第5話ネタバレ解説『オビ=ワン・ケノービ』リーヴァの過去とアナキンの教訓 コラン・ホーンも登場 あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

第5話ネタバレ解説『オビ=ワン・ケノービ』リーヴァの過去とアナキンの教訓 コラン・ホーンも登場 あらすじ&考察

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『オビ=ワン・ケノービ』5話はどうなった?

Disney+で独占配信されているドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) から10年後を舞台にした「スター・ウォーズ」最新作。ユアン・マクレガーが実に17年ぶりにオビ=ワン・ケノービを演じ、ダース・ベイダー役のヘイデン・クリステンセンと共演する。

全6話で構成される『オビ=ワン・ケノービ』もあっという間に終盤戦に突入。今回は、最終話直前となる第5話の各シーンを解説していく。なお、以下の内容は『オビ=ワン・ケノービ』第5話の内容に関するネタバレを含むので、必ずDisney+で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』第5話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』第5話ネタバレ解説

ヘイデン・クリステンセンが演じる若きアナキン

反乱分子の助けを得て帝国の要塞に忍び込み、レイアを助け出したオビ=ワン・ケノービだったが、レイアのドロイドのローラを通して追跡されていた。第5話はリーヴァとダース・ベイダーが迫りくる中で幕を開ける。

第5話の冒頭は意外にもアナキンがパダワンだった頃の回想からスタート。第2話でケープを被ったアナキンの姿を見せた以外は全身火傷を負った後のダース・ベイダーを演じていたヘイデン・クリステンセンが、ついにかつてのアナキンの姿を演じている。

髪型からして『エピソード2/クローンの攻撃』(2002) の時期で、公開当時21歳だったヘイデン・クリステンセンも今では41歳。時の流れを感じるが、あえてCGで塗り固めずに今のヘイデンの姿を見せる演出はファンにはたまらない。

17年ぶりの共演になるユアン・マクレガーとの「Are you ready?」「Are you?」の掛け合いの間も、様々な感情がこもっていそうで、なんとも言えない。第5話は、このマスター時代のオビ=ワンとパダワン時代のアナキンの訓練のフラッシュバックと共に進んでいく。

シリーズではお馴染みのスター・デストロイヤーのブリッジにたたずむダース・ベイダーは、ここでリーヴァを新たな大尋問官に任命する。ここでもダース・ベイダーはリーヴァに会うなりオビ=ワンの居場所を聞いており、オビ=ワンのことで頭がいっぱいになっている様子を見せている。

コラン・ホーンと惑星ガレル

第3話で知り合ったターラと、第4話で知り合ったローケンと共にジャビームに到着したオビ=ワンたち。ここで第2話で指針を示してくれたハジャとも合流する。オビ=ワンを助けたことで、ハジャは帝国に追われる身になってしまっていた。

オビ=ワンは、レイアを故郷に帰すよりも、ジャビームの人々を逃すことを優先する。これはオビ=ワンらしい判断だ。なお、エンドクレジットの表記から、このシーンの人々の中にはゲストキャラとしてコランという名の人物が混じっていることが分かる。コランは第2話でもクレジットされており、ハジャが助けた母子の息子だと思われる。

コラン・ホーンはカノン(正史)ではなくレジェンズの小説で登場した人物で、後にルーク・スカイウォーカーの弟子の一人になる。祖父はアナキンと共に戦ったジェダイ・マスターのネジャー・ハルシオン。ハジャがあの子どもをフォース・センシティブであると言っていたのはデタラメではなかったのだ。何よりコランは、ここでオビ=ワンという生きる伝説の姿を目にしていたようだ。

ハイパースペース空間を通過するダース・ベイダーは「屈服させるべきは奴ら (them) ではない」と、引き続きオビ=ワンのことしか眼中にない。一方、「光 (Light) は薄れても忘れられはしない」という壁に彫られた文字を見て、ライト (Light) セーバーに目をやるオビ=ワン。横にはケープもある。第3話ではジャビームはジェダイが人生をやり直す場所と説明されていた。

