『マンダロリアン』シーズン4更新へ ジョン・ファヴローが脚本について語る ポイントは「その時代に誰がいるか」 | VG+ (バゴプラ)

『マンダロリアン』シーズン4更新へ ジョン・ファヴローが脚本について語る ポイントは「その時代に誰がいるか」

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『マンダロリアン』シーズン4についてジョン・ファヴローが語る

「スター・ウォーズ」フランチャイズの新たな人気シリーズへと成長したドラマ『マンダロリアン』(2019-) がシーズン4へと更新される。2019年にシーズン1、2020年にはシーズン2を配信した本作は、米アナハイムで開催されているスター・ウォーズ セレブーションでシーズン3の配信が2023年2月になることが正式に発表されたばかり。

過去には、シーズン2が配信された時点でモフ・ギデオン役を演じたジャンカルロ・エスポジートが今後について語る中で「シーズン3やシーズン4では」という言い回しをしてシーズン4について示唆されていた。だが、今回『マンダロリアン』シーズン4について正式に語ったのは脚本と製作総指揮を務め、本作を成功に導いたジョン・ファヴローだ。

スター・ウォーズ セレブーション最終日に登場したジョン・ファヴローは米CinemaBlendの取材に対し、シーズン4の脚本執筆に取り組んでいることを明かした。これは、シーズン3配信開始の9ヶ月以上前からシーズン4の製作が始まっていることを意味する。

ドラマでは(映画のように)1時間半や2時間に収めようと焦る必要がないので、とても恵まれています。ゆっくり物語を進めることができますからね。現在、デイブ(・フィローニ)が『アソーカ』をやっていますが、シーズン4の執筆にとても役立っています。なんというか、正確さが増すんです。

ジョン・ファヴローは、ドラマ『マンダロリアン』で初めて実写化されたアソーカ・タノを主人公に据えるドラマ『アソーカ(原題:Ahsoka)』から、シーズン4の脚本執筆のヒントを得ていることを明かした。ジョン・ファヴローが『マンダロリアン』シーズン4の製作を進めていることを明かしたのはこれが初めてである。

さらにジョン・ファヴローは、スピンオフドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) へと発展し、拡大を続ける「マンダロリアン」シリーズと、「スカイウォーカー・サーガ」からの派生作品とのクロスオーバーについても語っている。

どんなにシンプルに始めても、物語は繋がり始め、重なっていきます。デイブ・フィローニはこの時代(『エピソード6/ジェダイの帰還』後)のことを深く理解しているので、ストーリーについてのミーティングや会話の中で「この時期だと誰がここにいるかな……」という話になる機会が常に訪れるんです。ルークの登場はまさにそのやり取りの中で生まれました。

必ずしもルーク・スカイウォーカーをシーズン2に登場させようと計画していたわけではありません。しかし、グローグーにトレーニングを受けさせるとなると、「えっと、どのジェダイがいるっけ? 残っているのは?」という会話になり、それはルークでないとおかしいという結論になったんです。

物語を描き始めると、物語は生きているように自分の軌道を描くようになります。そしてその軌道が有機的に交差し始めると、より多くのキャラクターとのより大きな物語になることに意味を持ち始めるのです。

「スター・ウォーズ」の過去作から特定のキャラクターを登場させることが目的ではなく、あくまで『マンダロリアン』で語るべき物語に合わせて登場人物を選出していることを明かしている。

確かに、強いフォースの素質を持つグローグーの物語にはジェダイが絡むべきだが、『エピソード6』から5年後の『マンダロリアン』シーズン1の時期に修行を与えられるジェダイはルークくらいだ。また、マンダロリアンの物語を描くなら『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場したボ=カターン・クライズの登場も避けられない。こうした条件設定が、次々と他シリーズのキャラクターとの繋がりを生んでいったのだ。

そうして自然とクロスオーバーしていく物語について、ジョン・ファヴローはシーズン1からの変化をこう語っている。

『マンダロリアン』のシーズン1を書いていた時はなんでもできたし、どこでも舞台にすることができました。デイブがそれを読んで、何度もやりとりをして私が調整するんです。そうやって出来たんです。今では、ヘルメットを脱がない特定のマンダロリアン達が存在している理由、ヘルメットを被らないマンダロリアン達がいる理由、マンダロアで何が起きているか、ボ=カタンに何が起きているのか、彼女がどんな感情を抱いているのか、ダークセーバーはどこにあるのか、といった問いに答えなくてはなりません。イマジネーションとストーリーテリングにとっては豊かな土壌があります。

タトゥイーンを舞台にしたドラマ『ボバ・フェット』は、『マンダロリアン』の“シーズン2.5”とも言える内容になっていた。シーズン3では新たな冒険に出るマンドーとグローグーの物語を中心に置きつつも、他シリーズとのクロスオーバーは続いていくことになるだろう。マンドー役のペドロ・パスカルはシーズン3について、「顔馴染みのキャラクターも登場するし、たくさんの新顔も登場する」と語っている。

また、『マンダロリアン』シーズン4は『アソーカ』をはじめとする複数のドラマシリーズが発展していく中で配信されることが予想される。他シリーズとのより有機的なクロスオーバーに期待しつつ、配信開始を楽しみに待とう。

ドラマ『マンダロリアン』はシーズン2までDisney+で配信中。シーズン3は2023年2月に配信される。

『マンダロリアン』(Disney+)

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』は2022年5月27日(金)より配信中。

『オビ=ワン・ケノービ』(Disney+)

Source
CinemaBlend

2022年のスター・ウォーズ セレブレーションではアニメアンソロジー『テイルズ・オブ・ジェダイ』が2022年秋に配信されることが発表された。同作ではアソーカのオリジンも描かれるという。詳しくはこちらから。

ゲストで登場したパルパティーン役のイアン・マクダーミドはパルパティーンの復活について語っている。詳しくはこちらの記事で。

『オビ=ワン・ケノービ』第1話の解説はこちらから。

第2話の解説はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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