『エターナルズ』セルシに注目
2021年11月5日(金)に公開された映画『エターナルズ』は、MCU映画第26作目。『ノマドランド』(2021) で知られるクロエ・ジャオ監督が初めてスーパーヒーロー映画の指揮をとった作品で、音楽を『アイアンマン』(2008)、『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019) のラミン・ジャヴァディが手がけた。
個性豊かな10人のエターナルズを演じた豪華キャストも本作の特徴の一つだ。セナを演じたアンジェリーナ・ジョリーや、ギルガメッシュを演じたマ・ドンソクといったスター俳優たちに囲まれながら、堂々の存在感を示しているのがセルシ役のジェンマ・チャンだ。
映画『エターナルズ』で中心的な役割を果たすセルシは、人間を愛する心優しいエターナルズの一人。ジェンマ・チャンはセルシをどのような人物として演じたのだろうか。ジェンマ・チャンの言葉と共に見てみよう。
「人間の良いところも悪いところも知ってる」
セルシの能力は触れた物質を別の物質に変化させることだ。戦闘系とサポート系に分かれるエターナルズの中ではサポート系に振り分けられるセルシだが、その最大の武器は人類を愛し、希望を抱くその心である。
『エターナルズ』のワールドプレミアに登場したジェンマ・チェンは、セルシという人物について米マーベル公式に以下のように語っている。
セルシはエターナルズの中で最も人類に対して親しみを抱いている人物です。ですから、彼女は少々自由な人なんです。親身になってくれる人であり、楽しむのが好きな人で、行動が読めない人でもあります。彼女を演じるのは楽しかったですよ。
セルシの性格を一言で言い表すのは難しいということだろう。優しい人物でありながら、自分の好奇心に正直な人物でもある。優しい性格と隣り合わせになっている型にハマらない部分がセルシの魅力なのだ。
では、セルシのおおらかさはどこからやってきているのだろうか。ジェンマ・チェンは以下のように話している。
7,000年生きても、彼女にとってはまだまだ学ぶことがあると判明するんです。この映画の難しい点でもありました。7,000年生きて色んなことを見てきて、それでも希望を持っている人物をどうやって演じるかということはね。
セルシは人類の良い面も悪い面も見てきたけれど、この“希望”はどこから来るのでしょうか。それは私たちが——少なくとも私にとっては——探究するべきものです。とても興味深いことだと思いますよ。
7,000年生きていても悟ったような態度を見せるのではなく、なおも学ぼうとする態度がセルシにはあると語っている。また、なぜセルシが希望を持ち続けているのかを探ること自体に意義があるとも話している。『エターナルズ』では、セルシという人物を形成した要素は何なのかという点にも注目だ。
セルシとイカリスの関係は？
また、『エターナルズ』ではセルシとイカリスは元恋人という設定になっている。イカリスはスーパーマンのような力を持つ戦闘タイプのエターナルズで、時にリーダーのエイジャックに代わってリーダーシップを発揮することもある。タイプの異なる二人の関係について、ジェンマ・チェンは以下のように話している。
セルシとイカリスは何千年もの間で、くっついたり離れたりしていました。そういう関係ってよく分かりますよね、二人は一緒に乗り越えていったんです。同時に、二人は永遠のソウルメイトでもあります。二人は全く違う性格で、真逆の魅力を持っています。
『エターナルズ』の中心的な舞台になる現代では、セルシとイカリスは距離を置いている。セルシにはデインという名の人間の恋人もいる。二人の間には何があったのか、地球に危機が迫る一方で、揺れ動く二人の感情にも注目したい。
なお、セルシとイカリスが惹かれ合った理由については両俳優が語っている。詳細はこちらから。
能力、原作では？
先述の通り、セルシの能力は手に触れたものを別の物質に変換してしまう力。予告編では倒れてくるバスを花びらに変えたり、降りかかる岩を小鳥か蝶のような小さな生き物に変える場面が映し出されいてる。逆に柔らかい物質を硬化させることもでき、基本的には防御向きの能力だ。
セルシは原作コミックでも同じ能力を持っているが、コミック版では無機物だけでなく生物まで変化させる力を持っている。また、人類に強い関心を持っているという性格も原作通りだ。一方で、コミック版ではパリピとして描かれており、性的に描かれることが多かった。“昔ながらのアメコミ”という描かれ方だが、映画『エターナルズ』ではそうした側面は取り除かれているように見える。
また、歴史上においてソーやキャプテン・アメリカと共闘していたという設定もある。ワンダやヴィジョン、スターフォックスらと共闘するエピソードも存在する。なお、原作コミックでも恋人はデインである。映画『エターナルズ』では、どのようなエピソードが描かれるのだろうか。
なお、映画『エターナルズ』でセルシの日本語吹き替えを担当するのは声優の恒松あゆみ。『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(2003-2005) の孫役、『機動戦士ガンダム00』(2007-2008) のマリナ・イスマイール役、『機動戦士ガンダムAGE』(2011-2012) のマリナ・アスノ役などで知られる。『パラサイト 半地下の家族』(2019) 日本テレビ版では、富裕層のパク家の母ヨンギョを演じたチョ・ヨジョンの声を担当した。
今回、恒松あゆみがジェンマ・チャンの声を担当するのは初めてとなる。ジェンマ・チャンがミン・エルヴァ役で『キャプテン・マーベル』(2019) に出演した際には日笠陽子が声を担当した。新たに演じる恒松あゆみの演技にも注目しよう。
映画『エターナルズ』は2021年11月5日(金)より劇場公開。
Source
Marvel Entertainment YouTube
ギルガメッシュについて演じたマ・ドンソクが語った内容はこちらから。
エターナルズのリーダー、エイジャックについての解説はこちらから。
アンジェリーナ・ジョリーが演じるセナについての解説はこちらから。
キンゴについての解説はこちらから。
マッカリの紹介はこちらから。
【ネタバレ注意！】『エターナルズ』のエンディングとポストクレジットシーンの解説はこちらから。
