かぐやSF最終候補作が英訳で登場
2020年にSFメディアのバゴプラ主催で開催された第一回かぐやSFコンテストの最終候補作品である、不破有紀の「Eat Me」がToshiya Kameiによる英訳で米ワールド ・リテラチャー・トゥデイ(World Literature Today)に掲載された。英題は「Devour Me」。
ワールド ・リテラチャー・トゥデイは、米オクラホマ大学が出版する文学誌で、エッセイ、詩、書評、小説など、幅広いジャンルの文学を扱っている。1927年に「Books Abroad」というタイトルで第1号が出版され、創刊から50年が経った1977年に現在の「World Literature Today」という名前に改称。非常に長い歴史を持つ文学誌として知られる。
最近では、日本の小説家・川上未映子の「マリーの愛の証明」がHitomi Yoshio (由尾瞳) による翻訳で掲載され、パンデミック下の生活を反映した原里実の短編SF「植物家族」がToshiya Kameiによる翻訳で掲載されている。
活躍続く不破有紀とToshiya Kamei
不破有紀の「Eat Me」は、学校の図書館に自らの身体を捧げることで“就職”した主人公の物語。「未来の学校」をテーマにした第一回かぐやSFコンテストの応募作品で、416編の応募の中から11編の最終候補作の一つに選ばれた。オリジナルの日本語版はこちらから読むことができる。
不破有紀は、2021年2月には100ワードで物語を綴るDrabble作品の「So Eagerly Awaiting」が米New World Writingに掲載されている。4月にはInsigniaの『Mythical Creatures of Asia』に大木芙沙子、原里実、勝山海百合、紅坂紫らと共にDrabbleの英訳作品が掲載された。不破有紀作品の英訳は、いずれもToshiya Kameiによるもの。
また、2021年8月にはバゴプラが運営するKaguya Planetの「200文字怪談」企画では不破有紀の「仮面舞踏会」「ふわふわ」の二編が掲載されている。
Toshiya Kameiは日英翻訳家としても活躍しているが、同時に作家としても数多くの作品が英語媒体に掲載されている。最新のToshiya Kameiの掲載作品はこちらのサイトで確認できる。日本では勝山海百合による翻訳で「ピーチ・ガール」がKaguya Planetに掲載されている。
英語圏でも活躍する不破有紀、作家としても活躍するToshiya Kameiの今後に更に期待しよう。
Toshiya Kameiが英訳を担当した第二回かぐやSFコンテスト大賞作品の吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」は日本語版と英語版がこちらで公開中。