ハックされたローラが船の出口を防ぐ中、オビ=ワンはアナキンとの稽古を思い出し、攻撃重視のベイダーが包囲ではなく正面突破を選ぶと睨んでいた。不安を募らせる人々に、オビ=ワンはリーダーシップを発揮して「戦う必要はない」と語りかける。帝国の時代においては、生き延びて希望を繋ぐことが重要だ。

ジャビームに降り立った新たな大尋問官・リーヴァが砲撃を加える中、オビ=ワンはレイアを信頼して扉の修理を託す。オビ=ワンはレイアの父ベイル・オーガナから、返事がなければオーウェンと共にルークを守るためにタトゥイーンへ向かうとのメッセージを受ける。

ベイルは、オビ=ワンの見守りがなくなった今、ルークを守るためにオーウェンを助けなければ行けないと考えている様子。しかし、オビ=ワンと共にいるレイアの父がタトゥイーンに向かうことは、ルークの居場所を知られるリスクをとることでもある。

帝国軍の将校としてスパイ活動に取り組むターラは、そのきっかけとなった惑星ガレルでの出来事を回想する。『オビ=ワン・ケノービ』の約4年後を舞台にした『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2020) では、シーズン2第11話で惑星ガレルに反乱軍の秘密の拠点が置かれており、尋問官と反乱軍の戦いが描かれた。続三部作に登場したレジスタンスのスタトゥラ提督もガレルの出身だ。

ターラはガレルで尋問官がフォース・センシティブの4つの家族(子ども6人を含む14人)を始末することに加担したこと、今その償いをしていることを告白する。第4話では過去を忘れることの必要性をオビ=ワンに説いたターラだったが、今回は「忘れられないこともあるが、教訓にはできる」と考えを改めている。

リーヴァの過去

オビ=ワンは天井の扉が開くまでの時間稼ぎとしてリーヴァと直接交渉することに。扉越しに悟られないようにフォースを集中させたオビ=ワンは、リーヴァがダース・ベイダーの正体を知っていることを感知する。そしてリーヴァはかつてジェダイ・オーダーのヤングリング(候補生)であったことを明かす。

リーヴァはオーダー66でアナキンが襲来した時にジェダイ聖堂にいたのだ。やはり第1話冒頭の子ども達の一人がリーヴァで、この襲撃を死んだフリで生き延びたリーヴァはアナキンに復讐するために仕えるフリをしてダース・ベイダーに近寄っていたという。

第4話の考察で記した通りの展開だ。『オビ=ワン・ケノービ』のキャラクターポスターでは、リーヴァの目に写っているのはオビ=ワンではなく、ダース・ベイダーの姿だった。

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リーヴァはアナキンが「ただ一つの家族を皆殺しにした」と話している。ジェダイのヤングリングだったということは、リーヴァもまた幼い頃に元の家族から離れたにもかかわらず、新しい家族をアナキンに殺されたということだ。人生をかけて復讐しようと考えるのも無理はない。

リーヴァと協力しようとするオビ=ワンだったが、アナキンを殺せるのか、なぜアナキンを止められなかったのかというリーヴァの追及に窮してしまう。リーヴァの言う通り、最終的にオビ=ワンは自らの手でアナキンを葬ることはできていない。

武器で戦うことが全てではない

交渉は決裂し、帝国軍が攻め入る中、NED-8とターラは善戦しながらも負傷してしまう。ターラが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) さながらに自爆して希望を繋ぐ中、ダース・ベイダーは自らオビ=ワンに手を下すためにリーヴァへ待機を命じる。

ここで再びオビ=ワンとアナキンの稽古の回想。この前の背中合わせになるシーンも含め、二人の戦いは『エピソード3』でのそれを想起させる。一方で、この後のアナキンがオビ=ワンを追い込む時のライトセーバーの振り方は『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983) でルークがダース・ベイダーを追い込んだシーンと同じアクションになっている。

稽古の記憶にヒントを得たオビ=ワンは、ハジャに武器とベイル・オーガナとコンタクトを取るための通信機を預けて投降する。武器で戦うことが全てではない。オビ=ワンはダース・ベイダーが自分に気を引かれている間に仕留めるようリーヴァに助言し、中に子ども達がいることを告げるが、リーヴァは「見抜かれる」と消極的だ。

