第4話ネタバレ解説『オビ=ワン・ケノービ』舞台は要塞へ あそこにいたのは誰? あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

第4話ネタバレ解説『オビ=ワン・ケノービ』舞台は要塞へ あそこにいたのは誰? あらすじ&考察

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『オビ=ワン・ケノービ』第4話はどうなった?

ユアン・マクレガー主演ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は2022年5月27日(金)に配信を開始。初回に二話が配信されたため、6月8日(水) の配信であっという間に第4話を迎える。全6話で構成される本作は、早くも後半戦へ。オビ=ワンの旅はどのような展開を迎えるのだろうか。

今回は、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』第4話の各シーンを解説していく。以下の内容は第4話のネタバレを含むので、必ずDisney+で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『作品タイトル』の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』第4話ネタバレ解説

バクタ・タンクに入るオビ=ワン

第3話では尋問官リーヴァの追跡によってオビ=ワンは位置を特定されてしまった。ヘイデン・クリステンセン演じるダース・ベイダーが遂に登場すると、オビ=ワンと10年ぶりの再会を果たした。しかし、その再会はダース・ベイダーが圧倒的な力を見せてオビ=ワンに大火傷をさせるという展開に。オビ=ワンは反乱分子のターラに助けられて惑星ジャビームへと向かうが、一人逃げる道中にあったレイアはリーヴァに捕らえられていた。

大ピンチの中迎えた『オビ=ワン・ケノービ』後半戦の幕開け。意識が朦朧とする中、オビ=ワンはバクタ・タンクに入って治療を受ける。バクタ・タンクは傷を急速に治癒するバクテリアの“バクタ”で満たされたタンクのことで、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980) ではルークも使っていた。

『オビ=ワン・ケノービ』から9年後が舞台の映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) ではダース・ベイダーが使用している。『オビ=ワン・ケノービ』第2話のラストで映ったダース・ベイダーもバクタ・タンクに入っていたものと思われる。また、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) は『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983) の数年後が舞台だが、ボバ・フェットはバクタ・タンクを転用した横型の“バクタ・ポッド”を使用している。

共にバクタ・タンクに入り、痛みを共有するダース・ベイダーとオビ=ワン。切断した四肢に痛みを感じることを「ファントム・ペイン(幻肢痛)」というが、オビ=ワンの腕とアナキンの失われた腕が同期しているように見える。

過去を忘れること

リーヴァに拐われたレイアはオビ=ワンが迎えにくると信じていた。この時点でレイアは既に「オビ=ワン」という名前を認識しており、「ベン = オビ=ワン」ということを理解している。

ジャビームで意識を取り戻したオビ=ワンは、ターラからローケンを紹介される。シリーズ初登場となるローケンを演じるのは、俳優でラッパーのオシェア・ジャクソン・Jr.。映画デビュー作『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015) では主演で父アイス・キューブの若い頃を見事に演じて話題になった。

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ローケンは、過去にフォース感知者だった妻が尋問官に見つかったことから、オビ=ワンを歓迎していない様子だったが、それでもオビ=ワンに力を貸してくれることに。尋問官の要塞はムスタファー星系の水の惑星ナーにあるという。ダース・ベイダーが住む溶岩に覆われた惑星ムスタファーとは正反対の環境だ。

第3話で“ジェダイにとってのやり直しの場所”と紹介されていたジャビームは、反乱分子の面々が拠点にしているようだ。若いメンバーとの作戦会議のシーンで、ナーへT-47エアスピーダーで行こうと提案するオビ=ワンの姿はすっかり初老のマスターだ。

ターラは将校の権限を使ってオビ=ワンの侵入をサポートすることに。オビ=ワンはというと、まだフォースの力が戻りきっていない様子。ターラは「過去を忘れるは大変」と言うが、オビ=ワンは「消せない記憶もある」と、アナキンを斬った過去に言及している。しかし、ターラは「レイアが心配なら忘れなきゃ」と重要な助言をする。この9年後にオビ=ワンはルークを育てることになるわけで、アナキンとの過去に区切りをつける時がくるはずだ。

