ネタバレ考察『ボバ・フェット』最終回第7話 ラストの意味は? スピンオフか、シーズン2への伏線か | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『ボバ・フェット』最終回第7話 ラストの意味は? スピンオフか、シーズン2への伏線か

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『ボバ・フェット』最終話が配信開始

「スター・ウォーズ」最新作ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』の最終話が2022年2月9日(水) から配信を開始した。人気キャラクターのボバ・フェットを中心に据えながらも、「スター・ウォーズ」シリーズにとって重要な描写が続出する本シリーズは新旧のファンから大きな注目を集めることになった。

今回は、ドラマ『ボバ・フェット』最終話となる第7話のラストについて解説と考察をお届けしよう。あのラストから、「スター・ウォーズ」シリーズとして次はどのような展開を見せるのか、ドラマ『ボバ・フェット』に残された謎と共に考察していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』の内容に関するネタバレを含みます。

『ボバ・フェット』のラストは?

ドラマ『ボバ・フェット』のラストは、スパイス貿易を牛耳っていたパイク達と悪徳市長を倒し、ボバ・フェットの一味がタトゥイーンの新たなボスとして市民に歓迎されるというものだった。実は、ポストクレジットシーン前のこの場面からあのエンディングへの導入は始まっている。

戦いで右腕を負傷したボバは、右手を胸に当てて挨拶する市民への応答に苦慮していた。その姿を見たフェネック・シャンドは「バクタ・タンクに浸かれば?」と提案するが、ボバは「使用中だ」と返答する。

バクタ・タンクとは映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980) から登場している回復用の装置で、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) にも登場している。傷を急速に治癒するバクタというバクテリアでタンクを満たしたものだ。これまでに登場していたの天井と床に接地した縦型のものだったが、『ボバ・フェット』に登場したものは移動式と思われる横型のもので、第一話ではボバは「バクタ・ポッド」と呼んでいた。

第7話の戦闘中には、ボバは傷を負ったブラック・クルルサンタンに「あとでバクタ・タンクに入れてやる」と言っていた。ボバの「使用中だ」というフェネックへの返答は、クルルサンタンがバクタ・タンクを使用していると視聴者に誤解させるためのミスリードだったのだ。この後に元気そうな姿を見せるクルルサンタン他、一味の面々が登場し、「では、バクタ・タンクを使っているのは……?」という疑問を視聴者に持たせた上であのポストクレジットシーンが挿入される。

ポストクレジットシーンの意味

ドラマ『ボバ・フェット』最終話のポストクレジットシーンに登場したのは、第4話の過去編に登場したミュージシャンのサンダーキャット演じるサイボーグの修理士。腹部を撃たれて瀕死状態にあったフェネック・シャンドに、ボバの依頼で改造を加えた人物だ。そして、注目のバクタ・タンクの中身は、フリータウン(旧モス・ペルゴ)の保安官を務めるコブ・ヴァンスだった。

コブ・ヴァンスは小説『アフターマス』(2016) で初登場を果たし、ドラマ『マンダロリアン』(2019) シーズン2の第9話で初めて映像化された。コブはジャワが盗んだボバ・フェットのアーマーを手に入れ、マンドーはフリータウンの脅威になっていたクレイト・ドラゴンを倒すことを引き換えにボバのアーマーを手に入れた。

マンドーにアーマーを返してもらったボバ・フェットはタトゥイーンに戻って新たな統治を始めており、ボバとコブの間には浅からぬ因縁がある。『ボバ・フェット』第6話ではキャド・ベインが「アーマーは手放すべきではなかったな」と語ったように、コブはボバのアーマーを失ったことで重傷を負ったとも考えられる。

そして、このコブ・ヴァンスがバクタ・タンク×修理士の最強セットで治療を受けているということは、ボバはコブをサイボーグ化して生き延びさせるということだろう。これはコブ・ヴァンスのスピンオフ、または『ボバ・フェット』のシーズン2を示唆しているのだろうか。

『ボバ・フェット』ラストの考察

ドラマ『ボバ・フェット』のラストは一味としてはハッピーエンディングであり、尚且つ死んだかに思われていたコブ・ヴァンスにも生存ルートが用意されていた。問題は、この先の展開がどうなるかということである。

ボバのビジネスパートナーになったフェネットと同じパターンで助けられたコブは、順当に行けばこの後ボバの側近になるはずだ。ボバも自分自身よりも優先してバクタ・タンクを使わせており、コブを大切に扱っていることが分かる。この後、ボバの一同は、親玉がマンダロリアンのアーマーとタスケン・レイダーの武器と技術を使い、側近達は半サイボーグというイカした一味になると考えられる。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015) から始まる「スター・ウォーズ」の続三部作では、ボバ・フェットの一味が派手な動きを見せることはない。それは一方で、ボバの統治下にはファーストオーダーが手を出せなかったということなのかもしれない。

しかし、タトゥイーンをメインの舞台にした「スター・ウォーズ」のシリーズ作品は、ここまで『ボバ・フェット』以外にない。タトゥイーンが主戦場になると考えられるドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022年5月25日(水)配信開始) も、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) の10年後である帝国時代が舞台になるため、サイボーグ化したコブの出番はなさそうだ。

コブが次に登場するのは?

フリータウンに強いつながりを持つコブの再登場はタトゥイーンで、という事になるだろう。あの『ボバ・フェット』第7話のポストクレジットが繋がる先は『ボバ・フェット』シーズン2『マンダロリアン』シーズン3、または、製作が進められているドラマ『アソーカ(原題)』だと考えられる。

現時点でそうした噂は聞こえてこないが、コブが主役のスピンオフという線もなくはないだろう。コブがキャドに撃たれたのは右腕のあたりなので、コブは右腕がサイボーグになると考えられる。キャラクターとしては魅力的だ。一方で、この時代のタトゥイーンの物語は『マンダロリアン』と『ボバ・フェット』で十分に描かれた感もある。

やはりファーストオーダーとの対決や、ジャバの遺産を狙うハット・クランとの対決といったボバの一味に迫る次の大きな戦いでコブが活躍を見せることになるのではないだろうか。コブ・ヴァンスを演じる人気俳優のティモシー・オリファントも良い味を出しているだけに、サイボーグ版のコブの活躍を早く見てみたい。

ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』は全7話がDisney+で独占配信中。

『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(Disney+)

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は2022年5月25日より配信開始。詳細はこちらから。

『ボバ・フェット』最終回のネタバレ解説はこちらから。

『マンダロリアン』シーズン3は『ボバ・フェット』と同時進行で製作されていたことが報じられている。詳しくはこちらから。

帝国成立直後が舞台のアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は、シーズン2の配信が決定している

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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