劉慈欣 原作の映画『超新星紀元』製作がスタート 『三体』プロデューサーが監督に | VG+ (バゴプラ)

劉慈欣 原作の映画『超新星紀元』製作がスタート 『三体』プロデューサーが監督に

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劉慈欣の小説がまたもや映像化

中国SFの金字塔『三体』の著者である劉慈欣 (リュウ・ジキン/リウ・ツーシン) の小説がまたもや映像化される。今回映画化されることが決定したのは劉慈欣が2003年に発表した『超新星紀元 (超新星纪元, 英題: The Era of Supernova)』。『超新星紀元』は2016年ごろから映画化の話が出ていたが、今回8月23日(金) に北京で映画の製作発表記者会見が開催された。

映画『三体』監督が指揮

今回、『超新星紀元』の映画化プロジェクトが実際に動き出すことが明らかになり、1981年生まれの孔二狗が監督および脚本を担当することが分かった。孔二狗は、公開に至らなかった映画版『三体』のプロデューサーを務めた人物でもある。映画版『三体』は様々な事情で公開に至っていないが、孔二狗にとっては劉慈欣作品への “リベンジ” ということになりそうだ。

また、映画『流転の地球』でエンジニアの李一一役で出演した张亦驰が『超新星紀元』にも出演することがも明らかに。映画『超新星紀元』は、2021年ごろの公開となる予定だ。

壮大なスケールの『超新星紀元』

気になる『超新星紀元』の原作での設定はこうだ——地球から8光年離れた位置にある星が超新星爆発を起こし、地球に致死量の放射線を浴びせかける。この超新星爆発により、1年以内に地球の13歳以上の人々が全員死滅することが決定的となる。親世代の人間たちは子ども達に教訓を伝えようとするが、最後の世代は、暗い側面を持つ人類の遺産を引き継ぐのか——劉慈欣らしく、人間的なテーマを壮大なスケールで描いたSF大作だ。一体どのようなストーリーで実写映画化されることになるのだろうか。

4作目の映像化

2019年2月には、劉慈欣原作の短編小説「さまよえる地球」を実写映画化した『流転の地球』が中国映画史上ナンバー2の歴史的ヒットを記録している。2019年は “中国SF元年” とも呼ばれ、6月には劉慈欣が『末日拯救』で初の映画脚本を執筆することも発表されている。また、日本でも異例のヒットを記録している『三体』は、アニメ化およびドラマ化が決定している。順調にいけば、「さまよえる地球」『三体』『末日拯救』『超新星紀元』と、劉慈欣は4作品が映像化されることに。“大劉”の快進撃は、まだまだ止まりそうにない。

『超新星紀元』の原作はKindleでも購入することができる。英語版もTor BooksからKindleおよびハードカバー、ペーパーバックが発売中。

VG+編集部

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