海底国ゼベルの守護者が『アクアマン/失われた王国』でも登場
約10年続いたDCEU(DCエクステンデッドユニバース)の最後を飾る作品となるジェームズ・ワンが監督、ジェイソン・モモアが主演と原案を務めた『アクアマン/失われた王国』が2024年1月12日(金)に公開された。その中でもファンの注目を集めたのが海底国ゼベル王国の王女であり、水を操る能力を持つメラの存在だ。
メラはアンバー・ハードが演じるキャラクターで、『アクアマン/失われた王国』の撮影時は元夫であるジョニー・デップの裁判中だった。そのため、出演することに関しても様々な憶測が飛び交った。そのことに対して、アンバー・ハード本人が2024年1月4日にInstagramでコメントを出した。
本記事ではメラの復帰を中心に『アクアマン/失われた王国』の演出面について考察と解説をしていこう。なお、本記事では『アクアマン/失われた王国』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。
以下の内容は、映画『アクアマン/失われた王国』の内容に関するネタバレを含みます。
メラの扱いに関するファンの疑問にキャストが反応
応援と愛をくれたファンに感謝
『アクアマン/失われた王国』ではメラはジェイソン・モモア演じるアクアマンことアーサー・カリーと結婚し、アーサーJrという子供をもうけていた。そして、アクアマンの実家であるテムエラ・モリソン演じるトム・カリーの灯台で子育てをしていた。仕事面ではアクアマンと共にアトランティス王国とゼベル王国を取りまとめている。
そのような重要キャラクターであるメラだが、アンバー・ハードが『アクアマン/失われた王国』の撮影当時は元夫のジョニー・デップと泥沼の裁判中であったため、一時はメラ降板の噂もあった。しかし、『アクアマン/失われた王国』ではメラは登場しており、アンバー・ハードは2024年1月4日にコメントを出している。
今更ながら、アクアマン2が話題になりました(簡単すぎてすみません)💦メラのアクアマン復帰に圧倒的な応援と愛をくれたファンのみんなに感謝します。本当にありがとうございます❤️
メラは復帰したと言えるのか
だが、『アクアマン/失われた王国』では完全なメラ復帰にはならなかった。出演シーンは前作『アクアマン』よりも少なく、ブラックマンタのビーム攻撃によって早々に一時退場している。このことに関し、アンバー・ハードはジェイソン・モモアら制作陣との対立があったと発言していた。
そのことが判明したのはアンバー・ハードのセラピストであるドーン・ヒューズ医師の文書公開だ。これを報じたのは米Varietyで、ジョニー・デップとの裁判の中で公開されたドーン・ヒューズ医師のメモにはジェイソン・モモアが酔って現場に遅刻する、ジョニー・デップそっくりな私服を着てくる、アンバー・ハードを降板させるようにと発言したとメモされていた。
このことに関し、ジェイソン・モモア側は否定しており、ジェイソン・モモアが酒に酔って遅刻したことはなく、私服についてはジョニー・デップとは関係なく元々ボヘミアンな恰好をしていると返した。
また、メモにはジェームズ・ワン監督に関することも書かれていた。そこではアンバー・ハードを、裁判を理由にのけ者にし、『アクアマン/失われた王国』に関する宣伝や投稿ができないのはアンバー・ハードのせいだとジェームズ・ワン監督が語っていたと記されている。ジェームズ・ワン監督はこれにノーコメントを貫き、DCスタジオはこれを否定した。
幻のジェームズ・ワン・カット
この騒動に新たな進展が見えたのは2024年1月15日のドルフ・ラグレンへの米ComicBook.comのインタビューでのことだ。ドルフ・ラングレンは「アクアマン」シリーズでメラの父親のネレウス王を演じている。ドルフ・ラングレンは『アクアマン/失われた王国』でネレウス王の役割がカットされていることについて触れ、ファンがオリジナル版と言える『アクアマン/失われた王国 ジェームズ・ワン・カット』を観られないことに失望したと述べた。
ドルフ・ラングレン曰く、本来はネレウス王の活躍シーンはもっと多かったが、アンバー・ハードの裁判を理由にメラの登場シーンが削られ、それに伴いネレウス王も登場シーンが削られたという。そして、これらの判断を下した上層部に対して以下のようなコメントを出した。
ただ、アンバー・ハードを制限しようとして、私が彼女の父親として共演することになったのは、ある種の企業の決定だと気づいて、それに従いました。オリジナルの脚本は素晴らしかったですし、オリジナル・カットも少し観ましたが、とても良かったので、撮り直してストーリーを作り直す理由が見当たりませんでした。
このことから考察するに『アクアマン/失われた王国』にはメラやネレウス王が活躍する幻のジェームズ・ワン・カットが存在するようだ。『ジャスティス・リーグ』(2017)における『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)や『スーサイド・スクワッド』における幻の『デヴィッド・エアー・カット』の存在など、上層部の介入で映画の方針が変わっていったDCEU。
そのような映画全体の方針をジェームズ・ガン共同CEOが統括していくDCU(DCユニバース)では、このような上層部の急激な方針転換によってオリジナル・カットが観られなくなる事態が無くなることを願いたい。
『アクアマン/失われた王国』は2024年1月12日(金)より全国公開。
Source
Amber Heard Instagram/Variety/ComicBook.com
『アクアマン/失われた王国』のサウンドトラックは配信中。
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