第2話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣 | VG+ (バゴプラ)

第2話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣

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『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第2話配信

芥川賞作家の円城塔がシリーズ構成・SF考証・脚本を務めることでも話題となった『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』。2021年3月25日(木)よりNetflix先行で配信が開始された『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』が、いよいよ2021年4月1日(木)よりTV放送開始となった。ここでは早速第2話「まなつおにまつり」のあらすじを振り返ってみたい。第1話のネタバレ解説はこちら

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第2話の内容に関するネタバレを含みます。

第2話「まなつおにまつり」あらすじ/注目ポイントは ココ!

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第2話「まなつおにまつり」からは、第1話で省略されたOPとEDが流れる。BiSHによる疾走感溢れるテーマ曲「in case..」とともに激しい冒険を予感させるOP映像が明けると、第1話でバイクに二人乗りしていた銘と侍の”空想生物”談義の続きから本編がスタートする。空想だからと言って何でもありという訳にはいかない、夢には夢の法則があるのだと主張する銘に対し、「法則はないっていう法則があったら?」と返す侍。「ありえないものなんてないと思わない?」と答える銘に、侍は「どっちだよ」と苦笑する。

ジェットジャガー対ラドン!

場面が変わり、生身でラドンと対峙するユンの緊迫感溢れるシーン。大口を開けるラドンを前にしてあわや、というところで「しばらく~」という声が聞こえる。ユンが振り向くと「遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ、問われて名乗るもおこがましいが、知らざあ言って聞かせやしょう、体は鋼、頭脳は電子、泣く子も黙る、黙る子も泣く、ジェットジャガーたあこいつのことだ!」という口上とともにジェットジャガーが動き出す。大滝だ。

2016年に公開され大ヒットを記録した『シン・ゴジラ』劇中に引用されたことも記憶に新しい、伊福部昭作曲の「宇宙大戦争マーチ」をバックにラドンと大立ち回りを演じるジェットジャガー。しかし、いくら小型に設定し直されたとはいえラドンを相手に武器らしい武器もなく、それどころかパイプを繋げただけのような貧弱な腕を持つジェットジャガーではやはり分が悪い。呆気なく右腕を食いちぎられ、窮地に陥るジェットジャガー。片手でラドンの頭部に組みつこうとするものの首の一振りで投げ飛ばされてしまう。

商店街入口のビルに衝突し仰向けに倒れ込むジェットジャガーの腹部をラドンの鋭い嘴がつつく。コクピットハッチと呼ぶには余りにお粗末な格子状の鉄板は造作もなくラドンの嘴に剥ぎ取られ、コクピットが剥き出しの状態で再びラドンに掴み掛かろうとするもののバランスを崩して道路に投げ出されてしまう大滝。生身で走り出すが転んでしまい絶体絶命かというところで再び動き出したジェットジャガーに窮地を救われる。振り向くとトラックの荷台でユンがタブレット端末でジェットジャガーを操作していた。「わしに貸せ、お前じゃ無理だ!」とユンからタブレットを奪う大滝。が、画面には「ジェットジャガーと遊ぼう」というお祭り用の設定が表示されていた。

再設定の為に端末を再起動するユン。必要な時間は70秒。動かなくなったジェットジャガーの頭部を嘴でつつき、勝ち誇るように咆哮を上げるラドン。呆然とその景色を眺めていた人々は、ジェットジャガーに興味を失ったラドンが振り向き、自分たちを確認して咆哮するとようやく逃げ出した。トラックから工具を持ち出して「40秒、再起動まで稼ぐ!」と生身でラドンに立ち向かうユン。ラドンは車を蹴散らしながら車道を練り歩く。

ガードレールを工具で叩いて気を引くユンとそれを追うラドン。大滝がトラックでラドンに体当たりし、再起動したジェットジャガーが片手でラドンを殴り付ける。拳を握り締めるユン。「行け、ジェットジャガー。取り押さえろ!!」ジェットジャガーの目が光りさあ反撃開始、かと思いきや上空へと飛び立つラドン。銘と侍は山道を走るバイクから空飛ぶラドンを目撃する。「何あれ、鳥?」「祭り用の何か、じゃなさそうだな…」「翼竜?」

と、咆哮したかと思えば突如呻き声を上げて地上へと落下してゆくラドン。その声を聞いて何かに気付くユン。そのまま死んだラドンの骸は高熱を帯びていた。

ラドン報道と金原さとみ登場

日暮れとともに現場に到着した銘と侍。大丈夫だと喚きながら救急車に担ぎ込まれる大滝。事件を伝えるワイドショーでは「ケツァルコアトルス」という実在した翼竜に似ているという専門家の指摘から「生きたまま捕獲してほしかった」という”街の人”の感想、「警察の出動を待つべきだった」といったコメンテーターの意見まで百家争鳴の声が報じられた。

一方、ユンと侍はジェットジャガーの破損部を確認しながら届いたばかりの作業用ロボット3台のセットアップのオーダーに頭を悩ませる。そこへオオタキファクトリー事務の金原さとみがやって来て、大滝からの伝言として作業用ロボットは放っておいていいから「大急ぎで次の戦いに備えろ」と伝える。大滝によれば「次は大群でくる」とのことだった。ユンと侍の二人に一枚の絵を見せるさとみ。それは第1話で銘が見ていた、駅前に祭りで飾られている絵と同じものだった。

