中国アニメ製作に約160億円の投資
中国アニメ映画史上最大のヒット作『哪吒之魔童降世』(2019) の配給会社である北京光線伝媒 (Beijing Enlight Media) が、アニメ作品の製作に10億元 (約160億円) の投資を行うことが明らかになった。1月14日(火) に開催された漫画アプリのメディア向け発表イベントで同社代表の王長田が明らかにしたと、中国メディアのCaixin Globalが伝えている。
漫画作品のアニメ化に注力
約160億円に及ぶアニメ製作への投資は、今後5年間にわたって漫画作品をアニメ化するプロジェクトに利用される。北京光線の子会社である彩条屋影业 (Coloroom Pictures) は、『哪吒』をはじめとするファンタジーや中国神話にフォーカスしたアニメ・漫画コンテンツを製作しており、前述の漫画アプリでは47タイトルのオリジナルコンテンツが楽しめる。中国の漫画プラットフォーム最大手はテンセントが投資する快看漫画で、3,000以上のタイトルが用意されている。アリババから出資を受けている北京光線は、今回の投資で漫画作品を原作とした大作アニメ製作に活路を見出す。
勢い増す中国アニメ
北京光線伝媒は2019年6月にジブリの『千と千尋の神隠し』を中国で配給し、興行収入約75億円を記録した。7月には国産ファンタジーアニメの『哪吒之魔童降世』が公開されると2019年の中国映画では最高となる興行収入約770億円を記録、中国映画史上においても『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』(2017) に次ぐ第2位の大ヒット作品となった。
2020年の春節 (旧正月) には、『哪吒』と共に「封神ユニバース」を形成する『姜子牙』が公開される。アメコミ映画によるユニバース化が映画界を席巻する中で、中国神話をモチーフにした中国オリジナルのユニバースを展開していく予定だ。
2019年は中国SFが圧倒的な強さを見せた。日本でも劉慈欣の小説『三体』が翻訳SFとしては異例のヒットを記録、中国での同作の漫画化およびアニメ化も決定している。次々とオリジナルの大作コンテンツを生み出すようになった中国。アニメ業界の発展にも注目だ。
Source
Caixin Global