ダース・ベイダーは到着するが、オビ=ワンはストームトルーパーを倒してローケン達との合流に成功。流石の強さだが、リーヴァもこうなることを分かっていたようだ。時を同じくしてレイアも天井の扉を開くことに成功し、ローラもハッキングから解放される。それぞれの仕事を果たしてハグするオビ=ワンとレイアの姿はすっかり戦友だ。

いつまでもパダワン

恐ろしいオーラをまといながらオビ=ワン達に迫るダース・ベイダーは、出航しようとしているシップに追いつくと、フォースを使い片手でシップを落としてしまう。流石の圧倒的な力。第5話はダース・ベイダーの見せ場を存分に作ってくれている。

フォースの力でシップを止める描写は、映画では『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019) でレイとカイロ・レンが輸送船を引っ張り合う描写が登場した。この時もレイとカイロ・レンは片腕でシップを引っ張っている。また、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) ではシーズン7第12話ではダース・モールが乗るシップをアソーカ・タノが両手で引っ張ったが苦戦し、迫りくる敵を前にシップを解放している。

シップの壁もフォースでぶっ壊すベイダー卿だったが、これはおとりの船。オビ=ワン達は機動力の高いもう一隻のシップに乗り込んでおり、ダース・ベイダーの意表をついてジャビームを脱出することに成功する。稽古の回想ではオビ=ワンがライトセーバーを失うもフォースの力を使ってこの勝負を制し、「お前は立派な戦士だが顕示欲が弱点だ」「それを克服できなければいつまで経ってもパダワンだ」と教える。

オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーが顔を合わせることなく、回想シーンでオビ=ワンからアナキンへのメッセージが伝えられる巧い演出だ。猪突猛進に突き進んでいき、自制心を得られない限り、アナキンはいつまで経ってもオビ=ワンのパダワンだ。

ダース・ベイダーはこの9年後、『エピソード4』でもオビ=ワンの存在に没頭し、ルーク達を逃してしまっている。戦うのをやめたオビ=ワンの肉体が消えたことを受け止めきれず、その間にルークに扉を閉じられてしまうのだ。

ダース・ベイダーvsリーヴァ

オビ=ワンとレイアは脱出に成功したが、第5話はもう一つの物語に決着がつく。リーヴァは遂にダース・ベイダーと対峙。今度はダース・ベイダーがフォースだけでリーヴァの猛攻を交わすと、リーヴァのライトセーバーを奪い殺陣が始まる。第5話はオビ=ワンとアナキンの青のライトセーバー同士の戦いからアナキンとリーヴァの赤のライトセーバー同士の戦いに。なんとも贅沢なエピソードだ。

「一人では勝てない」と言うオビ=ワンの忠告通り、圧倒的な実力差の前にリーヴァは敗れる。オビ=ワンに一本取られた後で、アナキンは稽古を思い出したのだろうか。オビ=ワンがやったようにライトセーバーを使わなかったり、ライトセーバーを奪う戦い方が印象的だった。

また、アニメ『反乱者たち』では、ダース・ベイダーとかつての弟子アソーカ・タノの戦いも描かれるが、ダース・ベイダーとアソーカの師弟対決がいかに特別なものだったのかが分かる。ダース・ベイダーは老いたオビ=ワンやリーヴァに片手で挑んでいるが、アソーカには両手でライトセーバーを握って戦っていた。

オーダー66の光景がオーバーラップする中、リーヴァはダース・ベイダーにライトセーバーで貫かれる。そして現れたのは前任の大尋問官。大尋問官は4年後を舞台にした『反乱者たち』で初登場のキャラクターなので、やはり死んでいなかった。バクタ・タンクで回復したのだろうか。

ダース・ベイダーはリーヴァが自分に復讐心を抱いていると知っていながら利用し、元の大尋問官を復帰させた。これまで帝国はヒューマノイドの白人男性ばかりを幹部に登用していたが、リーヴァの登場により、ファンの間では帝国が実は黒人女性を登用していたと見る向きもあった。しかし、第5話では最初から切り捨てるつもりで利用していただけであったことが明らかになった。

