ネタバレ考察&解説『ザ・バットマン』続編・スピンオフ・三部作の情報まとめ ロビン、ペンギン、ミスター・フリーズ… | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察&解説『ザ・バットマン』続編・スピンオフ・三部作の情報まとめ ロビン、ペンギン、ミスター・フリーズ…

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映画『ザ・バットマン』次はどうなる?

DC映画最新作『THE BATMAN -ザ・バットマン-』がついに日本の劇場でも2022年3月11日(金)より公開された。クリストファー・ノーラン監督の《ダークナイト》シリーズ以来、10年ぶりの「バットマン」単独作品を「クローバーフィールド」「猿の惑星」といったSF映画ではお馴染みのマット・リーヴス監督が手がける。

作中に張り巡らされたミステリーの答え合わせはこちらの記事を参照していただくとして、今回は『THE BATMAN -ザ・バットマン-』の“次”について現時点で出ている情報を整理したい。劇中の展開を踏まえて解説と考察を行っていくので、以下の内容は必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『THE BATMAN -ザ・バットマン-』の結末に関するネタバレを含みます。

『ザ・バットマン』は三部作

『THE BATMAN -ザ・バットマン-』から始まるマット・リーヴス監督の「バットマン」シリーズは、全三部作での製作が予定されている。大人向けのダークなヒーロー映画を人気ジャンルに導いた立役者であるクリストファー・ノーラン監督の《ダークナイト》トリロジーと同じだ。

なお、米Yahoo!によると、『ザ・バットマン』でブルース・ウェイン/バットマンを演じたロバート・パティンソンは、映画『TNET テネット』(2020) を撮影していた時期に同作の監督であるクリストファー・ノーラン監督からコスチュームに関するアドバイスを受けていたという。

《ダークナイト》三部作では、『バットマン ビギンズ』(2005) でラーズ・アル・グールスケアクロウを、『ダークナイト』(2008) でジョーカートゥーフェイスを、『ダークナイト ライジング』(2012) ではキャットウーマンベインを登場させた。一方、『THE BATMAN -ザ・バットマン-』では原作コミックでスーパーヴィランであるリドラーペンギン、アンチヒーローのキャットウーマンに加え、マフィアのボスであるファルコーネマローニ(名前だけ)も登場。各作品で二人ずつメインキャラを登場させるというセオリーには従わず、シリーズを通して各キャラクターを育てていくような空気が感じ取れる。

2019年11月の時点で、米Variety『ザ・バットマン』の主要キャラを演じたキャストが複数の続編と単独作品(スピンオフ)への出演を含む契約を交わしていると報じている。これまでのようにバットマンとアルフレッド、ジェームズ・ゴードンだけが続編に登場するという展開ではなく、本作『ザ・バットマン』から多くのキャラクターが続編に登場することになりそうだ。

続編はどうなる

次にここまで出ている『ザ・バットマン』の続編に関する情報をまとめていこう。英Empireによると、2021年12月にはマット・リーヴス監督と共にプロデューサーを務めたディロン・クラークが『ザ・バットマン』は今後のストーリーを作り上げていくための基礎になると発言。『ザ・バットマン』を起点として続編が作られることは間違いなさそうだ。

梟の法廷

では、続編のメインヴィランは誰になるのか。2022年2月には、米Den of Geekロバート・パティンソンが「梟(フクロウ)の法廷はやりたいですね」と発言。2011年に発売されたコミック『バットマン:梟の法廷』を題材にした映画作品の制作を希望した。

梟の法廷はゴッサムを支配する秘密結社であり、ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』(2014-2019) をはじめ複数の「バットマン」実写作品に登場している。実は『ザ・バットマン』の作中にも、リドラーがバットマンに宛てるメッセージカードの表紙にフクロウの姿があり、梟の法廷が登場するのではないかと話題を呼んでいた。

『ザ・バットマン』では悪人個人を倒せば平和が訪れるという単純な話にはなっておらず、社会の構造やこれまで蓄積されてきた絶望と不信感がバットマンの前に立ち塞がっていた。加えて本作のブルース・ウェインは自身がトップに立つウェイン産業に関心を示しておらず、ウェイン産業内の実力者は登場しなかった。経済界や有力家から梟の法廷に参加するとすれば、ゴッサムの闇の象徴である梟の法廷がバットマンを苦しめる展開は大いにあり得るだろう。