ジェダイの墓場

リーヴァはレイアに、昨年惑星バルナブからネットワーク“パス”についての通信を傍受したと話す。更にターラらがオビ=ワンを見殺しにしたと嘘を教え、ターラがどこにいるのか聞き出そうとしている。

ターラは帝国の将校としてナーの要塞に入ろうとするが、「管轄外」として断られそうになる。それでも、「スター・ウォーズ」では定番の「いいのか? 上司に報告するぞ?」作戦で通ることに成功。帝国の縦社会が裏目に出る展開だ。海底に潜るオビ=ワンは、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) 以来の泳ぎ姿を見せ、ターラが内部から開いたハッチから侵入に成功する。

リーヴァは第2話でハジャにやったようにフォースでレイアのマインドを読もうとするが、フォース・センシティブであるレイアを破ることはできない。「勇敢さは恐怖の裏返し」と語るリーヴァは、小さい頃にドロイドを持っていたが何もかもを奪われたという。大審問官が第2話で「卑賎の身(=低い身分)」と見下したリーヴァのオリジンにも注目だ。

審問官の要塞は、「誰も襲おうとしない」という理由でシールドを張っていなかったが、内部はしっかりシーカー・ドロイドを張り巡らせてある。内部の裏切りは警戒しているのだろうか。ストーム・トルーパーにバレそうになったオビ=ワンは、フォースを使って気をそらせることに成功する。フォースの力が戻りつつあるようだ。

レイアもリーヴァとの戦いを続けていた。心理戦の末、口を割らなかったレイアは拷問台へと連れて行かれる。レイアに危機が迫る中、オビ=ワンが見つけたのはジェダイ達が眠る部屋だった。オビ=ワンは「ここは要塞ではなく墓場」と漏らすが、このジェダイ達は死んでしまっているのだろうか。

オビ=ワンが最初に向き合うジェダイはアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場し、アソーカ・タノともタッグを組んだジェダイマスターのテラ・シヌーベに似ている。“墓場”にはパダワンも含まれている。

リーヴァの作戦

拷問を受ける寸前のレイアを救ったのはターラだった。敵はフローラムに潜んでいるとリーヴァに嘘を教えているが、フローラムはクローン戦争時には悪党の温床になっていた惑星だ。リーヴァがターラを疑う中、オビ=ワンはレイアを救出。闇の中で光る青いライトセーバーでストーム・トルーパーを倒す粋な演出だ。

ターラは逆に反乱分子のスパイをしていたという線で逃げ切ろうとする中、オビ=ワンとレイアがシーカー・ドロイドに見つかったことでリーヴァが出動。オビ=ワンは見事なライトセーバー捌きでストーム・トルーパー達を退けていく。

ターラはストーム・トルーパーをヘルメットの上からの掌底打ちで倒す達人ぶりを見せ、オビ=ワンは水圧で割れそうになる窓をフォースの力で抑える活躍を見せる。窓から入ってきた水流よりも早く走るオビ=ワンの足はまだまだ衰えていないようだ。

ターラと合流したオビ=ワンとレイアは、ギリギリの変装で脱出を目指すが、サード・シスターへの怒りをたぎらせるフィフス・ブラザーは気付くことができない。脱出直前で兵隊を連れたリーヴァが二人に追いつくが、そこに現れたのは、ジャビームからスピーダーで助けに来たウェイドとサリーだった。ウェイドは墜落されるが、二人は無事に脱出に成功したのだった。

激怒するダース・ベイダーにフォース・チョークをお見舞いされるリーヴァだったが、逃したのは作戦であり、発信器を取り付けたと明かす。「基地を危険に晒した」と反論するフィフス・ブラザーには、リーヴァは第3話冒頭でのダース・ベイダーの「ケノービが最優先だ」という言葉を引用して退ける。

