オプティマス・プライムは何故あそこにいたのか『トランスフォーマー/ビースト覚醒』ネタバレ解説&考察 | VG+ (バゴプラ)

オプティマス・プライムは何故あそこにいたのか『トランスフォーマー/ビースト覚醒』ネタバレ解説&考察

(c)2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.(c)2023 HASBRO

2024年4月4日(木)よりNetflixにて配信開始

マイケル・ベイ監督の長編デビュー作『バッドボーイズ』(1995)を見て「自分も有色人種のかっこいいヒーローを撮りたい」と思い、映画業界を志したスティーヴン・ケイプル・Jr監督。そのようなスティーヴン・ケイプル・Jr監督がメガホンを取った実写映画「トランスフォーマー」シリーズのリブート最新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』が2024年4月4日(木)よりNetflixにて配信開始される。

スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督らが生み出した映画『トランスフォーマー』(2007)から『トランスフォーマー/最後の騎士王』までの5作品からなるユニバース、通称“ベイバース”よりも、トラヴィス・ナイト監督作『バンブルビー』(2019)以降のリブート作品は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』(1985-1986)など最初のアニメシリーズのジェネレーション1、通称“G1”を強く意識したリブートとなっている。

更に『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は“G1”の最期の系譜にあたる『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』(1997-1998)の影響を強く受けている。これはスティーヴン・ケイプル・Jr監督とノア・ディアスを演じる主演のアンソニー・ラモスが『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』直撃世代であることも大きい。

そのような“G1”へのリスペクトに満ちた『トランスフォーマー/ビースト覚醒』だが、本記事では冒頭のオプティマス・プライムの場面に注目し、解説と考察をしていこう。なお、本記事は『トランスフォーマー/ビースト覚醒』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の内容に関するネタバレを含みます。

何故オプティマス・プライムはあのような場所にいたのか

“ヴィラン”との戦い

ドミニク・フィッシュバック演じるエレーナ・ウォレスがトランスワープキーを解析し、その結果、トランスフォーマーたちが感知できるエネルギー波が解き放たれたとき、オプティマス・プライムはバスの停車場にいる。何故バスの停車場にいたのかというと、その直前までバスに変形するディセプティコンの追跡者トランジットと戦っていたからだ。この映像はすべてカットされ、IGNより公式動画として公開されている。

トランジットとオプティマス・プライムとの戦いではバスを実際に破壊するなど、スティーヴン・ケイプル・Jr監督が敬愛し、今回助言を受けたマイケル・ベイ監督のような派手なカーアクションとSFXが存在していた。倒されたトランジットからオプティマス・プライムは母星サイバトロンへ帰還できる宇宙船は無いかと問うが、トランジットは宇宙船は既に破壊し、自分はオートボット追跡のためだけの存在だと明かす。

そして、オプティマス・プライムはトランジットの死体をハドソン川に遺棄。そこには何十体というディセプティコンの死体が沈んでおり、オプティマス・プライムは地球で足止めを食らっている7年間、ディセプティコンを倒し続けていたことが明らかになるという展開が計画されており、7割ほど完成していたという。しかし、これらの戦闘場面は最初の試写会で暗すぎるという理由からカットされてしまったとされる。

また、当初公式ホームページ上にはトランジットもヴィランとして名前が載っていたが、それも削除された。この点も考えるとテラーコンとディセプティコンという2つの敵の勢力の存在が観客を混乱させると判断されたのかもしれない。だが、トランジットを演じていた声優のジョン・ディマジオの名前はエンドロールに載っているため、映画世界にトランジットは存在こそしていると考えられる。イースターエッグとしてトランジットのボディに舞台設定の1994年に公開された『ビバリーヒルズ・コップ3』の広告が掲載されている。

この“ヴィラン”はいったい何者なのか

トランジットはIDW社版コミックに登場したディセプティコンで、ロンドンに潜伏していた。姿は動物のサイに似ており、二階建てバスに変形し、中に人間が乗り込んでくると変形して人間たちがパニックになる様子を見て悦ぶ性格の持ち主とされる。『トランスフォーマー/ビースト覚醒』でのトランジットのデザインがIDW社版コミックのデザインとことなっていたのは、マクシマルに動物のサイに変身するライノックスが存在していたため、被らないようにしたためだと考えられる。

また、当初の『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の公式サイトではトランジットはテラーコンに表記されていたため、それも混乱を招いた。そのことからも、トランジットとオプティマス・プライムの戦闘場面は撮影され、VFXも製作されたがすべてカットされた要因になったと考えられる。しかし、登場場面が削除されたとはいえ、デザインも起こされ、声優による演技も収録されていることから商品化などの可能性は高い。今後の『トランスフォーマー/ビースト覚醒』とトランジットに注目していきたい。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は2023年8月4日(金)より全国公開。

映画『トランスフォーマー /ビースト覚醒』公式サイト

『トランスフォーマー /ビースト覚醒』のラストシーンの解説&考察記事はこちらから。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』で描かれた人種問題についてはこちらから。

『トランスフォーマー /ビースト覚醒』予告映像の第2弾はこちらから。

中島健人と仲里依紗による吹替声優決定に関する記事はこちらから。

オリエンタルラジオ藤森慎吾ら追加の吹替声優決定に関する記事はこちらから。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の解禁された本編映像に関する記事はこちらから。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の解禁されたインタビュー映像に関する記事はこちらから。

『トランスフォーマー /ビースト覚醒』の下敷きとなった『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』のキャラクター紹介記事はこちらから。

『バンブルビー』振り返り記事はこちらから。

 

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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