ロビン

同じ2022年2月にはロバート・パティンソンは米Colliderでも『ザ・バットマン』続編についてコメントしている。それは、早い段階で本シリーズにロビンが登場するかという疑問についてのものだ。原作コミックではバットマンの相棒としてお馴染みのロビンだが、映画シリーズでは『バットマン フォーエヴァー』(1995) と続く『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997) には登場したものの、ノーラン版《ダークナイト》トリロジーではその存在が示唆されながらもコスチュームを着た姿は登場しなかった。

マット・リーヴス版の『ザ・バットマン』シリーズロビンを登場させるかどうかについて、ロバート・パティンソンはこう話している。

でも13歳じゃないとダメですよ。私が受け入れるとしたらその道しかありません。(コミックの)『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』も大好きで、とてもクールだと思います。みんなはすごく怖がるけど、でもワクワクもします。本当に楽しいものになると思いますよ。

『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』は、そのタイトル通り、バットマンが“家族”であるロビンの死に直面する作品。バットマンは二代目ロビンの死に何年も苦悩することになるのだが、そんなトラウマ的ストーリーもロバート・パティンソンは面白い作品にする自信があるという。

また、ジョエル・シュマッカー監督版やクリストファー・ノーラン監督版の大人のロビンではなく、少年のロビンを登場させたい意向も示している。確かに『ザ・バットマン』では幼い少年に自分の姿を重ね合わせる場面があった上に、ブルースは見捨てられた孤児達の怒りに直面しており、ロビン登場の布石は打たれたと言える。

マット・リーヴス監督も同じく『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』が好きだと述べた上で、そうしたストーリーを新鮮かつ地に足のついた方法で実写化できるかどうか、観客が怖がってしまうのではないかと心配している。それでも、「挑戦はするべきだと思います」と締めくくっており、『デス・イン・ザ・ファミリー』が続編の題材になる可能性は残されている。

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ハッシュ

一方で、2022年3月にTwitter MoviesのQ&Aコーナーに登場したマット・リーヴス監督は、次に自分のユニバースに登場させたいヴィランとしてハッシュの存在をあげている。

ハッシュは映画にするには本当に面白い存在です。私はハッシュを選びます。でも、次(のメインヴィラン)がハッシュになるという意味ではありませんよ。ただ、たくさんの選択肢があるということです。

ハッシュはトレンチコートを着て顔に包帯を巻いたヴィランである。コミック版ではブルースと同じく名家の出身で、ブルースとも幼なじみという設定だ。本名はトミー・エリオットで、ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』や『BATWOMAN/バットウーマン』 (2019-) にはハッシュではないがトミー・エリオットが登場している。ブルースがバットマンであることを知る数少ないヴィランであり、ブルースに対してなみなみならぬ執着心を抱いている。

確かに地に足のついたマット・リーヴス監督版「バットマン」の世界にはマッチしたヴィランだと言える。ハッシュがメインキャラになるコミックは、日本でも中沢俊介による翻訳で『バットマン:ハッシュ 完全版』が発売されている。

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ミスター・フリーズ

一方で、マット・リーヴス監督は2022年2月にColliderでヴィランのコンセプトについて重要な発言をしている。

私にとっては、何事も地に足のついたバージョンを探し出すことに魅力を感じます。例えばミスター・フリーズのような素晴らしい物語もどのようにすれば地に足のついた形にできるのか、ということは興味深い挑戦です。あの物語には現実的なバージョンがあり得て、それは本当にパワフルで、本当に素晴らしいものになり得ると思うんです。

わたしはバットマンのファンタジーな側面が大好きなのですが、今回(の映画シリーズ)はコミックには非常に忠実でありながらも、必ずしもファンタジーに傾倒しないものになると思います。私の興味は、いかにファンタジーなものを理論的にできるかということにあります。

