『第3回世界SF作家会議』がYouTubeで公開——2121年の世界を新井素子、冲方丁、陳楸帆、樋口恭介が語る。劉慈欣、キム・チョヨプ、ケン・リュウもVTR出演 | VG+ (バゴプラ)

『第3回世界SF作家会議』がYouTubeで公開——2121年の世界を新井素子、冲方丁、陳楸帆、樋口恭介が語る。劉慈欣、キム・チョヨプ、ケン・リュウもVTR出演

『第3回世界SF作家会議』配信開始

2021年2月23日(火) 深夜、フジテレビで『第3回 世界SF作家会議 “2121年、世界は……”』が放送され、同日28時よりYouTubeで「オリジナル版」が配信された。「世界SF作家会議」は2020年7月に第1回、2021年1月に第2回を放送。今回が第3回目になる。

第3回目はこれまでと同じく司会をいとうせいこう、顧問を大森望が務めた。過去に同番組に出演してきた新井素子、冲方丁に加えて、今回は樋口恭介と上海から陳楸帆 (チェン・チウファン) が初登場。新型コロナウイルス感染症との戦いが長期化する中、より大きな視野で100年後の未来についてSF作家たちが語っている。今回のテーマ設定について、大森望は「SF的な想像力と一般の人達の想像力とが交わる場所が100年後」と解説した。

 

2121年は……

#2の動画では2121年の青写真をそれぞれの作家が解説。第1回と第2回に引き続き『三体』の劉慈欣が、第2回に引き続いてキム・チョヨプとケン・リュウもVTRで出演し、「100年後の未来」について語った。キム・チョヨプと劉慈欣は共に人間と機械が融合した「人間自身の変化」について語り、ケン・リュウは未来予測についての“人類の習性”を語っている。

ケン・リュウは2019年に「なぜSFは現実にならないのか」というテーマで語った講演が話題になったこともある。

犬か猫か?

#3では、「地球脱出時に連れていくなら、犬か猫か?」をテーマに猫SFと犬SFを紹介しながら議論が交わされている。冲方丁は「低重力下では虎になる」と考察し、劉慈欣は「孤独を耐え抜くには人類の壮大な文化遺産が必要」、ケン・リュウは「カメ」と意外な答えを提示する。

大橋裕之の描き下ろし漫画を公開

番組の挿絵は今回も森泉岳土が担当。漫画は「100年後の世界」をテーマに大橋裕之が描き下ろした作品が公開されている。今回声優を務めたのはオシリペンペンズの石井モタコとトリプルファイヤーの吉田靖直。

映画監督・黒沢清も登場

また、〈特別映像〉には映画監督・黒沢清が登場。「黒沢清が語る“やくしまるえつこ『わたしは人類”」が公開されている。

エンディングは小松左京の言葉

#6の「エンディング」では、第1回と第2回につづき、小松左京『復活の日』から、「貧困と飢餓と迷妄と疫病に対する闘い」と「認識のための闘い」について語られた一節を引用し、閉会が宣言されている。

また、SF作家達の議論をまとめた書籍『世界SF作家会議』が2021年4月に早川書房より刊行される予定であることが発表された。

#7「アフタートーク」では改めてSFによる未来予測について、いとうせいこうと大森望が語っている。

フジテレビ『世界SF作家会議』の模様は、第1回から第3回までYouTube「8.8 チャンネル」で無料公開中。

「8.8 チャンネル」(YouTube)

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