第4話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣 | VG+ (バゴプラ)

第4話ネタバレ感想!『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』あらすじ・考察・登場怪獣

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『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第4話配信開始

「ゴジラ」初の連続アニメシリーズとしてテレビ放送&ネット配信を開始している『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』。芥川賞作家である円城塔がシリーズ構成・SF考証・脚本を担当していることでも注目を集めている。今回は、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の第4話のあらすじをネタバレありで振り返り、過去シリーズも踏まえて解説していこう。

第4話「まだみぬみらいは」あらすじ/注目ポイントはココ!

ラドンを呼び寄せたのは誰?

赤い海に浮かぶ一艘のボート。漁師がアラームを確かめると「水深4メートル」と表示される。直後、水深は0メートルになりボートは巨大な竜のような生き物の背中に乗り上げる。

この生き物は前回潜水艦を襲ったものと同じだろうか? 果たしてその正体は”ゴジラ”なのか。

ミサキオクで流れていた曲に反応してラドンが現れたとしたら、佐藤たちがラドンを呼び寄せたのではないかと訝る侍。それを受けてユンがミサキオクに電話をかけると佐藤が出た。「仕掛けてみるか」と思わせぶりなことを言った割には随分真っ当なやり口だ。例の曲を流して「何のためにおびき寄せたんです?」と問うユンに対して、佐藤は信号は事故で意図的な発信ではないと釈明する。

“紅塵”と名付けられた赤い砂

ラドンの死骸に付着していた赤い砂を”紅塵 (コウジン)”と名付けたと発表する研究者。その記者会見に潜り込んだ海は、今後新たな巨大生物が出現する可能性を問い質す。現段階でそう考える理由はないとの研究者の答えに不敵な笑みを浮かべる海。怪獣の正体について何かを知っているのだろうか?

MD5ハッシュ関数でしりとり

李博士の滞在するドバイへと向かう機内で、銘はユンに仕掛けられた謎解きに没頭する。ペロ2は銘に文字コード変換では2億通りを試したものの答えは出なかったと報告し、”MD5ハッシュ関数”を提案する。MD5ハッシュ関数とは任意の文字列を128bitの値で表現する関数のことだ。但し暗号化と違い復号は原理的に不可能な一方向的なものなので、解読するには片っ端から思い付いた文字列を試していかなくてはいけない。ペロ2曰く「ハッシュドポテトから元のポテトの形を復元することは困難です」とのことだ。リンゴ、ゴリラ、ラッパ、パンドラ、ラズベリージュース、スマホ、ホクロ、ローファー……としりとり式に試していく銘。そうこうしている内に空港に着いた銘は、マキタ・K・中川の迎えにより李博士の講演会へと出席する。

ラドンの”進化”

ラドンの出自について報じるワイドショー。最初に現れたラドンと大群で飛来したラドンの大きさが異なることについてネットでは「ラドンの進化」と話題になるが、「進化というのは世代交代に伴って変異が蓄積していく現象で、個体の場合は変態と呼ぶべき」と解説する専門家。

ラドンの群れの死骸を見下ろしながらラドンの変化について語り合うユンと侍。ユンはラドンが「進化を急いでいる」という仮説を立てる。そこへ佐藤が車でやって来る。守秘義務がある、と前置きした上で「アレに意思が残っているとも思えないが」と思わず口走ってしまった佐藤を見逃さず、ユンは「アレ? 地下の?」と訊ねる。知ってるのか、という反問にユンが答えずにいると、「骨だぞ? 馬鹿馬鹿しい!」と吐き捨てて車に戻る佐藤。”地下の骨”のことを知っていたのかと問う侍にユンは「俺も今知った」と答える。どうやら以前侍がミサキオクに機器の点検に行った際に仕入れた”地下”の情報からカマをかけたものらしい。と、ラドンの死骸が一体消えていることに気付く侍。

一方、佐藤は帰りの車の中で山本に地下の骨を見せられた時のことを思い出し、「あの曲は骨から?」と訝しむ。

李博士との対面

“アーキタイプ”の情報をオープンにしている自分達の公平性を吹聴するマイケル・スティーブンの紹介により壇上に現れた李桂英博士。”アーキタイプ”を手に取り、「光を閉じ込める」「閉じ込めたエネルギーを増幅させる」などの実演をして見せる。その光景に感動した銘は思わず立ち上がり、席上から「時間!」と叫んで光の時間方向への屈折についての持論を述べてしまう。「神野銘さんね?」と李博士に壇上から名を呼ばれて恐縮する銘。呆気に取られる人々の中に、外務省における佐藤の上司、鹿子行江 (カノコユキエ) も居た。

