『ホワット・イフ…?』でのクロスオーバーは?
MCU初のアニメシリーズとして配信されている『ホワット・イフ…?』は、MCUで起こり得た「もしも」の展開を各話ごとに描いていく。第1話ではスティーブ・ロジャースに代わって超人血清を打ったペギー・カーターの姿が、第2話ではピーター・クイルに代わってラベジャーズに誘拐されたティ・チャラの姿が描かれた。
『ホワット・イフ…?』の土台になっているのは、ドラマ『ロキ』で発生したマルチバース化であり、様々な分岐イベントがシリーズで紹介されていく。そうなると期待がかかるのは「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」といった、かつての20世紀フォックス(現 20世紀スタジオ)が映画化の権利を有していた作品の合流だ。
また、2019年にディズニーが20世紀フォックスの買収を完了し、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) でも「X-MEN」シリーズとの合流に思わせぶりな態度を見せていたマーベル。フェーズ4ではMCU版『ファンタスティック・フォー』の製作も決定している。だが、『ホワット・イフ…?』の製作総指揮でマーベル・スタジオのDisney+作品の総指揮を担当するブラッド・ウィンダーバウムは、「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」の『ホワット・イフ…?』での合流をはっきりと否定している。
権利の問題はない
米Colliderのインタビューによると、ブラッド・ウィンダーバウムはその理由を「権利の問題ではない」としている。
ショーの構成を考えていた時、条件はほぼなかったのですが、確かに(数少ない)条件の一つがありました。私たちは、MCUにしっかりとルーツを持っているキャラクターを選びたかったのです。権利の問題ではなく、私たちが将来的に伝えたいと思っている物語とも関係ありません。『ホワット・イフ…?』とは、既存の物語に変化を加えたものであるということに尽きます。ですので、私たちが第一に対象にしているのはインフィニティ・サーガなんです。
『ホワット・イフ…?』というシリーズにとって、非常に重要な発言である。既に起きたことに対して、「もしもこうだったら」という二次的な物語が『ホワット・イフ…?』で描かれる物語なのだ。故に、ファンタスティック・フォーやX-MENといった新規キャラの登場は、他の作品の役割になるということだ。
確かに、『ホワット・イフ…?』を「なんでもあり」としてしまうと物語の対象があまりに広大になってしまう。まずは『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』(2019) までのフェーズ3の22作品を指すインフィニティ・サーガを対象として「もしも」の物語を描いていくようだ。
同時に、今や「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」のMCU合流に権利の問題はないと明言されていることも重要なポイントである。両シリーズのMCU合流は、最良のタイミングで最良の方法で為されることに期待しよう。
アニメ『ホワット・イフ…?』はDisney+で独占配信中。
Source
Collider
『ホワット・イフ…?』第1話の解説はこちらの記事で。
第2話の解説はこちらから。
監督が「『ホワット・イフ…?』はMCU正史」と認めた発言はこちらから。
チャドウィック・ボーズマン最後のティ・チャラ役について監督が語った内容はこちらの記事で。
映画『エターナルズ』予告編の解説はこちらから。