映画『ハーレイ・クイン』が米公開
2020年2月7日(金)、映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が全米で公開。公開最初の週末は興行的に苦戦を強いられているとの報も届いているが、鑑賞した人の評判は上々で、今後口コミで興行成績を伸ばしていくとの見方もある。日本では3月20日(金)に公開を控えており、DCコミックス初の女性ヴィラン主演映画に期待が高まる。
映画『ハーレイ・クイン』で主演を務めるのは『スーサイド・スクワッド』(2016)でもハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビー。『ハーレイ・クイン』の企画は、2015年にマーゴット・ロビーがワーナー・ブラザースに製作を打診して実現したもの。このため、マーゴット・ロビーは同作のプロデューサーとして名前を連ねている。
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— Birds of Prey (@birdsofpreywb) February 8, 2020
ワーナーの関心は“ジョーカー”
マーゴット・ロビーは、映画『ハーレイ・クイン』の製作にあたっていくつかの要望を出していた。監督に女性を起用することも、マーゴット・ロビーによる要望の一つだ。マーゴット・ロビーは、ハーレイ・クインを中心に、女性たちの物語を作り出すことを望んでいた。
だが、ワーナー・ブラザースの当初の関心は、あくまで“ジョーカー”だったのだという。2019年10月にはホアキン・フェニックス主演の映画『ジョーカー』が公開され、興行収入は10億ドル(約1,100億円)を突破、アカデミー賞11部門ノミネートを達成した。ワーナー・ブラザースにとっては、圧倒的な強さを誇るコンテンツだ。『ハーレイ・クイン』は『スーサイド・スクワッド』からのスピンオフ企画ということもあり、会社にとってはジョーカー関連映画を製作できるチャンスでもあった。
「物語にどれくらいジョーカーが関わるか」というワーナーの関心に対し、マーゴット・ロビーの答えは一つだった。
——「全然」。
ジョーカー不在のガールギャング映画を
マーゴット・ロビーは、米ロサンゼルス・タイムズに、「ハーレイは完全にジョーカーに消費されていました」とした上で、以下のように語っている。
両方やるか、全くやらないかの二択でした。ハーレイとジョーカーの映画を撮るか、そうでなければジョーカーは出せませんでした。ジョーカーがそこにいれば、彼がハーレイの唯一の焦点になってしまいます。ジョーカーが参加しないという前提で映画を撮り始めることが、本当に重要でした。
あくまでハーレイ・クインの物語を作るために、マーゴット・ロビーは『ハーレイ・クイン』にジョーカーを参加させないことを選んだのだろうか。2018年5月に遡ると、マーゴット・ロビーは米Colliderに以下のように語っている。
ハーレイを含むガールギャングのR指定映画のアイデアを (ワーナーに) 売り込みました。「ハーレイには仲間が必要だ」と思ったので。ハーレイは他の人と絡むのが大好きなんです。だから、彼女が一人で目立つような映画は嫌でした。彼女は他の人たちといるべきで、それはガールギャングであるべきでした。ガールギャングの映画ってあまりありませんよね、特にアクション映画では。それ (ガールギャングの映画であること) はとても大切な要素でした。
映画『ハーレイ・クイン』は「ジョーカーと別れた」という状況から始まるが、作中で描かれるのは、あくまでハーレイ・クインとその仲間たちの活躍だ。ガールギャングのR指定アクション映画は、ハリウッドではこれまでほとんど製作されてこなかった。マーゴット・ロビーが下した“ジョーカーを登場させない”という判断は、今後の映画界の多様性にも影響を与えることになるかもしれない。
また、スーパーヒーロー映画史上初のアジア系女性監督として指揮をとったキャシー・ヤンは、映画『ハーレイ・クイン』でハーレイの目を通して見たゴッサム・シティを描き出しているという。詳しくは以下の記事をチェックしてほしい。
映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は2020年3月20日(金) より日本公開。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Source
Los Angels Times / Collider