達を捕らえているということだ。

東宝が出しているゴジラにさせてはいけないことのリストに「ゴジラは人間を食べてはいけない」というものがある。メガヌロンやガイラなど例外はあるが、東宝怪獣はゴジラと同じく人間を捕食しないことが多いことから、駆逐艦ロートンを襲った怪獣はドラゴンに似たラドンやバランなどの既存のリメイク怪獣ではなくオリジナル怪獣の可能性が高い。

フタバ憩いの里

社会法人フタバ憩いの里にカート・ラッセル演じる年老いたリーに会いに来たケンタロウ、ケイト、メイの3人。リーはケイコらと行動を共にしていたときは少尉だったが、その後昇進して大佐にまでなっていることがわかる。大佐は少尉より5階級上の役職であり、最上級曹長の補佐を受けながら3000人から5000人程度の旅団級部隊の指揮官を務めることができる。少尉が最下級の士官だったことを考えると、問題児から大佐への出世はリーのその後の功績の凄さを物語っていると考察できる。

ここでケンタロウの本名がランダ・ケンタロウ、ケイトの本名がケイト・ランダであることが明かされる。2人の祖母がミウラ・ケイコであることは第1話「余波」で明らかになっているので、ウィリアム・“ビル”・ランダとケイコはその後結婚し、子供をもうけ、それがヒロシであることがわかる。

また、ケンタロウの母親がベトナムでヒロシの父親は亡くなったと語っていたが、元海軍のビリーが祖父であるならば、『キングコング:髑髏島の巨神』の冒頭でベトナム戦争から米軍は撤退しており、その帰還兵たちを中心に髑髏島の調査団は構成されているのでビリーの死はベトナム戦争ではない。おそらく、髑髏島の存在が公になっていない2015年以前のビリーの死はベトナム戦争によるものという政府の隠蔽があったと考察できる。ケンタロウの母親の本名がエミコ・ランダということも明かされた。

社会法人フタバ憩いの里は特別研究機関MONARCHによる管理施設であり、そこかしこに監視カメラがしかけられ、リーもまた囚われの身かつケンタロウやケイト、メイと同じく特別研究機関MONARCHにとって最重要秘密事項を握る人物であることが考察できる。おそらく、ケイコ、ビリーとの調査の最中、特別研究機関MONARCHの設立及び公にできない怪獣(タイタン)に関する情報を知ってしまったことによるものだと考察できる。

炎の道と共に飛ぶドラゴン

駆逐艦ロートンからの脱出を試みるケイコとビリーだったが、駆逐艦ロートンは謎の巨大な生物「イオン・ドラゴン」に襲われ、その鳥のような足と爪で駆逐艦ロートンの草稿は見るも無残に引き裂かれていく。間一髪のところで若き日のリーによってビリーとケイコは救われる。『キングコング:髑髏島の巨神』の写真での駆逐艦ロートンの傷はイオン・ドラゴンによるものだと考察できる。

しかし、それはドラゴン型の怪獣(タイタン)「イオン・ドラゴン」の存在というこれから始まる核の時代ならぬ怪獣の時代の幕開けに過ぎなかったのだった。

第3話で彼らが向かうのは

これまでのモンスター・ヴァースよりも特別研究機関MONARCHのスパイのような性質を色濃く描きながら、2015年の東京と1952年のフィリピンの2つの時代が交錯するエピソードとなっていた第2話「旅立ち」。2015年では巨大な権力を有した組織となった特別研究機関MONARCHに対し、1952年ではケイコ、ビリー、リーたち3人による特別研究機関MONARCHの原形がつくられるまでの過程が時代背景と合わせて丁寧に描かれている。

第2話「旅立ち」のラストでは特別研究機関MONARCHの原形となった研究に携わっていたのにも関わらずリー・ショウ大佐が軟禁状態であることが発覚し、特別研究機関MONARCHはリーが握る何かの情報を恐れていることが描かれ、その表題通りに社会法人フタバ憩いの里からの脱出する決意も描かれた。そして遺体が発見されていないのならばケイトとケンタロウの父親のヒロシ・ランダが生きている可能性も提示されている。

第3話「秘密とウソ」ではアラスカへとショウ大佐は向かい、ショウ少尉はパケット将軍に怪獣(タイタン)の存在を報告するということだが、そこで待ち受けるもの何なのだろうか。『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』との関係性も合わせて注目していきたい。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話「旅立ち」は2023年11月17日(金)よりApple TV+より配信開始。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』公式サイト

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第1話「余波」のネタバレ考察&解説記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』初情報解禁時の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』予告編第1弾の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』予告編第2弾の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』の冒頭映像と怪獣名に関する記事はこちらから。

モンスター・ヴァース版ゴジラの最新作の情報はこちらから。

『ゴジラvsコング』登場怪獣の紹介はこちらから。

『ゴジラvsコング』の続編考察はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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