ウェイドを失った一同。大事な人を失うのはこれが初めてではないローケンは鎮痛の表情を見せる。レイアはオビ=ワンに手を差し伸べ、二人は親子のように手を取り合う。しかし、ラストではレイアのドロイドであるローラの目が赤く光り、リーヴァの発信器が取り付けられていることを示唆して『オビ=ワン・ケノービ』第4話は幕を閉じる。

『オビ=ワン・ケノービ』第4話考察

第4話はエンドロールを除くと40分弱の短めのエピソードに。第1話では砂漠の惑星タトゥイーンと緑豊かなオルデランが舞台になり、第2話ではサイバーパンクなダイユーが舞台になった。第3話では鉱山の星マプーゾが舞台で、第4話では水の惑星ナーにある帝国の要塞が舞台だった。毎週舞台が変わる構成は楽しい。

気になるのは要塞にあった“ジェダイの墓”だ。尋問官がジェダイを狩ってはコレクションしているということなのだろうが、今回映ったジェダイの中にはサプライズはなかったように思える。“墓”から得られるヒントは「生きている(あるいは生死不明)と思っていた人が死んでいた」くらいのものなのだが、オビ=ワンが“ジェダイの墓”を発見したことが、今後どのような展開に繋がっていくのだろうか。

一方で、第4話ではオビ=ワンがフォースの力を取り戻してきていることが示された。ダース・ベイダーとの再戦は既定路線だと思われるが、オビ=ワンはそれまでに力を取り戻したいところ。フォースの力を取り戻したとしても、32歳頃で全盛期を迎えるダース・ベイダーに分があると思われるだけに、オビ=ワンがどのようにしてダース・ベイダーと渡り合うのかにも注目だ。

また、リーヴァの出自もそろそろ明らかになってもよい頃だろう。27歳のモーゼス・イングラムが演じるリーヴァが生まれたのは帝国成立以前だと思われる。大尋問官が「卑賎の身」と蔑み、リーヴァがダース・ベイダーに執着する様子を見るに、リーヴァもアナキンと同じくかつては奴隷の身だったのではないだろうか。

第4話で明かされた「小さい頃にドロイドを持っていた」というエピソードは、アナキンとの共通点を示すものだったのかもしれない。キャラクターポスターでは、その目にオビ=ワンが映っている他の帝国側のキャラクター達と違い、リーヴァの目にはオビ=ワンと同じくダース・ベイダーが映っている。リーヴァにとってダース・ベイダーはロールモデルなのかもしれない。

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注目したいのはそのリーヴァが「全て奪われた」と言っていること。リーヴァがアナキンと同じく幼い頃にジェダイに“回収”され、パダワンになってすぐにオーダー66が発生したのだとすれば、ジェダイ・オーダーに人生を狂わされたと考えてもおかしくない。第3話ではオビ=ワンが幼い頃にジェダイに連れて行かれて家族のことを思い出せないと語る描写があった。これはリーヴァの過去に関する伏線なのかもしれない。

『オビ=ワン・ケノービ』もいよいよ残り2話。オビ=ワンの久しぶりの大冒険はどのような着地を見せるのか。第5話にも期待しよう。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』はDisney+で独占配信中。

『オビ=ワン・ケノービ』(Disney+)

第5話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

『オビ=ワン・ケノービ』シーズン2についての情報はこちらから。

ゼン・チョウ監督が語ったダース・ベイダー復活の理由はこちらから。

『オビ=ワン・ケノービ』を巡っては、一部ファンによるリーヴァ役モーゼス・イングラムへの人種差別が起きている。オビ=ワン役のユアン・マクレガーはこれを強く批判するメッセージを出した。詳しくはこちらから。

この件についての「スター・ウォーズ」公式によるコメントはこちらから。

ドラマ『ボバ・フェット』最終話ラストについての解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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