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環境問題を扱った『アクアマン』
オーシャンマスターに注目
2019年に日本で公開された映画『アクアマン』は、大きな話題を呼んだ作品だ。日本でも人気を集めたのは、パトリック・ウィルソン演じるオーシャンマスターことオーム。演じたパトリック・ウィルソンは、『アクアマン』の公開時点で45歳。劇中では若々しい姿を見せ、その演技力でも観客を圧倒した。
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— Aquaman Movie (@aquamanmovie) 2019年1月11日
“怒り”が原動力
オーシャンマスターことオームは、“怒り”に突き動かされるキャラクターだ。海底王国アトランティスの若き王として君臨するが、海洋汚染を続ける人類に憎しみを抱いている。オームは地上を征服することを画策するが、そこに異父兄弟であるアーサーが現れ、アトランティスの王座を巡る争いに発展していく。
パトリック・ウィルソンが解説
環境汚染への怒り
そのオーシャンマスターを演じたパトリック・ウィルソンが、自身が演じたキャラクターについて、興味深い解説を行っている。彼が抱く怒りの根源について、パトリック・ウィルソンは、米/Fimにこう話している。
生態学的に言えば、彼は環境に突き動かされているんです。地上の人々によって行われている、数世紀に渡る環境汚染と環境破壊にです。
「家族の問題」と共に、オームを突き動かすのは、やはり人類による環境破壊に対する怒りだ。劇中にも、次の世代に残すべき海を破壊する人間に対して、怒りを表明するスピーチを行う場面が登場する。
環境汚染に触れずに作ることは不可能
ウィルソンは、こう続ける。
「私たちは海を汚していない」と主張する人は、一人もいないでしょう。もしそんな人がいるなら、その人は無知で、その人こそがヴィランです。
ウィルソンは、多くのコミックで環境問題や政治的問題、社会問題が扱われており、現実に起きている海洋汚染に触れずに『アクアマン』の映画を作ることは不可能だと述べている。
オーシャンマスターことオームの魅力
“環境戦士 (エコウォリアー)”としてのオーシャンマスター
更にパトリック・ウィルソンは、Entertainment Weekly に、「彼 (オーシャンマスター) は、ある種の“環境戦士 (エコウォリアー)”なんです」と語っている。エコウォリアーとは、熱心に環境保護活動に取り組む活動家のことだ。
彼は、数世紀に渡って彼の海を汚染し続けてきた地上の世界に対して、明白な不満を抱いている。それはそうですよね、簡単な話です。もし私たちの吸う空気をずっと汚染し続けている人々がいて、私たちの生活を破壊する人がいたら……。
真っ当な意見だろう。優れた文明を持ち、長く海底で暮らしてきたアトランティスの人々の立場からすれば、自分たちの住む環境を地上人達が自由気ままに汚染し続けている、ということになる。それに対して怒りを持つのも無理はない。
ワン監督も「完全な悪者ではない」
『アクアマン』の指揮をとったジェームズ・ワン監督も、オーシャンマスターを擁護する人物の一人だ。SciFiNowのインタビューでは、オーシャンマスターは「完全な悪者ではない」と語っている。
環境問題に触れずに『アクアマン』を作ることはできません。世の中がヒドくなればなる程、このキャラクター (オーシャンマスター) には価値が生まれるのです。だからこそ、パトリックが演じたキャラクターは面白いのです。もちろん、彼は悪役です。でも、完全な悪者だとは思っていません。ただ、私たち地上人のバカな行いに気を病んでいて、疲れているだけなのです。
『アクアマン』は、海洋保護団体のオセアナとパートナーシップを締結しており、海洋保護を訴えるプロモーション動画も公開されている。そしてこの動画に登場するのが、他でもないパトリック・ウィルソンだ。この動画では海を守ることの重要性を人々に呼びかけている。ウィルソンからのメッセージは、こちらの記事からご覧いただきたい。
映画『アクアマン』はBlu-rayとサントラが発売中。
オーシャンマスターを演じたパトリック・ウィルソンを含む『アクアマン』の豪華キャストのまとめはこちらの記事で。
DC映画における『アクアマン』の位置づけについてはこちらから。
同年に登場した『アクアマン』と『ブラックパンサー』に共通するメッセージについての解説はこちらから。
Source
Entertainment Weekly / SciFiNow / Fim