ネタバレ解説『ジュピターズ・レガシー』最終話で残された謎 シーズン2への布石は 全話あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『ジュピターズ・レガシー』最終話で残された謎 シーズン2への布石は 全話あらすじ&考察

Netflix

ドラマ『ジュピターズ・レガシー』に注目

2021年5月7日(金)より配信を開始したNetflixドラマ『ジュピターズ・レガシー』は、一挙全8話をまとめて配信。スーパーヒーロー第一世代の歴史と第二世代の苦悩を交互に描くストーリーが特その徴で、息を飲む展開にイッキ見してしまった方も多いのではないだろうか。

『ジュピターズ・レガシー』の原作は、マーベルの『シビル・ウォー』(2006-2007) やアイアン・コミックスの『キック・アス』(2008-2010) を手掛けてきたマーク・ミラーによる同名コミック。2013年から2021年まで続いたコミック『ジュピターズ・レガシー』とスピンオフ『ジュピターズ・サークル(原題)』を原作にしているだけあって、物語の余地は広く残されている。

今回は、衝撃的なオチが待ち受けていたシーズン1の全話あらすじをネタバレありで振り返り、シーズン2に向けて残された謎を解説していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ジュピターズ・レガシー』シーズン1の内容に関するネタバレを含みます。

『ジュピターズ・レガシー』全話のあらすじ

第1話「夜明けの薄明かりの中で」

スーパーヒーロー第1世代のリーダー“ユートピアン”としてユニオンをまとめるシェルドンは、息子のブランドンがユートピアンを継ぐだけの力量があるのか、不安を抱いている。シェルドンの兄であるウォルターはシェルドンとブランドンの双方から悩みを聞き出し、良き相談相手になっている。

シェルドンの娘のクロエは享楽的な生き方を選ぶ一方、投獄されているはずのヴィラン・ブラックスターが現れ、戦闘でヒーロー第2世代を殺害していく。遂にシェルドンが殺されそうになった時、ブランドンはブラックスターの顔面を破壊しそれを阻止。だが、ユニオンの前に現れたのは脱獄したはずのブラックスターだった。

過去パートでは、1929年の大恐慌でシェルドンとウォルターの父が経営する鉄鋼会社が倒産。父はシェルドンの目の前で飛び降り自殺をしてしまう。親友のジョージと共に繁栄を謳歌していた状況から一転、シェルドンたちは危機に立たされる。

第2話「紙と石」

ブランドンが殺したブラックスターは偽物だった。だが、誰が何のために? 「殺さない」というコードを破ったブランドンをシェルどんは謹慎扱いにする。一方で、世間の人々は「コードよりも市民を守れ」と90年間守ってきたユニオンの価値観に否定的な態度を示す。若いヒーローたちの価値観も変わりつつある。シェルドンはクロエとも話し合いの場を持つが、その溝は埋まらない。

過去パートでは新聞記者のグレース・ケネディがシェルドンの父の横領をスクープ。シェルドンは新聞社に乗り込むが、そのスクープは事実だったことが判明する。父の葬儀で発作を起こして倒れたシェルドンは、死んだ父と謎の島への幻覚を見るようになる。

第3話「日の光で雲を描こう」

ビッグマンというヴィランのボスに借りがあるハッチがスーパーパワーを持つ仲間と共に強盗を働いている。ハッチにはスーパーパワーはないが、どこにでもワープできる特殊な杖がある。“最後のチャンス”に挑んだハッチは強盗に成功するが、偶然通りかかったクロエに衝突し、クロエにブツを持ち去られてしまう。

過去パートでは、大恐慌の中で富豪であるジョージの生活も一変。転落を味わうが、そんな中でも精神的に危機に陥った親友のシェルドンを助けようともがく。シェルドンの元から持ち帰った紙屑をパズルのように組み合わせて風車の絵を完成させる。

現代パートで追い込まれたハッチは、杖を使ってあっさりビッグマンを殺害。「地球上で一番強いやつに風穴を開けられる」というエネルギー源を手に入れ、何かの準備を進めている。レコードから流れているのはジョージが愛した音楽。ハッチはジョージの息子だったのだ。