謎のグループの調査

BBことベイラ・バーン率いる謎のグループがエレベーターで地下150階まで降りて何かを調査している。更に下へと続く隔壁が開けられ、そこからは階段で進むしかないようだ。その様子を監視しているシヴァ共同事業体代表のティルダ・ミラー。記録映像の中に一瞬姿を見せる怪獣の影。

海建宏との遭遇

巨大な足跡を追って行方不明だったラドンの死骸を見付けるユンと侍。そこへ「君らも足跡を追って来たんだろ?」とどこからともなく声が掛かる。海建宏だ。名刺を貰ってますます訝しむ二人。

謎解きの答えは?

あてがわれたホテルの個室の豪華さに感動する銘。先刻の”時間”に関するレポートを明日までに提出せよとの李の要望に戸惑いつつ、スーツケースの鍵さえ失くしてしまう。上着のポケットに入れた筈だと思い至ると、ペロ2が「脱いでスーツケースに入れました」と告げる。万事休す、かと思いきやスーツケースを閉じる為には外から鍵を掛けなければならないことを思い出す銘。スーツケースには最初から鍵が掛かっていなかったのだ。そのことからユンの”クイズ”の答えを連想する。

ユンが謎の文字列とともに送ってきた「解けばわかる」という言葉。まさにこの言葉をMD5ハッシュ関数化したものこそ謎の文字列の正体だったのだ。つまり、最初から答えは提示されていたのだった。銘は早速ユンにメッセージを送りMD5とアーキタイプの関係について訊ねる。アーキタイプは既存のどんな分子とも似ておらず、故に可能性のある原子構造をシミュレーションし尽くさねばならないと答えるユン。それはまさにMD5ハッシュ関数の答えを総当たりで探すようなものだった。この世では有り得ない物質、と結論付けるユンの言葉に銘は「だとすると、アーキタイプはこの世じゃなくてあの世で作ってるんじゃないかな」と一人ごちる。

アンギラス登場

ラドン警備に駆り出される自衛隊のトラック。2名の隊員が前方に横転した事故車両の様子を見てくるように命じられる。ラドンによる事故を警戒しつつ近付くと運転席は無人。声を掛けながら歩くとガードレールの下の茂みに2名の男女を発見する。近付くと彼らは声を出さないように身振りで伝え、指差す方向を振り向くと怪獣ーーアンギラスが目前に迫る。思わず発砲する隊員。その銃声を耳にして驚くユン、侍を後目に海は即座にフルオートの自動小銃だと判断するーー待て次回。

以上、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第4話「まだみぬみらいは」のあらすじをざっと振り返ってみた。ここからは筆者が特に気になったポイントについて書いていきたい。

・・・と思ったのだが正直なところ指を咥えて画面を見詰めることしかできていない。

怪獣はどこからやって来るのか。その正体を知る人間はいるのか?

“アーキタイプ”はどこで、誰の手によって作られたのか。

ハッシュ関数、と耳にしてすぐにイメージが浮かぶ人とそうでない人とではまた作品の楽しみ方も違ってくるだろう。勿論、複雑な理系の知識を持たずとも楽しめる痛快冒険活劇として物語は書かれているだろうが、もう一歩も二歩も踏み込む余地は多分にある作品だと感じる。怪獣の名前を暗記する以上の”勉強”をすれば、見える景色はより広がるだろうと思い知らされた第4話だった。

第4話の登場怪獣

冒頭に出てきた怪獣は?

