ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』予告編公開! 「戦いは終わった」暗黒の時代描く 解説&考察 | VG+ (バゴプラ)

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』予告編公開! 「戦いは終わった」暗黒の時代描く 解説&考察

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ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』初の予告公開

2022年5月27日(金)配信を予定しているドラマ『オビ=ワン・ケノービ』より、初の劇中映像となるティザー予告が公開された。これまでのドラマシリーズと同じく、いやそれ以上の圧巻のクオリティを見せつけている。

冒頭、ユアン・マクレガー演じるオビ=ワン・ケノービがタトゥイーンの砂漠を進みながら「戦いは終わった」と告げるシーンから映像は始まる。オビ=ワンは「私たちは負けた」と語っている通り、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の舞台は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) でジェダイオーダーが破れて帝国が成立してから10年後の物語になっている。

Disney+のアニメシリーズ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(2021-) は、クローン兵を寝返らせてジェダイを総攻撃するオーダー66から物語が始まったが、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』はすでに帝国が強固な基盤を作り上げた後の物語になる。帝国が滅びた『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』から5年後を舞台にしたドラマ『マンダロリアン』(2019-) や『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) とは一味違った緊張感のあるドラマ作品になるだろう。

予告映像のオビ=ワンは、10歳になったであろう幼いルーク・スカイウォーカーの姿を遠くから見守っている。ルークは“エア”でスピーダーの操作の練習をしているようだ。そんなルークを見てオビ=ワンは「隠れていなさい」と告げるのだった。

そして現れたのはアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018) に登場した大尋問官だ。同作ではダース・ベイダーの命によってジェダイ狩りに励んでいたが、『オビ=ワン・ケノービ』の予告編でも「ジェダイ狩りの鍵は忍耐だ」と発言し、初めて実写化された姿を見せている。

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そしてここから「スター・ウォーズ」シリーズのお馴染みの音楽が流れ、大尋問官の「奴らの情けが仇になる」という台詞と共に市民が吊るされている場面が映し出される。帝国は強引なやり方でオビ=ワン・ケノービを誘き出そうとしているようだ。そして、ルークの育ての親であり、オビ=ワンの同行を知るオーウェン・ラーズの姿が。オーウェン・ラーズは、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002) と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で同役を演じたジョエル・エドガートンが演じている。

大尋問官は「ジェダイの掟が仇になる」と話し、サイバーパンクな街並みを帝国軍が片っ端から捜査するディストピアな描写も。大尋問官は尋問官たちの特徴的なダブル=ブレード・ライトセーバーを振るい、「奴はどこだ」と尋問する。

予告編を通して映し出されるのは、まさに“闇の時代”。それでも、テロップには「暗闇と敗北の狭間で、希望は生き延びる」という文字が並び、俯くオビ=ワン・ケノービが不安げな表情のまま顔をあげるところで予告編は幕を閉じる。

そして、Disney+のロゴマークは初めてライトセーバーが振るわれるアレンジバージョンが使用されている。Disney+オリジナルの「スター・ウォーズ」シリーズとしては『バッド・バッチ』を入れると『オビ=ワン・ケノービ』は4作目になるが、ジェダイが主人公になるのはこれが初めてとなる。

『オビ=ワン・ケノービ』予告映像考察

帝国時代の「その後」を描いてきたこれまでのドラマシリーズとは異なり、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』で描かれるのは、“新たなる希望”であるルークを未来に繋げるまでの物語だ。不安定だが自由な雰囲気に溢れていた『マンダロリアン 』『ボバ・フェット』とは違い、『オビ=ワン・ケノービ』では管理統制が進む逃げ場のない暗黒時代が舞台になる。「スター・ウォーズ」シリーズでお馴染みの音楽も登場とライトセーバーの効果音も、やはり映像に緊張感を落とし込んでくる。

帝国が残忍なやり方でオビ=ワン・ケノービを誘い出そうとしている描写も見られたが、オビ=ワンはどのようにしてこの状況に折り合いをつけていったのだろうか。優れたジェダイの育成と帝国の打破というより大きな正義と、目の前の民衆が天秤にかけられる状況にオビ=ワンがどのように挑むのかという点に注目したい。

一方で、今回のティザー予告編では、既に本作への登場が発表されているヘイデン・クリステンセン演じるダース・ベイダーの登場はなかった。今回の映像では、『スター・ウォーズ 反乱者たち』などに登場した大尋問官が中心的なヴィランになることが示唆されたが、大尋問官はダース・ベイダーから直接命令を受けるレベルの人物だ。ダース・ベイダーの登場は大尋問官を通して、ということになるのだろう。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』はリミテッド・シリーズとして製作されるため、シーズン2の予定はない。どのようにして『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) に繋がるのか、そして『エピソード3』以来17年ぶりにオビ=ワンとアナキンを演じるユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンはどのような共演を見せてくれるのか。配信開始を楽しみに待とう。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は2022年5月27日(金)よりDisney+で独占配信。

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初公開されたダース・ベイダーの姿とヘイデン・クリステンセンのコメントはこちらの記事で。

急浮上している『オビ=ワン・ケノービ』シーズン2の可能性についてはこちらから。

監督、ユアン・マクレガーのコメント、ヘイデン・クリステンセンの復帰についてはこちらの記事で。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は幼いレイアに重要な役割が与えられているとの報道も出ている。詳しくはこちらの記事で。

監督が語ったダース・ベイダー復活の理由はこちらから。

ヘイデン・クリステンセンはドラマ『アソーカ』への出演も決定したが、こちらはダース・ベイダーではなくアナキンとして出演する可能性も。詳しくはこちらから。

『マンダロリアン』シーズン3は「グローグーの決断の影響」に注目。詳しくはこちらの記事で。

『ボバ・フェット』ラストのネタバレ考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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