第4話「すべての悪魔がここに」

ハッチらのバンが衝突する直前、クロエはモデルの仕事をクビになっていた。ブラックスターとの戦いに加わらなかったことからかつての仲間にも批判され、更にパーティーと薬物に溺れていく。ハッチから奪った薬物も大量に吸引し、気を失ったクロエの前に現れたのはハッチだった。

過去パートでは、シェルドンが放浪の旅に出る。大恐慌の中荒廃したカンザスで、同じ幻覚を見ているミラー老人に出会う。老人は幻覚の中の人々の意見に耳を傾けないよう助言し、自ら命を断つ。地下で兄ウォルターらの幻覚を見たシェルドンは、旅を終えてウォルターの元へ戻る。

第5話「何の意味があるのか」

シェルドンはカウンセリングを受けていた。自身のコードが正しいのかどうか苦悩している。ブランドンによるブラックスターの殺害は、国民の78%が賛同しているという。ブラックスターのクローンの遺体を解剖した結果、遺体の中からパズルとシェルドンの父の懐中時計が出てくる。今回の事件にジョージが関与している疑いが強くなる。

シェルドンはハッチと面会し、ジョージの居場所を聞き出そうとする。シェルドンは「まさか裏切られるとは」と話し、ジョージに対する失望の気持ちを今でも抱いている。だが、ハッチは裏切ったのはユニオンの方だと母から聞いていた。シェルドンはハッチにジョージの元にワープさせるが、ワープした先はストリップクラブ。ジョージの居場所が掴めないでいた。そんな中、ハッチはクロエと距離を縮めていく。

シェルドンは正義に関する哲学的な問いを続ける。カウンセリングでは、シェルドンは善と悪しかない「自分が作り上げた世界」で生きており、「現実の世界では、それには無理がある」と指摘される。シェルドンがカウンセリングを受けていた相手は、かつてヴィランとして20年間ユートピアンの命を狙っていたヴィラン、ジーニアス・ジャックだった。

過去パートではシェルドンがジョージと共に仲間集めに奔走。カンザスの地下で見たメンバーを集めて座標を示された場所に向かおうとしていた。時は1933年。新聞記者のグレース、元工場労働者のフィッツ、兄のウォルターを説得し、婚約者と別れてシェルドンは運命の島へと旅立つ。

第6話「女の顔を覆え」

タイトルは1962年に刊行されたP・D・ジェイムズのミステリ小説『彼女の顔を覆え』から取られている。日本ではハヤカワ・ミステリから山室まりやの翻訳で出版された作品だ。第6話の中心に立つのはグレース。グレースはクロエと対話を試みる一方で、コードを重んじる第二世代のゴースト・ビームがヴィランのバリオンに殺されしまう。怒りに駆られたグレースはバリオンを殺しかけるが、踏みとどまり、なんとかコードを守るのだった。それでも、コードを守った結果、凶悪犯を生きながらえさせ、若いヒーローを失っていくことに対して、グレースは複雑な心境に陥るのだった。

過去パートでは、ようやくシェルドン一行が旅に出るが、仲間たちはシェルドンの正気を疑い始める。そんな中、遭難していたリチャードを助け出し、シェルドンはカンザスの地下室で見たメンバーが揃ったことを確信する。そして遂に嵐をぬけ、見えてきたのはそびえ立つ島。一行はようやくシェルドンが正気であることを知るのだった。

第7話「皆は一人のために」

グレースはウォルターの娘であるライコウを呼び出し、テレパシー能力を使ってブラックスターのクローンの記憶を探らせる。ライコウは東京で暗殺者になっており、力を借りることは、もちろんユニオンのポリシーに反する。フィッツの娘ペトラはユニオンからの脱退を考えているとブランドンに相談するなど、ユニオン内の不協和音は更に強くなっていき、シェルドンは苦悩を深める。フィッツとペトラ、ウォルターとライコウは力を合わせてブラックスターのクローンの脳内に侵入を試みるが、ウォルターはブラックスターの意識の中に吸い込まれていく。

過去パートではシェルドンがカンザスの地下室で見たメンバーと共に島の中を進んでいた。引き戻そうとすると突如地面から木が生えてくるなど、まるで島は生きているかのようだ。互いを罵倒し合いながらも数々の困難を潜り抜け、一行は互いを許し合い、心を通わせることで最後の扉を開く。最後まで障壁となったのは、ウォルターとジョージ、ウォルターとシェルドンの関係だった。

