『ソニック・ザ・ムービー』が日本公開
2020年6月26日(金)より日本でも劇場公開された映画『ソニック・ザ・ムービー』。セガの人気ゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を実写化した作品で、アメリカでは2月に公開、ゲーム原作の映画作品としては『名探偵ピカチュウ』(2019)を抜いてアメリカで歴代最高の興行収入を記録した作品となる大ヒットを記録した。
中でも注目を集めたのは、原作ゲームのドクター・エッグマンことドクター・ロボトニックを演じたジム・キャリーだ。『ソニック・ザ・ムービー』公開時点で58歳を迎えていたジム・キャリーだが、センス抜群の動きと顔芸、そして演技力で観客を魅了している。
ドクター・ロボトニックのダンスシーン
そして、『ソニック・ザ・ムービー』のハイライトシーンの一つが、ドクター・ロボトニックが研究所でダンスを踊るシーンだ。Fandango Movieclipsではこのダンスシーンの映像を公開している。
The Poppy Familyの「Where Evil Grows」(1971)に乗せてドクター・ロボトニックがキレキレのダンスを見せるこのシーンは、まさにジム・キャリーの独壇場。このダンスについて、ジム・キャリーはBBC Radio 1のインタビューに意外な事実を明かしている。
ジム・キャリーが明かすダンスの元ネタ
このダンスの中でも、頭がなくなったようなパントマイムを見せるシーンについて聞かれたジム・キャリーは、以下のように話している。
これは言っておきたかったんですが、これはディック・ヴァン・ダイクへのトリビュートなんです。私は (コメディショーの) 『ザ・ディック・ヴァン・ダイク・ショー』(1961-1966)のディック・ヴァン・ダイクを見て育ちました。その番組に彼が息子の教室を訪れるエピソードがあって、頭がなくなるトリックを披露するんです。ですから、(『ソニック・ザ・ムービー』でのダンスは) リスペクトの表明だったんです。
でも、私は頭を食べるホログラムのティラノサウルスを足しましたからね。古いものと新しいものの融合です。あらゆる時代のベストを集めました。
最後はよく分からない誇大表現で締めくくっているが、ドクター・ロボトニックのダンスシーンは、往年の名優ディック・ヴァン・ダイクへのトリビュートだったというのだ。ディック・ヴァン・ダイクはディズニー映画『メリー・ポピンズ』(1964)や、『チキ・チキ・バン・バン』(1968)といった映画に主演したことで知られる。
『ザ・ディック・ヴァン・ダイク・ショー』での頭がなくなるトリックは、以下の動画でチェックできる。
ディック・ヴァン・ダイクは、『メリー・ポピンズ』をはじめとするミュージカル映画では華麗なダンスを披露しており、ジム・キャリーはダンスシーンでディック・ヴァン・ダイクへのリスペクトを表明することを決めたようだ。
なお、ジム・キャリーはドナルド・トランプ大統領を批判する発言を繰り返しているが、ディック・ヴァン・ダイクもまた、トランプ大統領の対抗馬であったバーニー・サンダースへの支持を表明したことでも知られている。
そして、ジム・キャリーは、ダンスシーンにおける「お前のラテは最高だからな!」という名台詞についても、“元ネタ”を明らかにした。この台詞は、アシスタントのニコールという人物のアイデアを取り入れたものだという。「彼女が提案して素晴らしいと思って使わせてもらったんです」と話し、ニコールへの拍手を送った。
蓄積した知識と、即興のセンス、そして人から提案をすぐに取り入れる柔軟さが、ジム・キャリーを唯一無二の存在にしているのだろう。
映画『ソニック・ザ・ムービー』は2020年6月26日(金)より全国で公開。
Source
BBC Radio 1