『Ultraman: Rising』新予告編を徹底考察&解説
Netflix、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)によって製作される『Ultraman: Rising』の本予告編が2024年5月16日(木)に公開された。2024年6月14日 (金)にNetflixで配信が開始される『Ultraman: Rising』は野球選手として活躍していたサトウ・ケンが、怪獣ジャイガントロンが連れていた怪獣の子供エミを拾ってしまうところから物語が始まる。
怪獣の子供笑みに母親だと思われてしまったサトウ・ケン/ウルトラマンが怪獣を倒すウルトラマンとして、子供を育てる一人の親として板挟みになりながら悪戦苦闘する物語になっている。そこに疎遠になっていた父親のサトウ教授の存在や、怪獣の子供を狙う怪獣防衛隊(KDF)の冷徹な指揮官・オンダ博士とその右腕のアオシマ隊員が加わり、サトウ・ケンはウルトラマンとして怪獣の子供エミを倒すか、それとも親として怪獣の子供を守るかの2択を強いられる。
今回の予告ではサトウ・ケンの「父さんは力が足りないと思ったことはある?」という問いに父親のサトウ教授が「ああ、思ってたよ。いつも。世界はお前を必要としている。野球選手のお前ではなく、別のお前を」と返すなど、サトウ教授は息子のサトウ・ケンがウルトラマンであることを知っているようだ。
また、ウルトラマンには世話役としてスーパーコンピューターのミナがついていることから、サトウ・ケンがウルトラマンとして未熟であることが考察できる。それはセリフの中でも現われており、「でっかいヒーローになるのは気持ち良いけど、俺にはあまり向いてないかな」と漏らしている。このことから、サトウ・ケンはウルトラマンの力を後天的に授かった可能性が考察できる。
また、日本描写にもこだわりを見せており、セブンイレブンの店舗が映っている場面や、透明怪獣ネロンガに佐藤製薬のマスコットキャラクターである象のサトちゃんで殴られるなど、日本に暮らす人ならば馴染み深い描写も多いところに「ウルトラマン」シリーズへのリスペクトが感じられる。
『Ultraman: Rising』の登場怪獣が判明
また、今回の新予告で『Ultraman: Rising』のオリジナル怪獣であるジャイガントロスと怪獣の子供エミ以外にも怪獣が登場することも明らかになった。『Ultraman: Rising』に出演することが決定した怪獣は、宇宙怪獣ベムラーと透明怪獣ネロンガである。
宇宙怪獣ベムラーは『ウルトラマン』(1966-1967)第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場する記念すべき最初のウルトラ怪獣である。『Ultraman: Rising』の宇宙怪獣ベムラーは工場、もしくは発電所で青色の熱光線を吐き出して暴れている。
ここではウルトラマンは登場していないことから、サトウ・ケンがウルトラマンになる前に出現した怪獣だと考察できる。サトウ教授がウルトラマンのことを知っていたことからも、前述の通り、ウルトラマンの力は後天的なものであり、父から子へウルトラマンが受け継がれた可能性が考察できる。その場合、宇宙怪獣ベムラーを倒したのはサトウ教授が変身する先代のウルトラマンである可能性も考察できる。
透明怪獣ネロンガは『ウルトラマン』第3話「科特隊出撃せよ」に出現した『ウルトラQ』(1966)を除いた「ウルトラマン」シリーズ初の地球産の怪獣だ。『シン・ウルトラマン』(2022)でも登場した透明禍威獣ネロンガとして登場した透明怪獣ネロンガは、電力を十分捕食すると透明になる習性があるが、『Ultraman: Rising』の本予告編では透明化を披露していない。
その代わり、角を光らせて放電しようとしている描写が見て取れ、それがネオンの煌めく夜の市街地での戦闘で映えている。また、『ウルトラマン』で解説された江戸時代に侍の村井強衛門に退治されたという設定が反映されるのかにも注目したい