一行は、それぞれがかつて愛した人物から試練を乗り越えたことを讃えられ、スーパーパワーを与えられる。島が放った光は船乗りにも降り注いだ。島を離れようとする船員たちの前に、空から舞い降りてきたのは、6人のスーパーヒーローだった。このラストは音楽も相まって、屈指の名シーンとなっている。

第8話「すべての終わり」

最終話となる第8話、36分という短さに不安を抱えた方もいるかもしれない。

ブラックスターは独房のドアが突如開き、房の外に出る。シェルドンはウォルターが意識の中に閉じ込められたことで、ライコウを頼ったグレースを責める。この不和を抱えたまま、シェルドンはブランドンと共に本物のブラックスターのもとに駆けつける。シェルドンはブランドンが殺されかけている状況で、ブラックスターを殺すか、息子を見殺しにするかの選択を迫られる。躊躇している間にペトラが奇襲攻撃を仕掛け、一同は難を逃れる。ブランドンはブラックスターを殴りつけるが、シェルドンはこれを制し、見捨てるつもりはなかったとブランドンに弁明するのだった。

一方、ハッチはユートピアンの名を出したことでクロエに愛想を尽かされ、仲間からも見捨てられていた。単独で侵入した中国・深センの施設で警備隊に追い詰められるが、そこに現れたのはクロエ。クロエが敵を蹴散らすと、ハッチは狙っていたエネルギー装置のようなアイテムをゲット。基地に持ち帰って謎の装置に取り付ける。第2話で登場した「地球上で一番強いやつに風穴を開けられる」という代物だ。ハッチは父ジョージを探すために使うと話すが、クロエは自分の父親に使用されることを心配しているようだ。

過去パートではユニオンがヒーロー活動をスタートさせていた。ハッチが持っていたワープが可能になるロッドは、本来リチャードの持ち物だったことが明らかになる。リチャードはこのロッドを「パワーロッド」と呼んでいる。若き日のウォルターは力を手に入れて「世界を支配できる」と冗談とも本気ともつかない言い方をする。そこでシェルドンは、「統治はしないし殺さない」というコードを告げる。国を立て直すために自分たちの力をどのように使うか、若き日のユニオンは真剣に議論していた。

ブラックスターのクローンの意識に入ったウォルターは、そこでジョージことスカイフォックスと対峙する。ウォルターは追い詰められ、グレースが助けに入る。ジョージはユニオンのメンバーに悪者扱いされた過去を恨んでいるようだ。ウォルターとグレースは追い詰められた末に解放されるが、ウォルターはジョージが残したメッセージとして、シェルドンとブランドンがジョージに殺されているイメージをグレースに見せる。

しかし、実はすべてはウォルターの自作自演。ブラックスターのクローンを作ったのも、遺体にジョージの関与を疑わせる証拠を忍ばせたのもウォルターの仕業だったのだ。本物のブラックスターを解放したのもウォルターであり、第1話のブランドンが父親の命か殺人を選ぶ状況と、最終話のシェルドンが息子の命か殺人を選ぶ状況は、共にウォルターが作り出したものだった。同じテレパシー能力を持つ娘のライコウはすべて見抜いており、ウォルターは自分の手で娘を始末する。

ウォルターは、この国が腐敗した原因が政治に介入しようとしないシェルドンの放任的態度にあると考えていた。ユニオンに不和をもたらし、新たなリーダーになることがウォルターの目的だった。考えてみれば、グレースには彼女に責任を求めたシェルドンとは真逆の態度で「すべての責任は私にある」と声をかけるなど、混乱の中で求心力を高める心理戦を展開している。唯一の誤算は娘のライコウを巻き込んだことだ。ユニオンのルールに則れば、暗殺者であるライコウの手を借りないと踏んでいたが、グレースが提案を押し切ったのだ。

ブランドンとの間に深刻な溝が生まれ、心に傷を負ったシェルドン。ウォルターはその肩に手を乗せ、計画を成就させたところで『ジュピターズ・レガシー』シーズン1の物語は幕を閉じる。

