ゴジラSP最終回第13話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣 | VG+ (バゴプラ)

ゴジラSP最終回第13話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣

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『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』最終回第13話配信開始

芥川賞作家の円城塔がシリーズ構成・SF考証・脚本を担当する『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』。Netflix先行配信では遂に最終回を迎えた。絶望的なほど巨大化したゴジラに、果たしてユンたちは如何に立ち向かったのだろうか。早速最終回第13話を振り返っていきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』最終回第13話の内容に関するネタバレを含みます。

最終回第13話「はじまりのふたり」あらすじ/注目ポイントはココ!

葦原の船

電子の海を泳ぐペロ2は船の残骸のデータを発見する。それは五十年前、葦原がオーソゴナル・ダイアゴナライザー(以下、OD)を使って破局を回避するために計算していた途中で放置されたタスクだった。ペロ2曰く「爆発、停止したタスク」だから船の形をしているらしい。銘にODによる破局の回避方法を再度計算するように指示されたペロ2は再び電子の海へと潜っていく。

前回、ペロ2自身が分岐してブラックアウトしそれ以上計算が不能になってしまったかに思われる危機が描かれたのに、蓋を開けてみれば「競合は話し合いの末和解できました」と言ってまた一人に戻って事なきを得る、というのではやはり勿体ない気がする。物語において何らかのコンフリクト(葛藤)が描かれるのはそれを解決した際にカタルシスを得るためだ。そうだとすれば、「ペロ2の分裂による計算不能な危機」が特に過程を描かれることなく「議論による和解」に収束してしまえば、視聴者の印象としては最初から分裂しなかったのと変わらなくなる。勿論、計算によって「未来が分岐」してしまったことと同期させたいという演出意図は分かるが、せっかくここまで”理屈”を描いてきた作品ならばその収束過程もきちんと理屈が分かるように描いて欲しかった。

迫るサルンガ

ウパラの研究所の屋上でサルンガと対峙するティルダ。

警備員がランチャーでODを撃ち込むも、サルンガの顔面で紅塵の霧は晴れODは細かい粒子となって霧散してしまう。さすがに三度も同じ手を食らう訳にはいかないということか。

「猿の方が一枚上手か」と自嘲気味に言い残したティルダはやはり死んだのだろうか?

ペロ2は葦原が「アーキタイプを使って特異点が破局に成長する過程に割り込もうとしていた」痕跡を発見する。その報告を聞いた銘はODを用いた破局回避のためのコードの発見に希望を見出す。リーナの提案を受けて船の修理に取り掛かるペロ2。

翔べ!ジェットジャガー!!

ラドンの群れに追われながらもゴジラを目指すユン一行。運転を大滝に任せ、侍とユンは走行中のトラックのドアを開けて荷台へと移る。ポシェットにODを入れたユンはジェットジャガーの背中に設えたシートに座り、侍にベルトで固定してもらう。いよいよ最終決戦だ。ラドンから護衛してくれていた自衛隊のトラックと分かれた先には寸断された道路が。大滝はユンにそのまま飛べと言ってアクセルを踏み込む。宙に浮くトラックの荷台から、しかしジェットジャガーの機体は一向に離れない。揚力が足りないならと侍は自らの手でジェットジャガーを押し上げると、トラックとともに地上へと落下してゆく。ようやくプロペラの回り出したジェットジャガーはゴジラの許へと向かう。

そんな時間はなかったのかも知れないが、せめていきなり本番一発勝負に挑む前にジェットジャガーの飛行訓練くらいはしておけば良かったのではないだろうか。果たして侍と大滝の運命や如何に。

熱線の大火力

初の空中戦とは思えないほど洗練された動きでラドンを捌いていくジェットジャガー。しかし不意にラドンの群れの動きが止まる。訝しむユンの後ろで、ゴジラの背鰭が発光する。無数のラドンを瞬時に焼き尽くす熱線をギリギリのところで躱すジェットジャガー。ラドンを焼き尽くした後に天空に向かって熱線の残滓を放つゴジラのシーンは、2019年公開『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のポスターで上空に向けて熱線を吐くゴジラと、2014年公開『GODZILLA ゴジラ』の同じくポスターの赤いイメージとの掛け合わせだろう。

爆風で吹き飛ばされたジェットジャガーはゴジラの背中にアンギラスの槍を突き立てて何とか落下を防いだものの、ユンはシートから振り落とされ、手にしていたOD入りのポシェットはゴジラの背鰭の先端に引っ掛かってしまう。そんなユンに迫る、メガヌロン(仮)の群れ。

