坂崎かおる「パラミツ戦記」公開
バゴプラは、坂崎かおるさんのSF短編小説「パラミツ戦記」を無料公開しました。この小説は、SF同人誌のSFGとのコラボレーション企画で、春完成予定の『SFG Vol.03』のテーマである「アジア」を題材に書かれた作品です。『SFG Vol.03』には、「パラミツ戦記」と世界設定を共有する姉妹編「常夜の国」が掲載されることになっています。
両作品のカバーイラストを手掛けたのは浅野春美さんです。「パラミツ戦記」のカバーは、闇夜の中で目を凝らすと、見えなかったものが見えてきます。
SFG×VG+の新たな試み
このコラボレーション企画は、2020年夏に開催された第一回かぐやSFコンテストで坂崎かおるさんの応募作品「リモート」が、審査員の井上彼方さんの選ぶ審査員特別賞を受賞したことで動き出したプロジェクトです。ウェブ媒体で横書きのバゴプラと、紙媒体で縦書きのSFGに姉妹編を掲載するという試みが、SF小説の新たな可能性を切り開いていくことを願っています。
同時に、「パラミツ戦記」は、第一回かぐやSFコンテストで十数年ぶりに物語を書き、「リモート」で審査員特別賞、「つくえ・くろにくる」で選外佳作に選ばれた坂崎かおるさんの書き下ろし最新作です。どうぞご堪能ください。
※「パラミツ戦記」は無料で読むことができます。本作の著作権者は筆者の坂崎かおるさんです。
坂崎かおる「パラミツ戦記」
栗栖隊長が率いる「風雪隊」は、ビルマのペグーを抜け、シッタン河を目指して行軍を続ける。厳しい行軍に挑むこの小隊は、一体どんな任務を背負っているのか。夜の闇を見つめる栗栖隊長の眼は、いつも何かを捉えていた。
2020年、十数年ぶりに書いた小説「リモート」が第一回かぐやSFコンテストで審査員特別賞を受賞。以降、オンライン文芸サークル〈六枚道場〉で執筆の腕を磨いた。同年12月、「リモート」がToshiya Kameiの手によって英訳され、著名なオンラインSF誌Daily Science Fictionに掲載されることが決定。第一回かぐやSFコンテストで選外佳作に選ばれた「つくえ・くろにくる」も英訳が豪AntipodeanSFへの掲載が決まっており、国境を越えた活躍を見せている。
2021年2月にVG+バゴプラでSF短編小説「パラミツ戦記」が掲載。春完成予定のSF同人誌『SFG Vol.03』には、“アジア”というテーマを共有する同作の姉妹編「常夜の国」が掲載される。
「常夜の国」あらすじ
空襲でドミトリーが焼け、避難してきたココ。僕はココに、よくおとぎ話をしてくれていたスーの面影を感じ取っていた。ココは言葉を口にしないけれど、僕らは一緒に紙の本を読む。そして僕は、自分の心に耳を傾ける。
「常夜の国」が掲載される『SFG Vol.03』は“アジア”がテーマ。バゴプラではSFGとの共同取材を行い、これまでに立原透耶さんへのインタビューと小川哲さんへのインタビューを公開しています。
『SFG Vol.03』には、坂崎かおるさんの小説「常夜の国」と共に、上記のインタビューのSFG取材部分が掲載されます。こちらもご期待ください。
SF短編小説を定期掲載中
バゴプラでは、『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』(2020, 社会評論社) の編著者である井上彼方さんがコーディネーターを務めるプロジェクト・Kaguya PlanetでSF短編小説の定期掲載を行っています。現在、Kaguya Planetでは、揚羽はなさん、藤井太洋さん、正井さん、蜂本みささんの作品を無料公開中。
日本SFの“国際化”を目指す同プロジェクトを支援していたいだ方には、佐伯真洋さんの小説「月へ帰るまでは」と、勝山海百合さんへの作家インタビューを先行公開しています。2月27日(土)には、冬乃くじさんのSF小説の先行公開が始まります!
詳細はこちらからどうぞ。
坂崎かおるさんが第一回かぐやSFコンテストで審査員特別賞を受賞した「リモート」は、以下のリンク先で無料公開されています。