ユアン・マクレガーがコメント
2022年5月27日(金)よりDisney+で配信されているドラマ『オビ=ワン・ケノービ』に出演するモーゼス・イングラムに対する人種差別について、主演と製作総指揮を務めるユアン・マクレガーがコメント。米時間5月30日(火) にTwitterのスター・ウォーズ公式アカウントと『オビ=ワン・ケノービ』公式アカウントは共に「ユアン・マクレガーからのパーソナルメッセージ」と題した動画を投稿した。
A personal message from Ewan McGregor. pic.twitter.com/ZcIvVNpQUD
— Obi-Wan Kenobi (@obiwankenobi) June 1, 2022
この週末、「スター・ウォーズ」ファンは『オビ=ワン・ケノービ』をDisney+のオリジナルシリーズの歴史の中で配信開始日に最も多く観られた作品にしてくれました。これについてはとても感謝しています。ファミリーが一つになればどんなことができるのかを示すものです。
しかし、一部のファンがネット上でモーゼス・イングラムを攻撃し、おぞましい人種差別のDMを送っているようです。今朝それを知り、胸が裂ける思いです。モーゼスは素晴らしい俳優であり、素晴らしい女性であり、ドラマにおいても最高の存在です。ドラマと(スター・ウォーズ)フランチャイズに多くのものをもたらしてくれました。今回起きたことには吐き気がする思いです。
本作の主演俳優として、製作総指揮として私が言いたいことは、私たちはモーゼスと共にあるということです。私たちはモーゼスを愛しています。もしあなた方が彼女に攻撃的なメッセージを送るなら、私の中ではあなた方は「スター・ウォーズ」ファンではありません。この世界にレイシズムの居場所はありません。私は絶対にモーゼスの側に立ちます。
モーゼス・イングラムは『オビ=ワン・ケノービ』で初登場となる尋問官リーヴァを演じた1993年生まれの俳優。ルーカス・フィルムからは事前に人種差別を伴う攻撃を受ける可能性があると説明を受けていたが、その懸念通りにドラマ配信開始の前後にSNSで人種差別を含むメッセージがモーゼス・イングラムに送りつけられていた。
5月30日(月)にはモーゼス・イングラムがInstagramのストーリーズで中傷DMのスクショを公開。差別語を含むおぞましいメッセージが並んでおり、こうしたメッセージが「何百と来ている」と説明していた。この件について、「スター・ウォーズ」公式はSNSで「2,000万の種族がいる『スター・ウォーズ』の銀河で、レイシストになることを選ばないでください」とのメッセージを公開した。
一方で、シリーズの世界観を絡めたこのツイートには、屁理屈を並べ立てる一部ファンのリプライが続いていた。ユアン・マクレガーのメッセージは、レイシストに対して「ファンではない」と言い切るより強いコメントになっている。また、モーゼス・イングラムへの差別DMには「お前は“多様性”のために雇われただけで愛されもしない」というものもあったが、ユアン・マクレガーははっきりと「私たちはモーゼスを愛しています」とコメントしている。
「スター・ウォーズ」を巡っては、続三部作の公開時にフィン役のジョン・ボイエガとローズ役のケリー・マリー・トランが一部ファンからSNS上で人種差別を伴う苛烈な攻撃を受けた経緯がある。ルーカス・フィルムはモーゼス・イングラムに対して「スター・ウォーズ」フランチャイズにおいては有色人種の出演者に対する攻撃が起きうるという事実を事前に認めていたが、残念ながら今回もそれが現実になってしまった。
一方で、公式と主演/製作総指揮のユアン・マクレガーが人種差別に反対し、出演者の側に立つことを明確に表明したことは大きな前進だと言える。製作側が「差別は許さない」という強い意思を表明し、メディアがそれを発信することで、この現状に変化が起きることを願う。
モーゼス・イングラムがリーヴァ役で出演するドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は、2022年6月1日(水)に第3話が配信開始。
本件の経緯はこちらの記事に詳しい。
ユアン・マクレガーは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020) への出演時には、「ミソジニーについてのメッセージを広く伝えることは重要」と話している。