映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開
MCU映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が2025年2月14日(金) より日米で同時公開を迎えた。サム・ウィルソンが初めて主人公となる映画作品で、新たなキャプテン・アメリカの戦いが描かれる。
ハリソン・フォード演じるレッドハルク/サディアス・ロスも話題になったが、一方でジャンカルロ・エスポジートが演じる新キャラクターにも注目が集まった。今回は、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のヴィランの一人であるサイドワインダーについて解説&考察していこう。
なお、以下の内容は本編のネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』サイドワインダーはどうなった?
サイドワインダーが率いるサーペント・ソサエティ
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、サディアス・ロスが大統領に就任した5ヶ月後、メキシコでサーペントという集団がアダマンチウムの不正取引を行う場面から幕を開ける。この売買取引を止めるべくキャプテン・アメリカとファルコンが送り込まれる。
サーペントを率いるのはジャンカルロ・エスポジート演じるサイドワインダーことセス・ヴォルカーで、取引の場所となった教会の神父をナイフで切りつけるなど、序盤からその非道さが描かれていた。
サーペント・ソサエティは原作コミックでもサイドワインダーが率いるヴィランチームで、サイドワインダーを含むメンバーの名前には蛇の名前が付けられている。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のサーペントのメンバーとして、ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン演じるコッパーヘッド(アメリカマムシ)も登場している(サムが最初に1対1で戦う相手だ)。
映画の公開前には、ドラマ『ルーク・ケイジ』(2016-2018) で既に登場していたダイアモンドバックやブッシュマスターが新たに登場するとも報じられていた。この二人も原作ではサーペント・ソサエティのメンバーだ。しかし、この二人は最終的に本編からはカットされたようだ。
“動ける”ヴィラン
最初の戦いではサイドワインダーはコッパーヘッドを身代わりにして逃走。キャプテン・アメリカとファルコンはアダマンチウムの奪取に成功する。取引の買い手は現れなかったが、この取引はサミュエル・スターンズが仕組んだものであり、サムのキャップがアダマンチウムを奪取するのはシナリオ通りだったのだ。
その後、スターンズから送り込まれたサイドワインダーは、盾とスーツを持っていないサムを襲撃。サイドワインダーはスターンズからサムの行動についても助言を受けていた。このシーンのサイドワインダーのガンアクションは見事だ。
サイドワインダーを演じたジャンカルロ・エスポジートといえば、ドラマ『ブレイキング・バット』(2008-2013) のガス、『ザ・ボーイズ』(2019-) のスタン・エドガー、『マンダロリアン』(2019-) のモフ・ギデオンといった悪役の印象が強い。そんな中でも今回は特に“動ける”フィジカルなヴィランを演じていた姿が印象的だった。
そんなサイドワインダーに、生身のキャプテン・アメリカはバッテリーをショートさせて煙を上げるといった知的な作戦でサイドワインダーを倒してみせる。そして、サイドワインダーが再登場するのはサムがスターンズの錠剤を手に入れて、信頼できる軍のメンバーを訪ねたときだ。
サイドワインダーの目的とは
意外な裏設定
サムはサイドワインダーと面会し、スターンズの目的や、これまでスターンズが陸軍の新兵器開発などを通してロスを支援してきたことを聞く。プロデューサーのネイト・ムーアがアラブメディアのThe Nationalに語ったところによると、実はサイドワインダーは追加撮影から追加されたキャラクターだという。
サイドワインダーが追加された理由は、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』をより地に足のついた作品にするためとされている。その言葉通り、サイドワインダーはサムに重要な情報を与えつつ、ここまでの経緯を全て整理する役割も果たしている。
このシーンでサイドワインダーは『インクレディブル・ハルク』の後、ハーレムの瓦礫の中からスターンズを発見したのはかつての自分の部隊だったと明かしている。この発言から、サイドワインダーはかつて米政府の組織で働いており、部隊長以上のクラスの人間だったことが予想できる。
ちなみにMCUのサイドワインダーは科学にも長けているという設定になっている。米Colliderによると、ジャンカルロ・エスポジートはファンエクスポ・シカゴのイベントでサイドワインダーを「科学者」と紹介したという。
アレンウッド行きの意味
サイドワインダーはサムへの情報提供の見返りに、「アレンウッド行き」の約束を取り付けている。アレンウッドの刑務所に収監されることを望んだのだ。しかし、サイドワインダーはいずれ刑務所を出てサムを追うと宣言している。アレンウッドの刑務所なら脱獄できるという算段があるのだろうか。
公式パンフレットでは、ジャンカルロ・エスポジートはサイドワインダーが求めるものを「パワー」と語っている。「ヴィランとは力を追い求めるもの」というMCUのヴィランの基準にピッタリ当てはまる人物だ。
しかし、最後にはサイドワインダーの標的はサムに移り変わったように思える。自尊心も高いサイドワインダーは、倒せなかった相手としてサムに固執することになるのかもしれない。サイドワインダーは本作で退場とならなかったということは、今後もキャプテン・アメリカの敵として登場することになるのだろう。
2024年5月には、ジャンカルロ・エスポジートは自分のキャラクターのドラマが制作されると発言したと米Colliderが報じたこともある。本気だったのかどうかは分からないが、サイドワインダーが魅力的なキャラクターであることは確かだ。
原作コミックの設定は?
原作コミックのサイドワインダーは、先述の通りサーペント・ソサエティを率いるリーダーだ。元々はセス・ヴォルカーという名の経済学の教授だったが、職を失いロクソン・オイル社に経済アナリストとして雇われた。
セス・ヴォルカーは手術を受けてテレポートの力を手に入れると、サイドワインダー(毒蛇の意)として犯罪に手を染めることになる。そして、「大蛇」という意味の「サーペント」を冠したサーペント・ソサエティというヴィランチームを組織することになる。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のサイドワインダーは原作よりもかなり地に足のついた設定になっている。その見た目もエリマキのついたトカゲ怪人のような姿から現実的な姿に変わっている。ただし、エリマキ部分の黄色は映画版のジャケットの襟に取り入れられている。
今後サイドワインダーがMCUで再登場するとすれば、原作のように再びサーペント・ソサエティを率いることになるだろう。もしかすると、MCUに合流した『ルーク・ケイジ』の物語と繋がり、新バージョンのダイアモンドバックやブッシュマスターを率いる展開もあり得るかもしれない。
ドラマ『ザ・ボーイズ』がフィナーレを迎える中、サイドワインダーがジャンカルロ・エスポジートの新たな代表キャラとなることに期待しよう。
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2025年2月14日(金) より公開中。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』オリジナルサウンドトラックは発売中。
ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のBlu-rayは、4K UHD コレクターズ・エディション スチールブックが発売中。
Source
The National / Collider 1 / Collider 2
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