『ザ・ボーイズ』シーズン2が配信ドラマを変える? “毎週更新”の配信戦略に米メディアも注目 | VG+ (バゴプラ)

『ザ・ボーイズ』シーズン2が配信ドラマを変える? “毎週更新”の配信戦略に米メディアも注目

©️Amazon Studios

『ザ・ボーイズ』シーズン2の配信方法に注目

2020年9月4日(金)より配信を開始する『ザ・ボーイズ』シーズン2。腐敗したスーパーヒーローに一般人が立ち向かう人気コミックを実写ドラマ化した同シリーズは、2019年にシーズン1の配信を開始すると、瞬く間にAmazon史上ナンバーワンの視聴数を誇る番組に。

このAmazonを代表する大人気SFドラマのシーズン2は、一味違った形で配信されるようだ。バゴプラでも既にお伝えしたとおり、『ザ・ボーイズ』シーズン2は“全話一挙配信”という形をとらない。9月4日(金)に配信されるのは最初の3エピソードだけで、残りの5エピソードは毎週更新で配信することが発表されている。シーズン2の最終話となる第8話が配信されるのは10月9日(金)になる。

毎週更新の意図は?

これは2020年6月26日にAmazonプライムビデオがYouTubeで配信した特別番組で明らかになったことだが、この配信の形式が注目を集めている。米ComicBookは「『ザ・ボーイズ』はファンや批評家がリアクションを見せる前にシーズン3の製作が決定しており、間違いなくAmazonプライムビデオの中で最も成功したショーのひとつだ。同作はストリーミング配信の伝統的なモデルで成功をおさめたが、毎週配信に移行することで、Amazonはその人気を最大限に活用することができる」と分析する。

毎週新着エピソードを順次配信することの利点は、ファンたちが毎週最新のエピソードについてSNS上で感想や議論を交わすことにある。『ザ・ボーイズ』のキーワードが毎週世界中のタイムラインを賑わすことになれば、その宣伝効果も大きい。

Forbesは毎週新エピソードを配信するテレビ形式の配信方法について、「Amazonは(『ザ・ボーイズ』が)魅力的な番組だということを知っていて、それを拡張しようとしている」と解説。毎週末に『ザ・ボーイズ』を見る習慣を付けさせることで、Amazonは同作を自社製の『ウォーキング・デッド』(2010-)のように育てようとしているのではないかと推察している。

毎週末のTLを騒がせるトピックに

Disney+の『マンダロリアン』(2019-)もまた、この毎週更新の形式を採用した配信ドラマシリーズの一つだ。『ザ・ボーイズ』シーズン2の試みは決して目新しいものではなく、むしろテレビドラマへの“先祖返り”とも言える手法だが、ポイントはAmazonがヒット確実の人気作品でこの試みを実施しようとしている点だ。そこにAmazonプライムビデオの配信戦略がないわけがない。

週末公開の映画の話題が少なくなって久しいが、『ザ・ボーイズ』シーズン2は日本でも間違いなく毎週末のSNSを騒がせるトピックの一つとなるだろう。この戦略が成功を収めれば、毎週更新の配信スタイルは人気作品にとって定番のスタイルに、いや、人気作品の証となることもあり得る。

毎週更新は、新型コロナウイルス感染症拡大への対応以上の意味を持っているというのが米メディアの見立てだが、果たして……。

『ザ・ボーイズ』シーズン2は2020年9月4日(金)より、Amazonプライムビデオで独占配信。

シーズン1は配信中。

原作コミックの日本語版はG-NOVELから発売中。

誠文堂新光社
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Source
ComicBook / Forbes

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