『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』日本公開
ソニー・ピクチャーズが展開するSSU(ソニーズ・スピイダーマン・ユニバース)映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が日本で2021年12月3日(土) より劇場公開された。本作は、ルーベン・フライシャー監督が手掛けた『ヴェノム』(20018) に続く3年ぶりのシリーズ最新作だ。
ソニーが映像化の権利を有する「スパイダーマン」キャラクターを主人公に据えるSSUからは、2022年に『モービウス』の公開が、2023年に『クレヴン・ザ・ハンター』の公開が予定されている。『ヴェノム』の大ヒットから大きく動き始めたSSUは、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』で更なる飛躍を遂げた。今回は、SSUの今後の展開と続編『ヴェノム3』の状況について、アンディ・サーキス監督とプロデューサーのエイミー・パスカルが話した内容を見てみよう。
以下の内容は『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の結末に関する重大なネタバレを含むので、必ず本作を劇場で鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の結末に関するネタバレを含みます。
監督がポストクレジットについて語る
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の指揮をとったアンディ・サーキス監督は、本作の最後に待ち受けていた驚きのポストクレジットシーン(エンドロール前のミッドクレジットシーン)について、米Comicbooksが展開する配信番組Phase Zeroで以下のように話している。
観る人には、これらのユニバースがどのようにかして交わるということを知ってもらいたかったんです。一方で、まだ多くのことを確定させない状態にさせておきたかったので、あのような方法を選びました。
まだ完全に入り口を跨いだわけではありません。何かをキッパリと語るよりも、よりの多くの疑問を投げかける段階です。ティザーですよ。文字通りのティザーです。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンでは、マーベル・スタジオが展開するMCU映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のエンディングで描かれたニュース番組のシーンが登場。ヴェノムがエディにシンビオートの世界を見せようとした時、二人の滞在先の様子が一変してテレビからピーター・パーカーを糾弾するニュースが流れ出す。かねてから期待されていたMCUとSSUの世界が交わる展開で、世界中のファンを驚かせた。
このアンディ・サーキス監督のコメントが公開されたのは、10月1日に『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が米国で公開された11日後の10月12日。あのシーンには、MCUとSSUの「ユニバースがどのようにかして交わる」ことを示す第一弾としての役割があったのだという。故に、詳細な説明はなく、解釈はオープンにされている。サーキス監督は「まだ完全に入り口をくぐったわけではない」といい、ソニーとマーベルの間で様々な調整が進んでいることを匂わせている。
なお、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンの解説と、今後の展開の考察はこちらの記事に詳しい。
『ヴェノム3』続編計画が進行中
SSUとMCUの合流という一大イベントも気になるが、一方で「ヴェノム」フランチャイズがどうなるかという点にも注目したい。ディズニー傘下にあるマーベル・スタジオのMCUとは一線を画す表現ができる点がSSUの魅力の一つ。ダークヒーローであるヴェノムの主戦場が「スパイダーマン」シリーズになってしまっては寂しい。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』に続く「ヴェノム」映画第3弾について、米時間2021年12月6日、米Coliderがプロデューサーのエイミー・パスカルが語った内容を報じている。
(『ヴェノム3』は)現在、企画段階にあります。しかし、私たちが集中しているのは『ノー・ウェイ・ホーム』をみなさんに見てもらうことです。
「ヴェノム」第3弾は既に企画段階にあるという。“製作決定”ではないが「ヴェノム」も独自のフランチャイズとして進行させるつもりがあるということだ。『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の日本公開からは1週間も経過していないタイミングでのコメントだが、米公開からは既に2ヶ月が経過している。
日本では『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は初週末の興行収入がパンデミック前に公開された前作を超える約6億2,000万円を記録。公開から2ヶ月で全世界での興行収入は500億円を超えた。これは11月に公開されたMCU映画『エターナルズ』の約420億円を大幅に越える数字になっている。この結果を見れば、『ヴェノム3』の製作は既定路線というところだろうか。
なお、プロデューサーのエイミー・パスカルはソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの元会長であり、現在は自身で設立した会社を通してMCU「スパイダーマン」シリーズと「ヴェノム」シリーズのプロデューサーを務めている。この一週間前には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』後にトム・ホランドと共にMCU「スパイダーマン」の新三部作を作る用意があるとも発言している。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーン前のラストシーンでは、パトリック・マリガン刑事の目が青く光る描写が挿入されている。このシーンは原作コミックでカーネイジの子どもとして登場するトキシンというシンビオートの登場を示唆しており、「ヴェノム」続編への期待が高まっている。
「ヴェノム」続編へのトキシン登場の可能性については、こちらの記事で詳しく解説している。
トキシン参戦の伏線が登場した一方、ヴェノムとエディは別のユニバースに行ってしまったようなので、「ヴェノム」続編にはクリアすべき課題もある。それでも、アンディ・サーキス監督の可能性をオープンにしているという趣旨の発言と、SSUとMCUのクロスオーバーにおける重要人物であるエイミー・パスカルが『ヴェノム3』の計画を認めたことは、ファンにとっては安心できる要素である。
MCUとSSU、そして「ヴェノム」フランチャイズの今後の展開に期待しよう。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は2021年12月3日(金)より全国の劇場で公開中。
Source
Phase Zero / Colider
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