映画『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』でアーノルド・シュワルツェネッガーが演じたミスター・フリーズを例えに挙げ、ファンタジー要素の強い「バットマン」のキャラクターをいかに現実的な設定で描き直せるかということに関心があると話している。これはハッシュの登場案とは対照的に、マット・リーヴス監督にとってはチャレンジな選択になるだろう。

ミスター・フリーズは、事故で極低温に保たなければ死んでしまう身体になってしまったヴィランで、凍結銃を武器に戦う。『Mr.フリーズの逆襲』ではド派手な見た目で登場し、ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』ではより地に足のついたキャラクター造形になっていたが、後半はよりSF味の強いキャラ造形になっていった。

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滑稽なキャラクターだったリドラーを政治犯/連続殺人鬼に生まれ変わらせたマット・リーヴス監督がミスター・フリーズをどのように生まれ変わらせるのか注目したい。

ジョーカー

こちらの記事で詳しく解説したとおり、『ザ・バットマン』のラストには続編でのジョーカー登場を示唆する仕掛けが用意されていた。ジョーカーと思われる人物はMCU映画『エターナルズ』(2021) のドルイグ役で知られるバリー・コーガンが演じている。次回作でのジョーカーとリドラーの登場は確実だと言えるが、ジョーカーのことだから、リドラーを利用して自分だけ脱獄するという可能性もなくはないだろう。

なお、コミック版ではジョーカーがロビンを殺害するストーリーがあり、前述のロビンの参戦はジョーカーの登場と組み合わさると観客には最悪の展開を想起させる。マット・リーヴス監督とロバート・パティンソンはそれを踏まえた上で上記のような発言をしていたのかもしれない。

二作目でジョーカーがメインヴィランになるとすれば、《ダークナイト》トリロジーを踏襲することになる。二作目では世界が注目する二人の対決が再現されるのだろうか。そうであれば、三作目ではハッシュや梟の法廷といったより地に足のついた脅威を登場させ、それを乗り越えてゴッサムに平和をもたらすバットマンを(今度こそ)見たいものである。

追記:削除されたジョーカーとバットマンの対話シーンが公式から公開された。5分超のこのシーンの解説はこちらから。

スピンオフは?

そして『ザ・バットマン』は映画三部作だけではなく、世界観を共有するスピンオフドラマシリーズの製作も進められている。

アーカム・アサイラム

ジェフリー・ライト演じるジェームズ・ゴードンが働くGCPD(ゴッサム・シティ・ポリス・デパートメント)に焦点を当てたシリーズは製作が発表されていたが、2022年3月にマット・リーヴス監督は計画がストップしたと米Happy Sad Confusedに明かしている。一方で、米The Cyber Nerdsのインタビューでは、同シリーズは新たにアーカム・アサイラムを中心にしたシリーズに合流すると話している。

アーカム・アサイラムは『ザ・バットマン』でリドラーとジョーカーと思われる人物が収監されていた精神病院。本作ではトーマス・ウェインの妻マーサが入院していたことと、アーカム家がウェイン家と並ぶゴッサムの名家だったことが明かされている。

私たちは今、映画と登場キャラクターやそのオリジンについて、アーカムの世界で何が起こるかということに踏み込んでいます。ほとんどこれは……ホラー映画やお化け屋敷のようなものですね。

アイデアとしては、映画の中でゴッサムがひとつのキャラクターとして登場するように、アーカムもまたひとつのキャラクターとして存在させたいんです。この環境に入り込み、登場人物達と出会うことで、本当に新鮮な感覚を味わうことができます。

 

ゴッサムを作り込んでいく中で、話が発展していき、「待てよ、これはもっと掘り下げていくべきだ」と感じはじめました。そして、それが今に至るわけです。

アーカム・アサイラムは、映画《ダークナイト》トリロジーやドラマ『GOTHAM/ゴッサム』でも登場し、重要な“ステージ”のひとつではあった。一方、ゲーム『バットマン アーカム・アサイラム』(2009) ではアーカム・アサイラムが舞台そのものになり、同作から始まった「アーカム」三部作は大人気シリーズとなった。

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アーカム・アサイラムを舞台にした『ザ・バットマン』スピンオフドラマシリーズはどのような作品になるのか、注目が集まる。