計算の答え

“破局”がニ十分後に迫り、計算距離が近過ぎて未来方向への計算ができなくなってしまったペロ2は過去方向への計算を提案する。”船”を修理して過去へと舵を切った矢先、シェルターをこじ開けてサルンガが襲来する。ペロ2に計算を任せて銘たちはその場を離れる。そして遂にペロ2が見付けた「答え」とは…

ユンはゴジラの背鰭から落下したポシェットを拾うべく自らもゴジラの背から飛び降りる。ポシェットを掴み、ジェットジャガーにコードを訊くものの「届いてません」との返事が。失意の内に重力に身を委ねるユンの身体を、ギリギリのところでジェットジャガーが掴み取る。しかしプロペラが破損し、そのままユンを地上へ放り出し自らもまた墜落してしまう。

計算の結果、「コードは存在しない」と銘に報告するペロ2。その時流れ出した例の子守歌。銘はその子守歌に破局を回避するヒントがあるのではないかと閃き、ペロ2に歌を調べるように言う。

サルンガの襲撃によって銘との通信が途絶させられた船の中で、ペロ2は葦原に出会う。

ジェットジャガー巨大化!!

爆発するシヴァの中でペロ2はかつてユンに頼まれた「ジェットジャガーを最強にするプロトコル」を発見。BBはこれ以上ここには居られないとエレベーターを動かして地下へと脱出する。

今にも熱線を吐き出さんとするゴジラの顔がユンの目前に迫る。あわや、というところでジェットジャガーのキックを顔面に受けたゴジラは転倒、熱線はビルを縦に切り裂く。巨大化したジェットジャガーPPはペロ2とジェットジャガーの末裔を自称する。この巨大化を可能にしたプロトコルこそ、例の子守歌の中に織り込まれていたものらしい。ジェットジャガーPPはユンに語る、「子守歌の送信者は私」と。曰く、「あなたの作ったプロトコルを元に破局に対抗できるようになるまで時間の中で何度も生まれ直した」とのことだ。ODを起動させるコードはジェットジャガー自身だったのだ。

アンギラスの槍は巨大化せず、原典である『ゴジラ対メガロ』に倣って徒手空拳でゴジラに挑むジェットジャガー。

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ゴジラの熱線を正面から胴体に受けながらもODを炸裂させたジェットジャガーは紅塵を消し飛ばし、無数の青い結晶の針を生む。その針はウパラのサルンガをも突き刺した。この一撃は世界中の紅塵に作用し、怪獣は一掃されたということなのだろうか?

明確な死の描写はなかったものの、やはりゴジラは死んだのだろうか。未完成とは言え二度もODの針に突き刺されたサルンガはしかし生き延びていた。赤と青、果たして針の色の違いは何を意味するのか。

トラックごと地上に落下して安否の気遣われた侍と大滝もどうやら無事だったようだ。再び侍の運転するスクーターの後部に乗って坂道を上るユン。崖の上にスクーターを停めた二人の前に銘とペロ3(仮)が姿を現す。遂に対面した銘とユン。めでたしめでたし。

・・・と思いきやED後に姿を見せたのはメカゴジラだ。やはりミサキオクの地下にあったのはゴジラの骨だったということか。では、かつて一度この世界にはゴジラが現れたということだろうか? それとも…

いずれにせよ、始まりは終わり、終わりは始まりということか。

待て、次回(?)。

『ゴジラ S.P』最終回の感想

さて、遂に迎えた『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の最終回をざっと振り返ってみた。

これまでに散りばめられた謎がすべて解かれたとは言い難いが、まさかのジェットジャガー巨大化というファンサービス含め物語に一定の結末はもたらしてもらえたと思う。

ここからは最終回までを観た上で『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』という作品全体に筆者が抱いた感想について述べたい。

正直なところ、物語開始当初のスピード感に較べて謎解きがメインとなり、にも拘わらずそれが作中の独自理論によって展開するために視聴者には何が起こっているのかがいまいち伝わらなかった中盤には停滞感を感じていたが、それを挽回するかのような10話以降のスピード感は好ましく感じた。とは言え今度は逆に急ぎ足過ぎた感もあり、もう少しペース配分を考えていてくれたらという思いもあるが、残された謎、そしてメカゴジラの活躍については当然作られるであろう二期ないし劇場版に期待しよう。

