ドラマ『ホークアイ』第4話に隠れた新キャラ
Disney+で配信されているドラマ『ホークアイ』は、10年前にMCUに登場したホークアイことクリント・バートンを主人公に据えた作品。『アベンジャーズ』(2012) におけるニューヨークの戦いで命を助けられたホークアイに憧れるケイト・ビショップは、本作のもう一人の主人公。クリントとケイトによるコミカルなバディドラマに仕上がっている。
ドラマ『ホークアイ』の魅力は、これまでのMCUドラマと同じく多くの新キャラが紹介されている点だ。今回は、第4話でこっそり登場していた重要なキャラクターを紹介しよう。
以下の内容は、ドラマ『ホークアイ』第4話の内容に関するネタバレを含みます。
ウェンディ・コンラッド登場
ドラマ『ホークアイ』第4話のメインイベントといえば、終盤に映画『ブラック・ウィドウ』のエレーナが登場したことだろう。エレーナの再登場はSNSや各メディアでも大きな話題になったが、その影で、今後のMCUで重要なキャラになりうる人物が登場していたことをご存知だろうか。
その人物が登場したのは、第4話がちょうど中盤に差し掛かった場面だ。クリントはジャージ・マフィアのカジと話をつけに、ケイトはNYCラーパースを通してトリック・アローを取り戻しに行く展開に。ラーパースは警察官や消防士が多いため、ケイトは証拠品として押収されているトリック・アローを、メンバーにこっそり持ち出してもらう。
そこで紹介されるのが、警察官のコンラッド巡査だ。「別名エルズ=バス」と名乗るこの人物は、クレジットでは名前が「Wendy」となっており、フルネームは“ウェンディ・コンラッド”であることが分かる。ウェンディ・コンラッドは、この後しっかりクリントのトリック・アローを回収してアパートに現れる。
ウェンディは、自分のバッグに矢を入れて持ってくるが、急いでいるクリントはバッグごと矢を持ち去ろうとする。ウェンディは「パートナーの手製で“いい女”って刺繍が」と、大事なバッグであることを主張するが、ケイトが必ず返させることを約束してクリントはバッグごと矢を受けとっている。
原作コミックでは…
『ホークアイ』第4話におけるウェンディ・コンラッドの出番はこれだけだ。だが、実は原作コミックのウェンディ・コンラッドは、“ボムシェル”という名のホークアイの敵として、つまりヴィランとして登場する。名前の通り爆弾を武器として使用するキャラクターなのだが、ドラマ『ホークアイ』の中でも“ボムシェル”という言葉が登場している。
それは、先述の「パートナーの手製で“いい女”って刺繍が」というセリフの中にある。日本語では字幕でも吹き替えでも「いい女」となっている箇所は、英語では「bombshell(ボムシェル)」となっている。「bombshell」には「爆弾発言」や「砲弾」という意味と共に「魅力的な女性」という意味もある。ウェンディ・コンラッドは今回の初登場の時点で、パートナーから「ボムシェル」と称されていることを明かしていたのだ。
MCUのウェンディは、おそらくまだヴィランになっていないのだろう。第4話ではホークアイに協力的だったが、気になるのはウェンディは大事なバッグを嫌々渡さざるを得ず、第4話の中ではバッグはまだ返されていないということだ。パートナーから貰った思い入れのあるバッグを台無しにされ、クリントとケイトに恨みを持ってもおかしくない。
ラーパースは二人に新コスチュームを用意することを約束しており、ボムシェルことウェンディが第5話か第6話で再登場する可能性は高い。残り二話は“ウェンディのバッグ”にも注目しよう。
初のレズビアンの登場人物
なお、ウェンディにバッグをくれた人物は、日本語字幕では「パートナー」となっているが、日本語吹き替えでは「私の妻」と言っている。英語でも「my wife」と言っており、ウェンディとそのパートナーは婚姻関係にあるレズビアンカップルであることが示されている。実はレズビアンのカップルの存在がMCUで明示的に登場するのはこれが初めてだ。
ドラマ『ロキ』(2021) ではロキがバイセクシャルであることを明かし、映画『エターナルズ』(2021) ではゲイのファストスが主人公の一人として登場。一方で、MCUではこれまでレズビアンカップルの描写が存在しなかったため、ウェンディの登場をSNS上で歓迎する人は少なくない。クィアコミュニティと次世代のためのメディアである英PinkNewsは、「『ホークアイ』は静かに新たなクィアキャラクターをMCUに紹介した」と報じている。
ウェンディ役を演じたアデティンポ・トーマスも、自身のTwitterでこのニュースをシェアしている他、クィアコミュニティからの歓迎の声に反応している。
Thank you @MaggieBaska 😍 https://t.co/IgxsTznEdf
— Adetinpo Thomas (@adetinpothatsme) December 11, 2021
Now I’ll crying 😭😭 https://t.co/bc3BBzM5X9
— Adetinpo Thomas (@adetinpothatsme) December 8, 2021
— Adetinpo Thomas (@adetinpothatsme) December 11, 2021
また、原作コミックではウェンディ・コンラッドは傭兵という設定だが、MCUではニューヨーク市警という設定になっている。SSUの『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』に登場したパトリック・マリガン刑事と同じである。マリガン刑事の今後についてはこちらの記事でネタバレありの解説をしているので、同作を既に鑑賞された方は一読していただきたい。
ドラマ『ホークアイ』はDisney+で独占配信中。
第5話のネタバレ解説はこちらから。
第4話のネタバレ解説はこちらから。
第4話のエレーナの登場で明らかになった4つの事実はこちらから。
製作陣が語ったエレーナ登場の裏側はこちらの記事で。
第3話のネタバレ解説はこちらから。
第3話に隠されていたカジの過去についてはこちらの記事で。
第1話のネタバレ解説はこちらから。
第1話に登場した「サノスは正しかった」という落書きについては、こちらで詳しく考察している。
第2話のネタバレ解説はこちらから。
第2話で判明した、ケイトがウエストコースト・アベンジャーズのリーダーになる可能性についての考察はこちらの記事で。
MCUの時系列における『ホークアイ』の位置と、フェーズ4のタイムラインについての解説はこちらの記事で。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。