『ザ・ペンギン』

明確に製作が決定しているスピンオフドラマが『ザ・ペンギン(仮)』だ。『ザ・バットマン』のマット・リーヴス監督はペンギンを演じたコリン・ファレルらとともに製作総指揮を務める。ペンギンの単独ドラマはHBO Maxでの配信が決定しており、『ザ・バットマン』の後の世界が舞台になるとされている。つまり、ファルコーネが死に、権力を掴んだペンギンの姿が描かれるということである。

Varietyによると、マット・リーヴス監督は当初、映画二作目でペンギンが犯罪社会で成り上がっていく姿を描こうとしていたそうだが、スタジオ側から「それはそれで一本のショー(ドラマ)にしたい」と言われたという。このドラマシリーズは『マイノリティ・リポート』(2002) や『トータル・リコール』(2012) への出演で知られるコリン・ファレルがペンギン/オズ役で続投する。

IGNによると、コリン・ファレルは2022年3月にドラマ『ザ・ペンギン(仮)』について、以下のように話している。

マット・リーヴスが『ザ・バットマン』で作り上げた世界によってはオズワルド・コブルポットの目を通してより深い世界が見られることを保証してくれました。オズが闇社会の階級を駆け上がって“ペンギン”になるまでの姿を探求できることに、これ以上ないほどにワクワクしています。彼がゴッサムのストリートに舞い戻り、狂気と騒乱を起こすのも悪くないでしょう。

『ザ・バットマン』のペンギンはナイトクラブのアイスバーグ・ラウンジを拠点にしており、アイスバーグ・ラウンジがドラマシリーズでも再登場する可能性は高い。『ザ・バットマン』の時点ではファルコーネの影で、まだどこか小物臭を漂わせていたペンギン。ドラマシリーズを通してファルコーネのような大物にのし上がっていくのだろうか。

ペンギンはティム・バートン監督の『バットマン リターンズ』(1992) にメインヴィランとして登場した。ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』ではロビン・ロード・テイラーが若き日のペンギンを演じ、傘持ちの青年からトーマス・ウェインの死の混乱に乗じて徐々に権力を手にしていく姿が描かれた。『GOTHAM/ゴッサム』ではバイセクシャルという設定になっていた他、時には主人公のジェームズ・ゴードンを助けるなど、ジェームズ・ゴードン、ブルース・ウェインと同等の主要キャラクターという扱いだった。

ペンギンが主人公の実写作品が製作されるのはこれが初めてとなる。マット・リーヴス監督の「バットマン」世界をどのように肉付けしていくことになるのか、続報を待とう。

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以上が、日本での『ザ・バットマン』公開時点で明らかになっている続編・スピンオフに関する情報だ。DCEUには属さないが、故にDCEUの制約から自由にマット・リーヴス監督の「バットマン」世界を構築しつつあることが分かる。数年、いや十数年に及ぶであろう壮大なフランチャイズが成功することを心から願う。

 

映画『THE BATMAN -ザ・バットマン-』は2022年3月11日(金)より日本全国で劇場公開。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』公式サイト

Source
Yahoo! / Variety 1 / Den of Geek / Collider 1 / Twitter Movies / Collider 2 / Happy Sad Confused / The Cyber Nerds / Variety 2 / IGN

『ザ・バットマン』終盤の展開とポストクレジットシーンの意味の徹底解説はこちらから。

リドラーが基金の不正に気づいた理由とその背景についてはこちらの記事で解説している。

マット・リーヴス監督は、ラストの展開の狙いについて「観る人に疑問を抱いてもらうこと」と語り、バットマンの成長についても語っている。詳しい解説と考察はこちらから。

『ザ・バットマン』がDCEUに属さない理由はこちらの記事で。

10人目のキャットウーマン役、ゾーイ・クラヴィッツが語った思いはこちらの記事で。

本作でのバットモービルへのこだわりはこちらから。

全曲無料公開されている『ザ・バットマン』のサントラはこちらから。

『ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット』で描かれたジョーカーについての解説はこちらから。

DCEUドラマ『ピースメイカー』は4月15日(金)より日本での配信を開始する。詳しくはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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