更にはオリジナル怪獣として、オンダ博士が開発したと思われるロボット怪獣も登場する。オンダ博士はウルトラマンに攻撃を加えているのも印象的だ。子供はウルトラマンの恰好をして遊び、市民もウルトラマンに怪獣と戦うように叫んでいることから、人類はウルトラマンを味方だと考えている。しかし、怪獣防衛隊(KDF)はそうではない可能性が考察できる。これらの戦いをアメリカのテクノミュージシャンでDJのディプロ、シンガー・ソングライターのアリシア・クレティ、シンガー・ソングライターでコメディアンのオリバー・ツリーの音楽が盛り上げるのだから期待が高まる。
『Ultraman: Rising』新キャスト発表
サトウ・ケン役に日本語吹替版では山田裕貴が起用されたことはすでに発表されていたが、『Ultraman: Rising』の本予告編で6名の新キャストが発表された。サトウ・ケンの父親のサトウ教授役に小日向文世、サトウ・ケンと似た境遇から交流を深めるシングルマザーのジャーナリストのワキタ・アミには『シン・ウルトラマン』で船縁由美を演じた早見あかり、怪獣防衛隊(KDF)のオンダ博士に立木文彦、スーパーコンピューターのミナ役に恒松あゆみが起用された。
その他にも「ウルトラマン」シリーズに縁の深いキャストとして、『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員の桜井浩子がアミの母親、『ウルトラマンオーブ』(2016)で初登場を果たした人気キャラクターのジャグラス・ジャグラーを演じた青柳尊哉がアオシマ隊員を演じる。
アオシマ隊員の名前の由来は監督・脚本を務めるシャノン・ティンドルと共に『Ultraman: Rising』を製作する共同監督のジョン・アオシマから取られていると考察できる。新キャストの発表に合わせて山田裕貴、小日向文世、早見あかりからのコメントがTSUBURAYA公式ページ発表された。
山田裕貴
本作を楽しみにしてくださっているウルトラマンファンの皆さん、そしてヒーローが大好きな皆さん。今回のウルトラマンは家族でも楽しんでいただける作品になっています。
家族との関係だったり、もし子育ての経験がある方は、子供に対しての接し方だったり。
色々なことを想像しながら、考えながら、思い返しながら観ることができるとても愛に溢れた物語です。
沢山の人に届くことを祈っています。是非ご覧ください。
小日向文世
『ウルトラマン』が放送された1966年、僕は12歳で最初から観ていました。
本作は家族愛をテーマにした、物語になっています。是非家族皆さんでご覧になっていただきたいと思います。
とっても可愛らしいエミという怪獣が出ています。人間の赤ちゃんみたいで表情が豊かで、みんな大好きになります。子育ての大変さと重なる部分もあるので、子供がいる家族の方や子育てをされたお年をめした方たちにも家族で観てもらいたいです。是非皆さんでご覧になってください。
早見あかり
ウルトラマンシリーズにまた呼んでいただけたことが光栄です。
本作を楽しみにされている方は、新しいウルトラマンが観られると思いますのでご期待ください。エミが可愛すぎて、思わずギュって抱きしめたくなるようなキャラクターだなと感じました。ウルトラマンもまるで本当に人間のお母さんとお父さんと同じようにあたふたしながら子育てしています。親子の関係だったり、人と怪獣との共存だったり、色んなテーマがありますので、是非楽しみに観ていただけたらなと思います。
サトウ・ケンという野球選手の人間がウルトラマンとしてだけではなく、父親として、自分のエゴを捨て赤ちゃん怪獣を陰謀から守るというストーリーには最初は驚かされた。しかし、蓋を開けてみれば「ウルトラマン」シリーズへのリスペクトと深い愛情が込められている作品だと考察できる作品になっていた。2024年6月14日(金)が待ちきれなくなってきた。
『Ultraman: Rising』は2024年6月14日(金)よりNetflixにて独占配信開始。
Source
TSUBURAYA公式ページ
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