『エターナルズ』キンゴはどんな人?「不安がない人」演じたクメイル・ナンジアニが語る 能力・原作は? | VG+ (バゴプラ)

『エターナルズ』キンゴはどんな人?「不安がない人」演じたクメイル・ナンジアニが語る 能力・原作は?

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『エターナルズ』キンゴに注目

2021年11月5日(金) より劇場公開される映画『エターナルズ』は、MCU26作目にあたるマーベル映画最新作。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズにも登場した宇宙の上位存在・セレスティアルズによって生み出された不死身の宇宙種族・エターナルズの戦いを描く。

7,000年にわたり地球の人類を密かに見守ってきたエターナルズは、多様な10人のメンバーによって構成される。地球に危機が迫る中、バラバラになっているエターナルズは再集結を目指す。それぞれの道を生きるエターナルズは、団結して強大な敵に打ち克つことができるのだろうか。

個性豊かなエターナルズのメンバーでも、予告編や公開前のレビューで注目を集めているのは、クメイル・ナンジアニが演じたキンゴだ。明るいキャラクターのキンゴは、MCUの新たなコミックリリーフ(緊張を緩和するユニークなキャラクター)として期待されている。一方で、世間に注目されるボリウッドのスターとして生きるなど、独自の道を行くエターナルズメンバーの一人だ。

今回はそのキャラクター魅力と能力を、キンゴを演じたクメイル・ナンジアニの言葉と共に見ていこう。

なぜボリウッドスターに?

クメイル・ナンジアニはパキスタン生まれの俳優。18歳からアメリカで暮らしている。MCUでは初の南アジア出身の主演俳優となり、演じるキンゴも同じ南アジアのインドでボリウッドスターとして活動しているという設定だ。

なぜキンゴは映画スターになったのだろうか。米人気トーク番組のThe Tonight Showに出演したクメイル・ナンジアニは、キンゴという人物について以下のように話している。

エターナルズはディヴィアンツと呼ばれる怪物と戦うために7,000年地球にいます。私たちは隠れて、目立たないように過ごさなければいけないのですが、私のキャラクターはボリウッドの映画スターになりました。(「真逆ですね(笑)」と言われ)そうですね(笑)

でも多くのスーパーヒーローは力と大きな責任を背負っています。この人物はそれが好きなんです。スーパーヒーローであることや、力を持つことが、ボリウッドのスターであることが大好きなんです。

スーパーヒーローといえど、皆が皆、その力を重大に捉えて生きていくわけではない。自分に授けられた力をポジティブに捉えているのがキンゴという人物なのだ。なお、マーベル公式では、キンゴは地球上の数千年の歴史を見てきた経験を、ボリウッドの演技に生かしていることが紹介されている。

『エターナルズ』のワールドプレミアで米マーベル公式からインタビューを受けたクメイル・ナンジアニは、以下のようにも話している。

私の場合、ある部分を自分から取り除いただけでした。それは“心配”です。彼は本当に不安がない人なんです。キンゴを演じることはとても簡単で、とても楽しいんですよ。

余計な心配をしないキンゴの性格は、エターナルズにとって吉と出るのか、それとも凶と出るのか……。そして、キンゴは現在持っている富と名声を手放してエターナルズに合流してくれるのだろうか。

クメイル・ナンジアニが演じる意味

南アジア系の俳優として初めてMCUでヒーローを演じることになったクメイル・ナンジアニ。先述のThe Tonight Showでは、オファーを受けた経緯を以下のように語っている。

数週間街を出ていた時に電話を受けたんです。「マーベルが会いたがってる」と。でも私は「どういう意味? マーベルって人じゃないでしょ?」って思って聞くと、「クロエ・ジャオ監督とプロデューサーのネイト・ムーアがあなたに会いたがっている」と言われました。私はクロエ・ジャオが『エターナルズ』を監督することは知っていましたし、彼女の映画の大ファンでした。

でもなぜ私に会いたがっているのか分からなかったんです。なのでミーティングを持ったのですが、クロエは45分かけて映画の全容を話してくれました。45分かけて最初から最後まで教えてくれたんです。それで「どう思う?」と聞かれたので「面白そうだと思います。ぜひ観に行きたいです」って答えたんです。「やるべきです! 大儲けできますよ」ってね。

