『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開
2025年2月14日(金) より、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が日米で同時公開された。米国では公開初日に興行収入4,000万ドル(約61億円)を記録する好スタートを切っている。
アンソニー・マッキーが演じるサム・ウィルソンのキャプテン・アメリカが主人公になる初の作品で、「キャプテン・アメリカ」シリーズとしては第4作目という本作。MCUでも異色の作品であり、主要なヒーローの“継承”が成功するかどうかはフランチャイズにとっても重要になる。
気になるのは、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』に続く続編があるのかどうかという点だ。三作品が制作されたスティーブ・ロジャースのキャプテン・アメリカのように長期的なシリーズになるのか、主演のアンソニー・マッキーはどう考えているのだろうか。
以下の内容は、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の結末に関するネタバレを含みます。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』続編はある?
「アベンジャーズ」へ繋げたラスト
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、映画『アベンジャーズ:ドゥームスデイ(原題)』と『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』へと続いていくことが示唆された。サム・ウィルソンはアベンジャーズ再建に意欲を見せ、スターンズは別の世界のヒーローの到来を予見したからだ。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のラストでは、サム・ウィルソンは「世界はアベンジャーズを必要としている」と発言。アベンジャーズの再結成へ向けて動き出すことを示唆した。
映画『アベンジャーズ:ドゥームスデイ』までに公開される映画は、『サンダーボルツ*』と『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』しかない。そのため、おそらくアベンジャーズの再結成は『アベンジャーズ:ドゥームスデイ』で描かれると予想できる。
さらにポストクレジットシーンでは、ラフト刑務所に収監されたサミュエル・スターンズが「別の世界を守ろうとする存在がいたら?」「その存在がこっちにやってくるとしたら?」と、マルチバースのヒーローが衝突する未来を予見した。原作コミックの「シークレット・ウォーズ」ではマルチバースのヒーロー同士の戦いが描かれているため、映画『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』でも似た展開が待っていることが示唆されたということだ。
過去のシリーズを見ても、初代キャプテン・アメリカの映画デビュー作品『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011) は、翌年公開された『アベンジャーズ』へと続いた。2作目の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014) の翌年にも『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が公開され、3作目の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) の物語に種を蒔いた。
つまり、これまでの「キャプテン・アメリカ」作品は常に「アベンジャーズ」を挟んで公開されてきたということだ。前の三部作は、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースとウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズ の関係を中心に置いたシリーズで、アベンジャーズの物語を進めながら、政府と対立していくキャップ、そしてバッキーの解放を描いたところで、その役割を終えた。
アンソニー・マッキーが語った“10年計画”
60歳までに退く
では、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で幕を開けたサムの「キャプテン・アメリカ」シリーズも、「アベンジャーズ」作品を挟みながら続編を重ねていくのだろうか。米ScreenRantのインタビューに応じたアンソニー・マッキーは、自身が考える今後のキャプテン・アメリカのプランについて語っている。
10年はキャプテン・アメリカを演じたいと表明していたアンソニー・マッキーは、2021年のドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』はその10年に含まれるのかと問われ、以下のように答えている。
いえいえ、その10年間というのは(2月)14日から始まります。そういうことです。14日からの10年間です。60歳になってキャプテン・アメリカをやるつもりはありません。辛いでしょうから。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開時点で、アンソニー・マッキーは46歳。つまり10年キャップを務めれば56歳になる。それ以上続ければ還暦越えのキャプテン・アメリカが誕生するが、アンソニー・マッキーはそれを望んでいないようだ。
さらに、インタビュアーからクリス・エヴァンスのように三部作をやりたいか、それともまた配信の作品をやりたいかと聞かれたアンソニー・マッキーは以下のように答えている。
キャプテン・アメリカには何か特別なものがあるのだと思います。人々は今までの映画の持つ雰囲気やアティチュード、リアルさや地に足のついた感覚を愛しているのだと。映画作品というベースの上でこそ、それらの要素は機能するのだと思います。キャプテン・アメリカはスクリーンの中で輝く存在であり、人々は彼を大きなスクリーンに見たいと望んでいるのでしょう。
アンソニー・マッキーは三部作についての回答は避けながらも、キャプテン・アメリカを映画でこそ輝く存在として、今後も映画作品で活躍を見せることに期待を寄せている。先の「10年間」発言も合わせて、サムのキャプテン・アメリカもまだまだ作品が作られていくと考えてよいだろう。
10年でどこまで出来る?
だが、実際に10年というとどれくらいの期間なのだろうか。アンソニー・マッキー演じるサム・ウィルソンが『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で初めて登場したのが2014年、今から11年前のことだ。あれから10年かけてサムはキャプテン・アメリカになったのだ。
「キャプテン・アメリカ」シリーズが2011年に幕を開けてから10年後の2021年にドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』が配信された。その間にスティーブ・ロジャースが登場する「キャプテン・アメリカ」3作、「アベンジャーズ」4作が公開されている。
サムのキャプテン・アメリカは、すでに「キャプテン・アメリカ」1作が公開され、「アベンジャーズ」2作の公開が決まっている。2027年5月に全米公開される『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』の後、7年の間に「キャプテン・アメリカ」2作と「アベンジャーズ」2作が公開される可能性は十二分にある。
懸念も…
懸念があるとすれば、やはり『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』のような大イベントで、アベンジャーズの中心人物になるであろうサムが犠牲にならないかということだ。トニー・スタークやナターシャ・ロマノフの前例があるだけに心配なところだ。
新しい「キャプテン・アメリカ」がシリーズとしてヒットを続けられるかどうかもハードルになる。すでにアンソニー・マッキーはハリウッドでも大物俳優となっており、出演料も上がり続けていくだろう。
出演料が高いベテラン俳優のキャラが死に、若手俳優のキャラが中心になるというのは、ハリウッドのシリーズものでは鉄板のやり方だ。「X-MEN」シリーズでは、主要キャラの若き日を描くという形でキャストの若返りを成功させたことも記憶に新しい。
それもこれもまずは『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のヒットにかかっている部分も大きいはず。サムの次の10年に期待して劇場に足を運ぼう。
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2025年2月14日(金) より公開中。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』オリジナルサウンドトラックは発売中。
ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のBlu-rayは、4K UHD コレクターズ・エディション スチールブックが発売中。
Source
ScreenRant
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