Kaguya Planetの小説4編を公開
SFメディアのバゴプラが主宰するKaguya Planetより、12月に先行公開を開始した4編のSF短編小説を一般公開いたしました。Kaguya Planetは、毎月オンラインでオリジナルのSF短編小説やインタビュー記事などを公開するプロジェクトです。毎月500円からの「応援」の支援をして頂いた方にはKaguya Planetオリジナルのコンテンツを約1ヶ月早く先行公開していますが、SF短編小説の魅力を広くお伝えするために、Kaguya Planetの小説については最終的に一般公開する方針を採用しています。
今回、初の一般公開となった小説は、揚羽はな「また、来てね!」、藤井太洋「まるで渡り鳥のように」、正井「宇比川」、蜂本みさ「冬眠世代」の4編です。
揚羽はな「また、来てね!」
「また、来てね!」の筆者である揚羽はなさんは、2021年1月に日本SF作家クラブへの入会が決定。「また、来てね!」では、近未来を舞台に働く母親の姿と、その家族の物語を4,000字ちょうどで描き出しています。
藤井太洋「まるで渡り鳥のように」
藤井太洋さんの「まるで渡り鳥のように」は、2020年1月22日に『科幻春晩』で中国語版が掲載され、2020年12月に『Future Science Fiction Digest』で英語版が掲載された作品。2119年を舞台にした壮大なスケールの作品です。
正井「宇比川」
正井さんの「宇比川」は、帰省中に起きる不思議な物語が綴られます。正井さん独特の作風で、SNSで言及されることも多い作品でした。「宇比川」公開後、SF短編集『沈黙のために』にも注目が集まり、好評を博しています。
蜂本みさ「冬眠世代」
第2回ブンゲイファイトクラブ王者・蜂本みささんの「冬眠世代」は、谷脇栗太さん、北野勇作さんとのツイキャス配信「犬と街灯とラジオ」から生まれた作品。SF作家の飛浩隆さんをはじめ、名だたる作家や批評家から高い評価を受けています。SF紹介者の橋本輝幸さんは、2020年国内SF短編ベスト9に「冬眠世代」を選出しました。
以上の作品は、本日2021年1月30日(土)より、無料で読むことができます。これらの素晴らしい作品がより多くの方に届くことを願っております。
一方で、Kaguya Planetの作品は、作家の皆さんへの原稿料と編集者への編集料をお支払いして運営を行なっています。上記の作品が面白いと感じてくださった方、国内SFが発表される新しい場所であるKaguya Planetの取り組みを応援したいという方は、ぜひ応援プランにご登録いただくか、金額が自由に設定できる寄付ページからご支援をお願い致します。
現在、Kaguya Planetでは佐伯真洋さんによるSF小説「月へ帰るまでは」と、勝山海百合さんへのインタビューをサポーター向けに先行公開中です。
2021年2月の予定
次に、2021年2月のバゴプラの予定を以下の通り、お知らせします。
2/6 勝山海百合インタビュー②「勝山海百合が語る、てのひら怪談・かぐやSFコンテスト・期待の作家」先行公開 (かぐプラ)
2/13 坂崎かおる「パラミツ戦記」一般公開
2/20 佐伯真洋「月へ帰るまでは」一般公開
2/27 冬乃くじ SF短編小説 先行公開 (かぐプラ)
2月6日(土) は、Kaguya Planetで勝山海百合さんのインタビュー第2弾を先行公開します。第1弾では、翻訳が相次いだ2020年を振り返っていただきましたが、第2弾では、現在次々と翻訳されている“てのひら怪談”を執筆することになった経緯、2020年に掌編「あれは真珠というものかしら」で“かぐやSFコンテスト”大賞を受賞した時の裏話、そして現在期待している作家数名についてお話し頂きました。ご期待ください。
2月13日(土) には、坂崎かおるさんのSF短編小説「パラミツ戦記」を一般公開します。この作品は、第一回かぐやSFコンテストにおいて「リモート」で審査員特別賞を受賞した坂崎かおるさんへの副賞「書き下ろし短編小説をバゴプラ及び『SFG Vol.03』に掲載」の一環として公開されます。バゴプラに掲載される「パラミツ戦記」と、春に刊行される『SFG Vol.03』掲載の短編小説は“姉妹編”として執筆されています。ウェブと紙で展開される新たな形のSF小説をお楽しみください。
なお、坂崎かおるさんの「リモート」は、Toshiya Kameiさんによる英訳がDaily Science Fiction誌に掲載されることが決定しています。
2月20日(土) には、現在Kaguya Planetで先行公開中の佐伯真洋「月へ帰るまでは」を一般公開します。巨大な“植物船”が行き交う世界を舞台にした同作は、既にSNS上でも話題に。「いつかあの夏へ」で第一回かぐやSFコンテスト読者賞を受賞した実力をご堪能ください。
そして、2月27日(土) に先行公開を開始するKaguya PlanetのSF短編小説は、冬乃くじ さんによる作品です。冬乃くじさんは、2019年の第一回ブンゲイファイトクラブと2020年の第二回ブンゲイファイトクラブで2年連続本戦出場。ブンゲイファイトクラブでは“ジャッジをジャッジ”の文章も話題を呼び、漫画「カバンたんとフトンたん」も発表するなど、多彩な魅力を持つ書き手です。どんな作品が発表されるのか、お楽しみに!
Kaguha Planetは『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』(2020, 社会評論社) の編著者である井上彼方さんがコーディネーターを務めるプロジェクトです。① 日本のSF界におけるジェンダー不均衡の是正、② 新人賞以外の入り口を作ること、③ 海外のようにオンラインでSF短編小説を読むカルチャーを作っていくこと、この三つを目標に運営を行なっています。
これらの目標を達成し、日本のSFをより良いものにしていくために、Kaguya Planetを応援したいという方は、月500円のサブスクで本プロジェクトをサポートして頂けます。ご登録いただいた方には、毎月約一ヶ月早くKaguya Planetのコンテンツを先行公開しております。また、投げ銭 (寄付) も随時受け付けておりますので、以下のリンク先からご支援いただけますと幸いです。
サポートして頂いたお金は全てKaguya Planetの原稿料や編集料に当てられます。十分な資金が集まり次第、Kaguya Planetの作品掲載数やインタビュー記事の数を増やしていく予定です。また、感想をSNSで共有して頂き、このプロジェクトや掲載作品について周知して頂くことも運営の大きな支えになります。次のSFが生まれる場所を、一緒に育てて頂けますと幸いです。
引き続き、応援のほど宜しくお願い致します!
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