『キャプテン・アメリカ:BNW』公開中
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が2025年2月14日(金) より日米で公開され、大きな注目を集めている。「キャプテン・アメリカ」シリーズとしては第4弾、アンソニー・マッキー演じるサム・ウィルソンがキャプテン・アメリカに就任してからは第1弾の「キャプテン・アメリカ」作品となる。
『キャプテン・アメリカ:BNW』を手がけたのは映画『クローバーフィールド・パラドックス』(2018) などで知られるジュリアス・オナー監督。サム・ウィルソンの新たな物語を描いた本作だが、観客が待ち望んだサプライズカメオもあった。
映画公開から1週間が経過し、ジュリアス・オナー監督があの一件の背景について語っている。アノ人は今、どんな状況にあるのだろうか。なお、以下の内容は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の重大なネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『キャプテン・アメリカ:BNW』バッキーの現在は?
サプライズの背景が明らかに
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』にサプライズ登場して観客を驚かせた人物は、セバスチャン・スタン演じるバッキー・バーンズだ。スーツにネクタイという装いで辛い状況にあるサムの前に現れ、助言を与えて去っていく。
バッキーは資金集めのパーティーに行くと言い、後から入ってきたルース・バット=セラフはバッキーを「未来の下院議員」と呼ぶ。かつてスティーブ・ロジャースと第二次世界大戦を戦い、その後、ヒドラに洗脳されてウィンター・ソルジャーとして活動していたバッキーが、今は下院議員を目指しているのだ。
ジュリアス・オナー監督は米Varietyのインタビューで、バッキーが議員を目指しているというアイデアは誰が思いついたのかと聞かれ、こう答えている。
(笑)私はMCUで起きていること全てに通じているわけではないんです。ただ、バッキーが『サンダーボルツ*』に登場することは確かです。これまでの映画作品には、コミックを題材としているものもあります。しかし、MCUは常にサプライズとキャラクターの再定義を試みています。
バッキーも変化を遂げ、私たちが知っているような“ヒドラに支配された暗殺者”というイメージから彼を再定義するという要素もあります。ですから、スタジオはバッキーを意外な形で新しい旅に出すために、楽しくて予想外の方法を追求したのだと思います。そして、最終的にそこに行き着いたんです。
ジュリアス・オナー監督は、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』には“変化”というテーマがあるとも語っている。サディアス・ロスの変化を描くには、17年前の映画『インクレディブル・ハルク』(2008) からの物語を甦らせる必要があった。
一方、長い年月を費やして洗脳から脱し、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) でウィンター・ソルジャーとしての贖罪と向き合ったバッキーには、新しい道が用意されていた。バッキーもまた新たなフェーズに突入したのである。
「ニューヨークの選挙区」から読み取れること
更に、現在のバッキーの状況について、ジュリアス・オナー監督は一つヒントを残している。インタビュアーからの「彼はニューヨークの選挙区に立候補しているのですか?」という質問に、「そう考えていいと思います」と回答しているのだ。
①現在もニューヨークに住んでいる
この回答からバッキーの現在が読み取れる。まず、連邦議会の選挙に出馬するためには、出馬する選挙区が所在する州に住んでいなければならない。バッキーがニューヨークの選挙区から出馬するということは、バッキーは今もニューヨークに住んでいるということである。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』では、バッキーは故郷のブルックリンで暮らしていた。自分が息子を殺めてしまったヨリ老人の隣の部屋を借りていたのだ。
ドラマのラストはヨリ老人に真実を告げ、住まいを離れたとも捉えられる演出になっていた。その後、バッキーはサムの故郷のルイジアナを訪れており、ルイジアナに居を移したと考えられなくもない雰囲気のハッピーエンドだった。それが2024年頃のことで、あれから2年以上が経過してもバッキーはニューヨークに住み続けていたようだ。
②民主党候補の可能性
ニューヨークには26の選挙区があり、バッキーの故郷であるブルックリンが含まれる選挙区は第7選挙区から第11選挙区までの5区。人口の変動で区割りが変化している可能性もあるが、いずれにしてもこれらの選挙区では第11区を除く4区で民主党所属議員が議席を確保している(第11区のほとんどはブルックリンの隣で白人が多いスタテンアイランドが占めている)。
映画『サンダーボルツ*』の予告ではバッキーが連邦議員のバッジをつけているという見方も出ている。もしバッキーが故郷のブルックリンから補選に出馬して当選したとすれば、バッキーはブルックリンを牙城とする民主党から出馬した可能性が高い。
余談だが、『キャプテン・アメリカ:BNW』では、サディアス・ロスも勝利宣言の集会で青色を使っていたことから民主党陣営の候補であることを匂わせていた。バッキーが民主党候補で出馬するとして、現役のキャプテン・アメリカであるサム・ウィルソンは公にバッキーを応援するのだろうか。党派性を持たないことがキャップの美学である気もするが、バッキーの当選のお祝いくらいには駆けつけてあげてほしいところだ。
③定年はない(今のところ)
気になるのはバッキーの年齢問題だ。超人血清を打たれ、任務以外の時は冷凍睡眠の状態にあったバッキーは、若く見えるが『ブレイブ・ニュー・ワールド』の時点で110歳を迎えている。アメリカでは2024年6月にノースダコタ州選出の連邦議会議員の定年を80歳とする制度が住民投票によって可決された。
ニューヨークには連邦議員の定年がなく、連邦議会議員には多選制限もないため、バッキーは今後も出馬を続けることができる。だが、バイデン前大統領も高齢が要因の一つで再出馬を断念するなど、高齢の政治家を忌避する感覚は年々高まっている。2025年現在、下院には80歳以上の議員は全体の3%しか存在しない。
バッキーは自分の人生を失った期間もあるし、身体も元気で認知能力に問題もないが、政治の世界でもスーパーヒューマンが有利になるという批判が起き始めると厄介だ。ヒドラに操られていたという背景もあり、バッキーへの世間の風当たりは強そう。バッキーの次のフェーズには世間という敵が待ち受けているのかもしれない。
だとすれば、元キャプテン・アメリカで世間に醜態を晒したジョン・ウォーカーも所属するサンダーボルツは、超人達の名誉挽回のために結成されるチームである可能性もある。超人議員と政府で働く超人達の地位確立もバッキーの仕事の一つなのかもしれない。
バッキーの今後は?
バッキーには下院議員後のキャリアも考えられる。仮にニューヨークから選出される議員にも定年制が導入されれば、バッキーは議員を諦めなければならないが、一方で米国の州知事や大統領は定年を設けられた前例がない。バッキーが首長になる未来もありえるだろう。
2025年3月5日(水) に配信を開始するドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』では、裏社会を牛耳っていたキングピンことウィルソン・フィスクがニューヨーク市長に就任している。大統領、州知事、市長、いずれも2期8年という任期の制限はあるが、バッキー州知事 vs キングピン市長の展開も見てみたいかも。
常に変化し続けるバッキーという人物。今ではサムを支えられるようにな人間になったが、今後はより多くの人々を支えていく存在になるのだろうか。まだまだバッキーから目が離せない。
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2025年2月14日(金) より公開中。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』オリジナルサウンドトラックは発売中。
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