『ジュピターズ・レガシー』に残された謎

稀に見る衝撃的なラストである。まさかのバッドエンドだ。しかし、終わり方だけでなく、『ジュピターズ・レガシー』はシーズン2を前提にした作りになっていることは明らかだ。謎が多すぎるのである。というわけで、今回はシーズン1終了時点で残されている謎をおさらいしておこう。

1. ジョージ/スカイフォックスの裏切り

幾度となく語られたジョージの裏切りとは、どのような経緯と理由で行われ、どのようにして決着したのだろうか。ジョージの裏切りもまた、ウォルターが暗躍してジョージを排除するように仕向けた可能性がある。息子のハッチがジョージのもとにワープしようとするとストリップクラブに飛んでしまう現象に、ジョージの居場所に関するヒントがあるのだろうか。

2. リチャードはどうなった?

スーパーヒーロー第1世代の中で、唯一シェルドンの知り合いではなかったリチャード。旅の途中で遭難していたリチャードの過去もその後も明らかになることはなかった。それでも、最終話ではパワーロッドの所有者だったことが明らかになった。どのような経緯でハッチの手にパワーロッドが渡ったのか、ジョージの過去と共に明らかになるだろう。

3. フレアことフィッツの車椅子

唯一マントを持たず、俊足系のスーパーヒーローのように思われるフレアことフィッツ。過去パートでは元気に走り回っていたが、現代パートでは車椅子に乗り、娘にフレアIIと名乗らせて自身は引退している。どのような過去があるのだろうか。

4. 船員たちは?

ユニオンのメンバーがスーパーパワーを手に入れた時、船で待っていた船員たちも島から出る光を浴びて、身体に紋章が浮かび上がっている。これらの船員にもスーパーパワーが宿ったのだろうか。意地の悪い船員たちがスーパーヴィランの始まりかもしれない。

5. 第2世代はどこから?

ハッチの悪友たちはスレた生活を過ごしているが、それぞれにスーパーパワーを持っている。この力を活用しない若者たちはどこから生まれてきたのだろうか。ユニオンは90年間活動を続けており、スーパーパワーを持っている世代に大きな隔絶が存在しているのは気になるところだ。

6. クロエが吸引したのは?

第4話でクロエが吸引したブルーのブツは一体何だったのだろうか。何らかの力を与える薬物にも思えたが、ただの上物のドラックだったのか。そしてクロエはドラッグ中毒から抜け出せるのだろうか……。

7. ハッチが手に入れたのは?

ハッチが集めていたエネルギー装置、そして基地で組み立てていたものは何だったのだろうか。そして、その使用方法は「父を見つける」と語っていた。ハッチは父ジョージを探しているようだが、そのプランはシーズン2で明かされるだろう。

8. スーパーパワーの源は?

スーパーヒーロー第1世代が手に入れたスーパーパワーは、どこからやってきたのだろうか。謎の島は、メンバーそれぞれにとって大事な人物の姿を見せて力を与えた。だが、カンザスのミラー老人は、幻覚の中に出てくる愛する人物に耳を傾けるなとシェラドンに助言していた。スーパーパワーの源は何らかの悪意を持ってユニオンに力を与えたのかもしれない。

9. タイトルの意味は?

『ジュピターズ・レガシー』というタイトルの意味も明かされることはなかった。もともとコミックにつけられたこのタイトルは「木星」の意味ではなく、ローマ神話に登場する神様のことである。「ユーピテル」とも発音する。「ピテル」は古ラテン語で「父」という意味であり、神話的な雰囲気を出しながら、父と子の関係をテーマにしている本作のタイトルに採用された。

以上が、『ジュピターズ・レガシー』シーズン1で語られなかった謎である。これでシーズン2がなければ消化不良この上ないが、原作者のマーク・ミラーは、シーズン2の製作について言及している。詳細はこちらの記事で。

シーズン2の追加情報と配信開始を心待ちにしよう。

『ジュピターズ・レガシー』シーズン1はNetflixで配信中。

『ジュピターズ・レガシー』(Netflix)

クロエ役のエレナ・カンプーリスが語った撮影の裏側については、こちらの記事で。

 

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