一方で、ダース・ベイダーはリーヴァを用無しとしながらもとどめを刺しておらず、リーヴァにはまだ息があった。そしてオビ=ワンがハジャに託した通信機を見つけると、何者かがオーウェンの子どもを守るためにタトゥイーンへ向かうことを知る。

帝国から逃げ切ったオビ=ワンだったが、船のハイパードライブは故障していた。そして妙な感覚がオビ=ワンを襲う。第5話の最後に映るのは、タトゥイーンで静かに眠るルーク・スカイウォーカーの姿だった。ルークに危機が迫っていることが示唆され、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』はいよいよ最終話を迎える。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』第5話考察

オビ=ワン・ケノービは第1話でタトゥイーンを離れ、その後はルークではなくレイアとの冒険が描かれてきた。しかし、最終話で再びルークに焦点が当たることを示唆して第5話は幕を閉じた。一方で、この後のシリーズにつなげる条件としては、帝国軍にルークの居場所を知られるわけにはいかない。その為に第1話ではオビ=ワンは帝国軍に見つかることなくタトゥイーンを離れたはずだ。

ヒントは、もはや帝国軍を離れたリーヴァがタトゥイーンが鍵になると知ったこと。帝国軍の動きとは別にリーヴァとオビ=ワンの戦いが最終話のトピックになるのかもしれない。だが、リーヴァの目的はダース・ベイダーへの復讐だ。オビ=ワンとは対立するよりも忠告された通りに協力する方が理にかなっている。オビ=ワンが潜伏10年目にして一度ダース・ベイダーと交戦しながらも、ここから9年間タトゥイーンで隠れ通すことができた背景には、リーヴァの助力があったという展開もあり得るだろう。

一方で腹を貫かれた大尋問官が死んでいなかったということは、リーヴァも生きている可能性は高い。問題はどうやって回復できるのかということだ。ダース・ベイダーはあえてリーヴァにとどめを刺さなかったと見ることもできる。シスにとって復讐心は悪いことではない為、再びリーヴァを拾う可能性もあるのだろうか。

一方、『オビ=ワン・ケノービ』のコンセプトアートでは、オビ=ワンとダース・ベイダーが『エピソード3』の決戦の地であるムスタファーで戦っている姿が見られた。もしかしたらリーク対策のビジュアルだったのかもしれないが、まだダース・ベイダーとオビ=ワン・ケノービの対決は残されているとも考えられる。

そうであれば、オビ=ワンはルークの居場所がバレないように先手を打つべく、ダース・ベイダーがいるムスタファーに自ら乗り込む展開もあるだろう。その対決を通して再び自分を死んだと思わせ、『エピソード4』までの9年間を生き延びるという道もあり得る。

また、第5話ではジェダイ時代のオビ=ワンとアナキンの稽古の様子が明らかになった。この稽古を経て、『エピソード3』でのオビ=ワンとの対決ではアナキンは前蹴りやドロップキックを取り入れて戦うのだから、20歳そこそこのアナキンは可愛くもある。

現在のユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンが過去の二人を演じられるのなら、過去の二人の様子をもっと見てみたいところだが、『オビ=ワン・ケノービ』は残すところあと1話。製作側はシーズン2の可能性についても言及しているが、今はとにかく最終話の決着を楽しみに待とう。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』はDisney+で独占配信中。

『オビ=ワン・ケノービ』(Disney+)

『オビ=ワン・ケノービ』最終回のネタバレ解説はこちらから。

『オビ=ワン・ケノービ』脚本家はベン・ソロという名を名付けたのはレイアだと明かした。詳しくはこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

『オビ=ワン・ケノービ』シーズン2についての情報はこちらから。

ゼン・チョウ監督が語ったダース・ベイダー復活の理由はこちらから。

『オビ=ワン・ケノービ』を巡っては、一部ファンによるリーヴァ役モーゼス・イングラムへの人種差別が起きている。オビ=ワン役のユアン・マクレガーはこれを強く批判するメッセージを出した。詳しくはこちらから。

この件についての「スター・ウォーズ」公式によるコメントはこちらから。

ドラマ『ボバ・フェット』最終話ラストについての解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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