赤く波打つ海に一匹の巨大な獣、その下に武士の乗る船とそれを取り囲むように巨大な鳥の群れが描かれている。どうやらその鳥こそがラドンらしい。「古史羅図(こしらず)?」と問うユン。「ごじらず、だってさ」と答えるさとみが言うには、「このあたりに昔から伝わる伝承で、”海が赤く染まる時、その境界から終末の獣がやってくる”」とのことだった。

ジェットジャガーが「修理できたところで、あんなのが群れで来たらどうにもできないだろ」とこぼす侍に「それなら1つネタがある」と言ってラドンの鳴き声を聞かせるユン。それは以前”幽霊屋敷”で受信したものと同じ波形を示していた。ラドンは鳴き声と同時に電波を発していたのだ。その電波を解析してラドンをおびき寄せる信号を作れるかも知れないと言うユンに対して、侍は「しかしおびき寄せられたとして、その後はどうする?」と問う。「さあて、笛吹きながら海にでも飛び込むか」

地下の骨の謎

ミサキオクの一室で特に引継ぎとかあった訳じゃないし、と”地下の骨”について山本は佐藤に語る。調べた方がよくないですか、と訝る佐藤に「そんなに気になるなら」と言って集密資料庫の鍵を渡して立ち去る山本。佐藤はそこで1970年代の資料を見付ける。自席に戻った佐藤に、「30億だって」と声を掛ける山本。「あの翼竜の死体、どこだかの博物館から30億で売ってほしいって打診があったってさ」。机の上の資料を手に取り懐かしむ山本に「なんですか、これ」と訊ねる佐藤。「マイクロフィッシュ、知らない?」読み取り機を探して佐藤が戻ってくると山本はテレビ画面を見詰めながら呟く。「2体になったよ、30億」

その名は「ラドン」

各地で次々に見付かるラドンの死骸。それを報じるニュースの中で翼竜の体内から放射性物質である”ラドン”の発見が伝えられた。これを機に翼竜は劇中で正式に「ラドン」と呼称されることとなる。

一方、銘のパソコンデータを編集し、メイ・カミノ、ペロプス・ザ・セカンド共著という形で『幻想生物学序説』というタイトルの論文を投稿したペロ2。すると、銘宛てに李博士なる人物からアポイントメントのメールがくる。訝りつつも東京に向かう電車に揺られながら銘がパソコンで調べたところ、李博士は現在合弁会社シヴァ共同事業体に所属しているらしい。佐藤がミサキオクの敷地外から電話で”地下の骨”について報告した女性はシヴァと書かれた冊子を持って空港のベンチに座っていた。場面が変わり、”赤い海”に浮かぶ船に乗る二人の漁師。彼らは怯えた表情で次々に海面から上空へと飛翔していくラドンの群れを見つめるーー待て、次回。

第2話にしてどうやら物語は本格的に動き始めたようだ。遂にお披露目となったOP、BiSH「in case..」の”動”に対してポルカドットスティングレイの歌うED「青い」の”静”も映像と相俟って各話が始まる前の期待感、本編を観た後での余韻というような視聴者の心の動きに非常にマッチしていると感じる。

個人的な注目ポイントとしては、ED映像に多数登場した見慣れた怪獣たちの姿は勿論のこと、やはり本編ラストの“赤い海”の表現だ。恐らくこの文章を目にしている読者の大半は筆者と同じような既視感を覚えたのではないかと思う。そう、まさにあれは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』において”セカンドインパクト”という破局を迎えた後の海の表現とそっくりだ。赤い海という発想自体は珍しくもないだろうが、アニメーションでこのように綺麗な映像として表現されるとやはり胸躍るものがある。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は過去のゴジラ作品のみならず幅広くSF、特撮作品から要素を引用しながら作り上げられている。それは単純なファンサービスに留まらず、確立された方法論を援用することで演出にある種の保守性をもたらすことが却って物語の新奇性とバランスし作品に安定的な足場を与えることになるだろう。

しかしそれも、勿論やり過ぎは禁物だ。媚び過ぎず、笑って済ませられる程度のあざとさに留めなければ視聴者はすぐに鼻白んでチャンネルを変える。今のところ、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は先の読めないストーリーで観る者を未知の世界へと誘いながら、いつか見たことのある怪獣、聞き覚えのある曲、どこかで見たような景色によって視聴者を迷子にすることなく作品世界へと案内しているように思える。来週は一体どんな景色を見せてくれるのだろうか。楽しみに待ちたい。

第2話の登場怪獣

今回は残念ながら本編には新規登場怪獣はなかったが、EDはビオランテ、モスラ、メカゴジラなどのスター怪獣、クモンガ、キングシーサー、マンダといった知る人ぞ知る往年の名バイプレーヤー怪獣、ヘドラやファイヤーラドンと思しきシルエットまで実に多種多彩な怪獣が彩った。とりわけ筆者が注目したのは、怪獣でなくて申し訳ないが、EDの冒頭で俯せになった銘の机に置かれた液晶画面でどうやらビオランテの襲来のニュースを告げているであろう女性キャスターが『シン・ゴジラ』において石原さとみが演じたカヨコ・アン・パタースンに瓜二つなことだ。このような遊び心が随所にちりばめられた『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』、ストーリーの謎解きとは別に”元ネタ”探しに耽ってみるのも一興かも知れない。

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『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は2021年4月1日(木) 22時30分よりTOKYO MX、KBS京都、BS11で、同日24時よりサンテレビで放送開始。

Netflixでは3月25日(木)より先行配信を開始しており、毎週木曜日に最新話が配信される。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』公式サイト

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第1話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第3話のネタバレ解説はこちらの記事で。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の声優キャストはこちらから。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の音楽についてはこちらの記事に詳しい。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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