「世界SF作家会議」がYouTubeで公開——新井素子、冲方丁、藤井太洋、小川哲がアフターコロナを語るVG+ (バゴプラ) | VG+ (バゴプラ)

「世界SF作家会議」がYouTubeで公開——新井素子、冲方丁、藤井太洋、小川哲がアフターコロナを語る

株式会社フジテレビジョン

「世界SF作家会議」が配信開始

日本を代表するSF作家陣が集結し、“アフターコロナ”についての知見を共有したフジテレビ「世界SF作家会議」が2020年7月26日(日)の深夜に放送され、同日27時よりYouTube「8.8 チャンネル」にて〈オリジナル版〉の配信を開始した。

「8.8 チャンネル」には計8本の動画が投稿され、会議の全容が公開された。劉慈欣がこの番組のために収録したメッセージや、森泉岳士による書き下ろし漫画、いとうせいこうと大森望によるアフタートークも公開されている。アフターコロナの時代を冷静に分析しつつ、壮大な想像を巡らせる会議の様子は、SFファンでなくとも必見の内容となっている。

SF作家たちが考えるパンデミック

「#1 オープニング〜作家がとらえたコロナ〜パンデミックと小説」では、冒頭、小松左京が実行委員長を務めた「国際SFシンポジウム」が紹介された。「世界SF作家会議」の放送日(7月26日)は、小松左京の命日である。今回の会議では、新井素子、冲方丁、藤井太洋、小川哲と、日本を代表するSF作家4名が集結し、いとうせいこうが司会を、大森望が会議の顧問を務めた。

会議はまず、「SF作家はパンデミックをどうとらえたのか」を議題に、SF作家達が各々の認識を共有。冲方丁は「人類全員が同じ体験をした」、小川哲は「健康を害した人の命と、健康な人の日常をどう両立させるのか」、新井素子は「コロナにかかった人が悪いわけではない」という切り口で語り、藤井太洋は「コロナウイルスは社会の一番弱いところを突く」とした上で、日本の行政機関のコンピュータ/ITに対する弱さを指摘した。

後半は劉慈欣『三体』の描写やSF作家テッド・チャンの言葉も紹介され、SF小説を通してパンデミックとの向き合い方が議論されている。

SF作家の「アフターコロナの〇〇」

#2〜#5の動画では、「アフターコロナの〇〇」というテーマで、各作家が議題をプレゼン。冲方丁は「アフターコロナの第三次世界大戦」、小川哲は「アフターコロナのトロッコ問題」、藤井太洋は「アフターコロナのSEX」、新井素子は「アフターコロナは………ない」と題した論を展開する。

コロナの時代の敵の作り方、些細なウイルスも無視できない時代の到来、緊急事態宣言を解除しながら東京アラートが出る——アクセルを踏みながらブレーキを踏む——政治判断のあり方など、幅広いテーマで議論が交わされている。「穢れ」の文化を平安時代から引き継いでいるという議論も出る中、冲方丁からは「平安時代はありとあらゆることの記録を残していた」という鋭い指摘も飛び出した。

劉慈欣からのメッセージ、森泉岳士の書き下ろし漫画も

#6の動画では、アジアに初のSF最高賞ヒューゴー賞をもたらした『三体』の著者・劉慈欣がVTRで登場。劉慈欣が考えるアフターコロナの人類のあり方について、劉慈欣らしい壮大な視野を備えたメッセージがおくられた。

劉慈欣は、「現在、SF小説だけが人類が未来で遭遇する可能性のある予想外の出来事に対して、真正面から向き合っているようです」と、SF小説の、SF作家の力を信じる力強い言葉をのこしている。

#7の動画では、「世界SF作家会議」のイラストを手掛けた漫画家の森泉岳士による書き下ろし作品「アフターコロナのヒューマン」が公開されている。そして、1970年に開催された国際SFシンポジウムに倣い、小松左京による趣意書を引用した共同宣言が読み上げられている。「未来の文学」としてのSFの力を改めて感じさせてくれる宣言となっている。

そして、最後の#8の動画では、いとうせいこうと大森望による「アフタートーク」が公開されている。SF作家としてのいとうせいこうの姿にフォーカスしつつ、二人が会議の感想を語り合っている。

コロナ禍であると同時に、「国際SFシンポジウム」から50年、小松左京の命日という節目に放送された「世界SF作家会議」。7月29日(水)からは史上初のバーチャル開催となる世界SF大会 (CoNZealand)も開催されるというタイミングだ。世界SF大会には日本からもSF作家・編集者・紹介者達が参戦する。移動を制限される時代にあっても、SFの想像力は拡大を続けていくだろう。

フジテレビ「世界SF作家会議」は、YouTubeの「8.8 チャンネル」で公開中。

「8.8 チャンネル」(YouTube)

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