ネタバレ解説『シャン・チー』ジブリへのオマージュ、日本アニメへのリスペクトに注目 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『シャン・チー』ジブリへのオマージュ、日本アニメへのリスペクトに注目

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映画『シャン・チー』公開

MCU映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』が2021年9月3日(金)より全国で上映を開始した。MCU映画25作品目にして初めてアジア系のキャラクターを主人公に据えた作品であり、中国が主な舞台として設定されている。一方、指揮をとったデスティン・ダニエル・クレットン監督は母親が日系アメリカ人で、日本の映画やアニメに影響を受けて育っている。

そんな『シャン・チー』には、日本の有名なアニメ作品からのオマージュも登場した。ここから先は、『シャン・チー』のネタバレありで、あの作品のオマージュについて解説する。未見の方はまず『シャン・チー』を観てから以下の内容を読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』の内容に関するネタバレを含みます。

ジブリへのオマージュが

映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』に登場したのは、ジブリスタジオの宮崎駿監督による映画『千と千尋の神隠し』(2001) へのオマージュだ。劇中、シャン・チーたちは自身の母の故郷であるター・ローに向かうが、ター・ローへの道は“生きた竹林”によって阻まれており、一行はモーリスの案内によってなんとか竹林を抜ける。モーリスは魔物がうごめく異次元との境界になっているター・ローの生物で、顔を持たず、四つの翼が生えている。中国神話に登場する“渾沌”と呼ばれる生物がモデルになっている。

モーリスの誕生秘話はこちらの記事で紹介している。

ター・ローに入るシーンでは、一度洞窟に入り、それを抜けた先に魔法のような世界が広がっている。これは明らかに『千と千尋の神隠し』へのオマージュだろう。『千と千尋の神隠し』の宣伝コピーでもあった「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」を思い出させる演出だ。

ター・ローは、製作スタッフがシドニーの公園に実際に村のセットを組んで出現させた神秘の村。一行を足止めする馬と竜が合わさったような生物もジブリ映画『もののけ姫』(1997) を想起させる。

ジブリの代表作へのオマージュはそれだけではない。終盤に登場するター・ローに眠っていた巨大な竜は、『千と千尋の神隠し』のハクの姿を思い出させる。ハクの立て髪が緑だったのに対し、ター・ローの竜は赤い立て髪になっているが、白を基調にしたボディやフォルムはハクにそっくりだ。

『シャン・チー』のワールドプレミア直後には、アメリカのドリュー・テイラー記者が「この映画が受けた無数の影響(ジャッキー・チェンから宮崎駿まで)が大きな成果を上げているとツイートしていた。同記者も上記の要素を見て、宮崎駿監督からの影響があると総合的に判断したのだろう。

日本アニメへのリスペクトが続々

日本の作品を意識したムードは、ター・ローに入ってから一気に盛り上がる。シャン・チーがウェンウーに対してエネルギー波を撃とうとする時のアクションは「ドラゴンボール」シリーズのかめはめ波そのもの。最終的に魔物を倒したこの技を、後にケイティは「かめはめ波」と呼んでいる。デスティン・ダニエル・クレットン監督は、アニメ『ドラゴンボールZ』(1989-1996) を観て育ったといい、孫悟空のかめはめ波の映像をマーベルへのプレゼン資料として使用したことを認めている

実は、時を同じくして9月17日(金)より劇場公開されるヒュー・ジャックマン主演のSF映画『レミニセンス』でも、『千と千尋の神隠し』へのオマージュシーンが登場する。水上を電車が走るシーンが描かれており、リサ・ジョイ監督は「宮崎駿監督の作品が大好きで、『千と千尋の神隠し』へのオマージュちょっとしたオマージュが入っています」とコメントしている

『シャン・チー』のデスティン・ダニエル・クレットン監督は1978年生まれ。『レミニセンス』のリサ・ジョイ監督は1972年生まれで、日本のアニメーションを当たり前のように観て育った世代だ。

『シャン・チー』の次のMCU映画で11月5日(金)公開を予定している『エターナルズ』の指揮をとるクロエ・ジャオ監督は1982年生まれ。「SFや日本の漫画、ファンタジー映画などに囲まれて育った」と語っており、「一番好きな漫画」は『幽☆遊☆白書』(1990-1994) を挙げている。『エターナルズ』では、メインキャラクターの一人であるギルガメッシュを韓国系俳優のマ・ドンソクが演じる。

また、韓国ドラマ『梨泰院クラス』(2019) での主演で知られるパク・ソジュンは、所属事務所がMCUへの参戦を公式発表したばかり。『キャプテン・マーベル』(2019) 続編の『ザ・マーベルズ(原題)』への出演が予想されている。なお、『ザ・マーベルズ』の監督で1989年生まれのニア・ダコスタ監督は、韓国ドラマを通してパク・ソジュンのファンになったことを過去にTwitterで明かしている。詳しくはこちらから。

このように世代の移り変わりと共にアジアへの眼差しは変わりつつある。『シャン・チー』がジブリへのオマージュと共にMCUに呼び込んだアジアの風は、今後さらに大きくなっていくだろう。

映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』が2021年9月3日(金)より全国で上映中。

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』公式サイト

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『シャン・チー』ポストクレジットシーンのネタバレ解説はこちらから。

シャーリンがフェーズ4に呼び込んだ新たな流れについては、こちらで詳しく考察している。

シャーリンを演じたメンガー・チャンが語るシャーリンの撮影秘話はこちらから。

『シャン・チー』続編についての情報はこちらから。

『ブラック・ウィドウ』から登場した意外なキャラのカメオ出演についてはこちらから。

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