まさか自分にマーベルからのオファーがかかっているとは思わず、純粋に感想を伝えたというクメイル・ナンジアニ。クロエ・ジャオ監督から「そうじゃなくて、出演したいですか?」と聞かれ、「お金を払ってでも出たい」と即答したのだという。

エターナルズのリーダーであるエイジャックを演じたサルマ・ハエックもまた、オファーが来た時には「伝統的なお祖母さん」のような役だと思っていたと話している。メキシコ生まれで、公開時には55歳を迎えるサルマ・ハエックにスーパーヒーローの役が回ってくるとは想像していなかったのだ。こちらのエピソードの詳細はこちらの記事に詳しい。

『エターナルズ』が示す本当の世界

クメイル・ナンジアニは面白おかしく話しているが、自分にオファーが来るとは思えないほどに、これまで南アジア系の主人公ヒーローが一般的ではなかったということだ。『エターナルズ』は白人男性中心だったスーパーヒーロー映画の世界に新しい流れをもたらしている。

先述のワールドプレミアでは、エターナルズのメンバーであるセナ役を演じたアンジェリーナ・ジョリーが、エターナルズの最も特徴的なテーマを「ファミリー」と話している。これに呼応して、キンゴ役のクメイル・ナンジアニは以下のように付け加えている。

それに私たちはグローバルなファミリーです。この世界と同じようにね。とても長い間、スーパーヒーローは世界の非常に少ないパーセンテージを映し出しているだけでした。このスーパーヒーローチーム(エターナルズ)は本当の世界のようなんです。

この一年半、私たちは皆が同じ地球上に生きているということを学びました。同じ問題を共有しており、国境は重要な問題ではありません。国境は、私たちに共通していることほど重要ではないのです。そして『エターナルズ』は、それをよく捉えています。

世界には多種多様な人々が暮らしているはずだが、これまでの歴史では白人男性ばかりがスーパーヒーローに選ばれていた。『エターナルズ』では、より広い“世界”を映し出した物語が語られることになりそうだ。

キンゴの能力、原作では?

なお、そのキャラクターに注目が集まるキンゴだが、もちろんスーパーパワーも見逃せない。エターナルズのメンバーは戦闘タイプとサポートタイプに分かれているが、キンゴは戦闘タイプだ。指先から宇宙エネルギーを放つことができ、予告映像でも一撃で巨大なデヴィアンズを退けている姿が映し出されている。

意外と強力な力を持つキンゴだが、実は原作コミックでは日本と縁の深いキャラクターである。戦国時代には日本でサムライとして活動し、現代ではその経験を生かして時代劇の映画スターとして活動しているという設定だった。つまり、コミック版で日本の映画スターだったキンゴを、映画版ではボリウッドの映画スターとして描いているのだ。

現代においては時代劇のスター俳優よりもボリウッドのスター俳優の方が名声を得ているため、致し方ない設定改変のように思える。映画『エターナルズ』では設定をボリウッドに変更したことで、ダンスも見どころの一つになっている。こちらの完成度にも、期待しよう。

なお、映画『エターナルズ』では、キンゴの日本語吹き替えを杉田智和が担当する。『銀魂』(2006-2018) の坂田銀時役、「メタルギア ソリッド」のカズヒラ・ミラー役などで知られる杉田智和の演技にも注目だ。

映画『エターナルズ』は2021年11月5日(金)より劇場公開。

『エターナルズ』公式サイト

Source
Marvel Entertainment YouTube / The Tonight Show Starring Jimmy Fallon

エターナルズの中心人物であるセルシについての解説はこちらから。

エターナルズで“最強”とされるギルガメッシュについて、演じたマ・ドンソクが語った内容はこちらから。

エターナルズのリーダー、エイジャックについての解説はこちらから。

強力な戦士の一人でアンジェリーナ・ジョリーが演じるセナについての解説はこちらから。

 

映画『エターナルズ』の本編予告とその解説&考察はこちらの記事で。

『エターナルズ』製作陣とキャストが語った作品の魅力はこちらの記事で。

 

2021年11月24日(水) にはMCUドラマ『ホークアイ』の第1話と第2話が同時に配信される。詳細はこちらから。

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