『エターナルズ』セナに注目
2021年11月5日(金) より劇場公開される映画『エターナルズ』は、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』に続くMCU映画最新作。第93回アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む計6部門『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が指揮を執る。2021年最注目映画の一つで、豪華キャストも見どころの一つだ。
個性豊かな出演者たちの中でも、一際注目集めるのはアンジェリーナ・ジョリーだ。『シャン・チー』のトニー・レオンに続き、大物俳優のMCU参戦となる。「トゥームレイダー」や「マレフィセント」といった人気シリーズで知られるアンジェリーナ・ジョリーが、エターナルズの戦士・セナを演じる。アンジェリーナ・ジョリーは、初のMCU作品でセナをどのように演じるのだろうか。今回はアンジェリーナ・ジョリーの言葉と共に、セナの特徴を見ていこう。
「脆くて強い」
戦闘タイプとサポートタイプに分かれるエターナルズの10人の中でも、強力な戦士であり、象徴的な戦闘タイプなのがセナだ。頭に思い浮かべたものをコズミック・エネルギー(宇宙エネルギー)を介して具現化でき、どのような武器でも生成することができる。一方で、クールでなかなか心を開かない性格であり、エターナルズの他のメンバーとも距離を置いている。
邪悪な種族であるディヴィアンズから人類を守る役目を担ったエターナルズだが、セナは戦いに身を置くことを望んでいる。果たして、セナにはどのようなバックグラウンドがあるのか。『エターナルズ』のワールドプレミアに登場したアンジェリーナ・ジョリーは、セナが抱える問題について、米マーベル公式で以下のように話している。
これを話すのは初めてなのですが、彼女はPTSDを抱えていて、少し不安定な状態なんです。非常に悩んでいて、彼女があるべき存在であれるという自信がない。自分が十分に強いと思えておらず、自分の家族を守れるかどうか分からないんです。
強く見えるセナがPTSD(心的外傷後ストレス障がい)を抱えていることを明かしたアンジェリーナ・ジョリー。PTSDとは、戦争や災害、虐待などのトラウマになるような出来事を経験したのちに、生活に支障をもたらすような困難を抱える症状を指す。「不死身の宇宙種族」と呼ばれるエターナルズだが、セナは辛い過去を抱えているようだ。
一方で、アンジェリーナ・ジョリーは、セナと自身の共通点について以下のように話している。
(自分とセナの共通点は)脆さです。そして、脆くありながら強くあっても別にいいんです。それでもやっていけますし、同じ人物が弱くも強くもあり得るんです。
また、キンゴ役を演じたクメイル・ナンジアニは、セナについてこう付け加えている。
私はしっかりアンジーの仕事を見ていました。私はとてもお喋りな人間ですし、演じるキャラもお喋りです。彼女(アンジェリーナ・ジョリー)が創り上げたキャラクターは、身体で表現するんです。私はインスパイアされると同時に恐ろしくも感じました。多くの言葉を使わずに多くのことを語るキャラクターを創り上げたんです。
クメイル・ナンジアニとアンジェリーナ・ジョリーの二人は、キンゴとセナの性格は逆と語っており、故にコンビにすれば良い作品ができるのではないかとも語っている。クメイル・ナンジアニが演じたキンゴについての解説はこちらの記事に詳しい。
ギルガメッシュとの関係に注目
そんなセナがエターナルズの中で唯一心を許しているのがギルガメッシュだ。問題を抱えるセナに唯一寄り添ったのが心優しいギルガメッシュだったからだ。ギルガメッシュはエターナルズで最強とされているが、同時にその優しさが最大の特徴でもある。数世紀にわたる二人の関係は「友情を超えたもの」とギルガメッシュを演じたマ・ドンソクは語っている。
セナは人類を救うことにも乗り気ではない様子だが、無事にエターナルズのメンバーと合流することができるのだろうか。ギルガメッシュはセナにどのように寄り添うのか、メンバー間の関係性にも注目しよう。
セナの能力、原作では?
先述の通り、セナの能力はどんな武器でも作り出せること。それに加えて、作り出した武器を駆使して戦う技術もその特徴の一つだ。原作コミックでサムライとして日本に定住したキンゴに対し、セナは古代ギリシャのオリンピアを拠点にした人物。ゆえにギリシャ神話との縁が深いキャラクターになっている。
コミックでは元はアズラという名前だったが、ギリシャ神話の女神であるアテナの名前に寄せるためにセナ(テーナ)に改名。神々との条約を結び、エターナルズが神に代わって地球で活動することを約束している。
原作ではデヴィアンツのメンバーの一人と恋に落ちる展開も。そして、セナにはドナルドとデボラという名前の双子の子どもがいる。“双子の子ども”という設定はワンダ・マキシモフを想起させるが、映画『エターナルズ』ではこの辺りの設定が登場するのかどうかにも注目しよう。
なお、『エターナルズ』でセナの日本語吹き替えを担当するのは、声優の深見梨加。これまで長年にわたってアンジェリーナ・ジョリーの吹き替えを担当してきた。他にもジュリア・ロバーツやハル・ベリー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズらの声を担当している。アニメ作品では、『美少女戦士セーラームーン』(1992-1997) のセーラーヴィーナスこと愛野美奈子役などで知られる。深見梨加が新たに演じるMCUのアンジェリーナ・ジョリーの演技にも期待しよう。
映画『エターナルズ』は2021年11月5日(金) より劇場公開。
Source
Marvel Entertainment YouTube
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