『エターナルズ』ドルイグに注目
2021年11月5日(金) に公開された映画『エターナルズ』は、7,000年前に地球にやってきた不死の種族エターナルズをMCUに紹介した。10人の個性豊かなエターナルズはそれぞれにスーパーパワーだけではない特徴を持つ。
その中でも最も油断ならないメンバーがドルイグである。ドルイグのスーパーパワーはマインドコントロール。使いようによってはエターナルズメンバーの中でも最強の部類に入るが、人類に対してはあまり好意的ではない。同時にエターナルズメンバーとも距離を置いている。
ドルイグとはいったいどのような人物なのか、演じたバリー・コーガンのコメントと共に見てみよう。
「サノスも倒せる」
『エターナルズ』におけるドルイグは、かつて人類との向き合い方をめぐり他のエターナルズメンバーと対立し、現代では孤独に暮らしている。人類を守らなくともマインドコントロールで簡単に操れてしまうが故に、人類の自主性や人類が自律して文明を築いていくことに対して懐疑的なのだ。
演じたバリー・コーガンは、ドルイグのキャラクターについてそれほど多くを語っていない。だが、ドルイグの人間性(?)を象徴するようなコメントも残している。米ComicBookのインタビューに登場したバリー・コーガンは、「ドルイグがサノスと戦うとしたら、どうやって倒しますか?」と聞かれ、こう答えている。
手を使って倒すでしょうね。マインドコントロールは必要ないはずです。ドルイグはとても優秀なボクサーでもありますから。
本気とも冗談とも取れるコメントだが、実はバリー・コーガンは、『エターナルズ』で撮影した多くのアクションシーンが本編ではカットされていることを英The Big Reviewskのインタビューで明かしている。
重要なのはここからだ。ComicBookのインタビュアーは「アントマンは(小さい状態で)サノスの中に入って巨大化すればサノスを倒すことができますが、アントマンはやりたがらないでしょう。でもドルイグならやるのでは?」と質問。ドルイグがサノスと対峙しても躊躇なくマインドコントロールを使って倒すのではと問いかける。これに対し、バリー・コーガンは「全くもってその通りです」と返答している。
つまりドルイグは物理的にサノスを倒せるというだけでなく、セレスティアルズによる掟がなければ容赦なくサノスを倒していたというのだ。ドルイグという人物がいかに迷いなく目的を達成する人物かということが分かる。
なお、このインタビューでは、バリー・コーガンはMCUで共演したいキャラクターとして、「ロキとソー」を挙げている。ソーはマインドコントロールできそうだが、いたずらの神様であるロキはどうだろうか。将来的なクロスオーバーに期待したい。
ありのままであること
バリー・コーガンは1992年にアイルランドのダブリンで生まれた。いわゆるアイリッシュ・イングリッシュと呼ばれる独特のアクセントがある英語を使う。多様なエターナルズのメンバーの中で、バリー・コーガンがアイリッシュのアクセントを有りのまま使って演じていることは、アイリッシュの人々の間では注目を集めている。
バリー・コーガンは、英I Think That’s Dopeのインタビューで、ドルイグの演じ方について以下のように話している。
少し自分らしさを残すことにしました。この映画は多様で、アイデンティティが大きなテーマになっています。それにより、自分のままで演じることができたんです。リラックスして自分らしくね。
耳が聞こえないローレン・リドロフが同じ特徴を持つマッカリを演じたように、バリー・コーガンも自分らしさを残したままドルイグを演じていたのだ。作品自体に多様性が担保されているが故に、バリー・コーガン自身も有りのままで演じることができたのだろう。
なお、ローレン・リドロフは2022年3月米公開を予定しているDC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』にも、スタンリー・メルケル役で出演する。こちらも要注目だ。
ドルイグの能力、原作では?
映画『エターナルズ』におけるドルイグのスーパーパワーは、マインドコントロール。他のエターナルズメンバーと同じく宇宙エネルギーを利用して他者の精神を操る。戦闘タイプとサポートタイプに分かれるエターナルズメンバーの中では、サポートタイプに分類される。
原作コミックにおけるドルイグは、実はヴィランとして描かれている。強大な力を手に入れようとしたドルイグはイカリスらと対立することも。コミック版では他のエターナルズに共通するパワーやエネルギー波の射出といった力もある上に、テレポート能力などは格段にレベルが高い。エターナルズの中でも強力なキャラクターの一人なのだ。
映画『エターナルズ』の予告編ではマッカリとのロマンスを示唆する描写も登場するが、ドルイグは敵か味方か。どのような活躍を見せるのだろうか。
なお、『エターナルズ』におけるドルイグの日本語吹き替えは、声優の内山昂輝が演じている。内山昂輝はアニメ『遊☆戯☆王ZEXAL』(2011-2014) の天城カイト役、『ピンポン THE ANIMATION』(2014) のスマイル役、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2018) のベネディクト・ブルー役、『DEVILMAN crybaby』(2018) の不動明役などで知られる。『takt op.Destiny』(2021) では主人公タクトの声を担当している。人気声優である内山昂輝の演技にも注目だ。
映画『エターナルズ』は2021年11月5日(金) より劇場公開。
Source
ComicBook / The Big Reviewsk / I Think That’s Dope
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