そして残された謎として最も気になるのはやはり葦原道幸の正体だ。ネットでは過去へと戻ったユン自身なのではないかともっぱらの噂だが、果たしてその正体、そして目的は何なのだろうか。

何かを知っていそうだった山本の狙い、表立って日本政府が描かれることのない中で政府側の役人として動いていた鹿子や外務省周辺の思惑も気になる。

勿論、メカゴジラを造って海やスティーブンは何をしようとしているのかも気掛かりだ。

「悪そうな顔をして主人公の味方」ということで面白がられたBB、スティーブン、海の三人だが、やはり世界征服でも計画しているのだろうか?

最後にメカゴジラ建造現場に現れた葦原道幸の笑顔は非常に邪悪に描かれており、あの笑顔だけでもユンと同一人物であるとは信じたくないが、もしも次作で定石通りにメカゴジラが世界征服に乗り出すとしたら、今度はゴジラが昭和シリーズよろしく人類の味方となるのだろうか。そうすれば、今度は「ゴジラと握手」するジェットジャガーも見れるのかも知れない…

ジェットジャガーが何故巨大化したのか、繰り返す時間の中で「生まれ直す」ことが何故可能だったのかというのは結局のところ紅塵、アーキタイプ、ODという(理屈がブラックボックスな)劇中の仕掛けによって可能だったのであり、この点についても『新世紀エヴァンゲリオン』の人類補完計画およびその解決、もっと遡れば『AKIRA』における鉄雄やアキラの力の暴走とその収束を思い起こさせる。

これらの作品は何らかの意味で「世界の終わり」を描いていた訳だが、そこまで大風呂敷を拡げてしまうとやはりそれを畳むのは善悪の彼岸にある”巨大な力”に頼らざるを得なくなるのだろう。非常に大雑把に言ってしまえば、謎の力によってもたらされる世界の終わりが、同じく謎の力によって防がれるというのがこれらの作品に共通するエッセンスのように思える。

けれど、世界の終わりは”何故”防がれなくてはならないのだろうか。人間を含む生命、を含む世界「それ自体」が存在することの”意味”は決して自明のものではない。個人として死を避けるべく努力することと、世界を滅亡の危機から救うべく奮闘することは決してイコールではないだろう。それどころか、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』最終回においてユンは文字通り命懸けでゴジラに挑んだのであり、それは自らの個体としての生命よりも世界全体の存続に価値を置く態度だ。そうであれば、ユンには一体何故そのようなヒロイックな態度が可能であったのか。一体ユンはこの世界の何を愛したのか、そのために殉じようと思ったのかという価値判断のドラマをもう少し見せて欲しかったとも思う。

思うがしかし、最終回を観終えて、不思議と筆者の気持ちは晴れやかだった。色々な謎は残ったものの、ともかく破局から世界が救われて良かったという気がした。つまりは、「人間ドラマの価値判断が描かれていない」という“理”を超えた部分で、筆者もまたこの物語を楽しんだということかも知れない。

余談だが、デフォルメされたキャラクターとしての容姿や時間を遡る描写、そして決定的だった風呂敷からアイテムを取り出すシーンなど、ペロ2は明らかに某世界的人気マスコットたる猫型ロボットを意識した造形や演出がなされていたが、監督の高橋敦史自身以前『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』という作品を監督していたのを知って得心した。

登場怪獣

???

最終回、まさかのジェットジャガー巨大化に続いてまさかまさかのメカゴジラの登場である。予想が的中したことで多少鼻が高いが、筆者以外にも多くの人が予想していただろう。ゴジラの骨が用いられたという設定は、以前にも書いた通り2002年公開『ゴジラ×メカゴジラ』および2003年公開『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場した”3式機龍”のオマージュだが、しかしその外見は所謂”昭和メカゴジラ”をベースとしているように見える。果たしてゴジラとがっぷり四つにぶつかり合うシーンは拝めるのだろうか。次作の制作を是非期待したい。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は2021年4月1日(木) 22時30分よりTOKYO MX、KBS京都、BS11で、同日24時よりサンテレビで放送開始。

先行で配信を開始しているNetflixでは全話を配信中。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』公式サイト

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『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第1話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第2話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第3話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第4話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第5話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第6話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第7話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第8話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第9話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第10話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第11話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第12話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

声優キャストのまとめはこちらの記事で。

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