2010年代の海外SF傑作選が登場
早川書房より、SF書評家/紹介者の橋本輝幸が編んだ『2010年代海外SF傑作選』が2020年12月17日(木)に発売される。
「海外SF傑作選」は、11月19日(木)に発売された『2000年代海外SF傑作選』に続く二ヶ月連続での刊行。『2000年代海外SF傑作選』は、N・K・ジェミシンの「可能性はゼロじゃない」(市田泉 訳) や、初訳となるアレステア・レナルズの「ジーマ・ブルー」(中原尚哉 訳)、劉慈欣の「地火」(大森望・齊藤正高 訳)といった作品が収録された。
直近10年のSF界を舞台に編まれた『2010年代海外SF傑作選』でも、豪華ラインナップが並んでいる。今回収録されるのは全11篇で、初訳はなんと6篇にのぼり、新訳も1篇含まれている。初訳の作品は、「USJ」シリーズでお馴染みのピーター・トライアスの「火炎病」(中原尚哉訳)、「折りたたみ北京」の郝景芳による「乾坤と亜力」(立原透耶 訳)、チャイナ・ミエヴィル「“ ”」 (日暮雅通 訳)など。
既訳の作品にも、2020年代も活躍してくれるであろう作家の面々が並んでいる。
「火炎病」ピーター・トライアス/中原尚哉 訳 (初訳)
「乾坤と亜力」郝 景芳/立原透耶 訳 (初訳)
「ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話」アナリー・ニューイッツ/幹遙子 訳 (初訳)
「内臓感覚」ピーター・ワッツ/嶋田洋一 訳 (初訳)
「プログラム可能物質の時代における飢餓の未来」サム・J・ミラー/中村融 訳 (初訳)
「OPEN」チャールズ・ユウ/円城塔 訳
「良い狩りを」ケン・リュウ/古沢嘉通 訳
「果てしない別れ」陳 楸帆/阿井幸作 訳 (新訳)
「“ ”」チャイナ・ミエヴィル/日暮雅通 訳 (初訳)
「ジャガンナート――世界の主」カリン・ティドベック/市田泉 訳
「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」テッド・チャン/大森望 訳
『2000年代海外SF傑作選』には、Netflix『ラブ、デス&ロボット』(2019-) のシーズン1でアニメ化されたアレステア・レナルズの「ジーマ・ブルー」が収録されていたが、『2000年代海外SF傑作選』にも、『ラブ、デス&ロボット』でアニメ化されたケン・リュウの名作「良い狩りを」が収録されている。
『2010年代海外SF傑作選』の編者・橋本輝幸は、かねてより国内外のSFイベントへの出演やSNS等での発信を通して、日本のSFを海外へ、海外のSFを日本に紹介してきた。日本SF短編を海外に発信していくことを目的にした第一回かぐやSFコンテストでは、審査員長を務めている。
2020年代からの海外SFを追っていきたいという方にとっては、『2010年代海外SF傑作選』はキャッチアップに最適。2020年の終わりに、この10年の海外SFを振り返ってみよう。
編者の橋本輝幸による見どころガイドは以下のリンク先から。
受け継がれていくSF――『2010年代海外SF傑作選』まもなく発売!
橋本輝幸 編『2010年代海外SF傑作選』は、早川書房より2020年12月17日(木) 発売。