冒頭でボートを襲った怪獣の正体は何だろうか。3話のラストで潜水艦を襲った怪獣と同じか、と思わせられるがそれよりは大分全長が長いように見える。ツイッターのゴジラ公式アカウント(@godzilla_jp)のツイートによればどうやらこの先ソフビフィギュアの『ムービーモンスターシリーズ』において「ゴジラアクアティリス」「マンダ」「アンギラス」の3種の怪獣の商品化が決定しているらしい。

そう、今回のゴジラも実写映画『シン・ゴジラ』におけるゴジラと同様に形態変化をするものらしい。これらの情報から、3話で潜水艦を襲った怪獣こそゴジラアクアティリスであり、4話の冒頭でボートを襲った怪獣はマンダなのではないかと予想する。この予想が的中するや否や、これからの展開を楽しみに追いたい。

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銘のスマホケース

1話から登場している銘のスマホケースもどうやら怪獣をデフォルメしたものらしいが、元の怪獣は何だろうか? 3話で出てきた弓道部の女子高生のスマホケースはバラゴンをデフォルメしたものだった。色味が異なるものの、1969年公開、ゴジラシリーズ第10作目となる『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』初出のガバラをデフォルメしたもののように見えなくもない。こちらも劇中でその正体が明かされることはあるのだろうか?

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アンギラス

予告PVにも登場していたアンギラスが満を持しての登場となった。ラドン同様生物的なアレンジが施され、現代的でスタイリッシュなデザインとして生まれ変わった。アンギラスは”ゴジラ”シリーズにおいては古参怪獣だ。その初出は初代『ゴジラ』に続く2作目、1955年に公開された『ゴジラの逆襲』だ。2作目ということで記念すべきゴジラ初のライバル怪獣となった訳だが、その扱いは決して恵まれたものではなかった。ゴジラと異なり飛び道具を持たないアンギラスはその背中を覆う鋭い棘や牙、爪などを用いて肉弾戦を挑むしかない。とは言えミサイルの猛攻にも耐える厚い皮膚を持つゴジラ相手では分が悪い。案の定初代アンギラスはゴジラの熱線の前に敗れ去り、敢えなく退場となった。

その後、昭和シリーズが続く中で”人類の味方”となったゴジラの頼もしきパートナーとして度々作品に客演することとなる。しかし、同じく飛び道具を持たないラドンはその初出がセルフタイトルの単独主演作『空の大怪獣ラドン』であり、アンギラス同様昭和ゴジラシリーズへの度々の客演を経て1993年公開の平成”vs”シリーズ第4弾『ゴジラvsメカゴジラ』に客演として復活した際には遂にゴジラ同様口から熱線を吐く”ファイヤーラドン”へと大幅な進化、もとい出世を遂げたのと対照的にアンギラスは昭和シリーズの客演が途絶えて以降”vs”シリーズにはお呼びが掛からず、次にその姿をスクリーンで目にするまでには2004年公開『ゴジラ FINAL WARS』を待たねばならなかった。飛び道具を持たなかった筈のラドンやモスラが (他作品ではあるが) いつの間にかビームを撃ちまくるようになっていたのに対し、この作品においても当然の如くアンギラスは肉弾戦でゴジラに挑むこととなる。

更に、ラドンとモスラの2体の怪獣は2019年公開『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』において何とハリウッドデビューまで果たしている。しかもこの作品において、原点回帰したラドンもモスラも一切ビームを放つことはないにもかかわらず! 一体、彼我の現状を分かったものとは何であろうかと勝手にアンギラスに身の上を重ねる筆者である。そんな訳で、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』に久々に、しかもスタイリッシュなデザインに生まれ変わって登場したアンギラスの活躍には個人的に期待せずにいられない。口から火を吐くのは他の怪獣に任せるにせよ、アンギラスらしい骨太な肉弾戦で是非我々を魅了してもらいたい。

余談だが、1994年発売のスーパーファミコン用ソフト『ゴジラ 怪獣大決戦』にはアンギラスは登場したがラドンは登場しなかった。ゲームだからといって突如火球を放てるようになった訳ではないが、身体全体をボールのように丸めて敵へと体当たりする必殺技や格闘の素早さ、何より低い頭頂高による攻撃の躱し易さなどで筆者も重宝した記憶がある。スクリーンに映らない活躍もしっかり目に焼き付けたぞ、アンギラス。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は2021年4月1日(木) 22時30分よりTOKYO MX、KBS京都、BS11で、同日24時よりサンテレビで放送開始。

Netflixでは3月25日(木)より先行配信を開始しており、毎週木曜日に最新話が配信される。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』公式サイト

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』第5話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第1話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第2話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

第3話のネタバレあらすじ&感想はこちらから。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の声優キャストはこちらから。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の音楽についてはこちらの記事に詳しい。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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