『流転の地球』特別版が公開へ
2019年2月に中国で公開され、興行収入7億ドル (約732億円) のメガヒットを記録した中国初のSFブロックバスター映画『流転の地球 (原題: 流浪地球)』。公開から約2年の歳月を経て、再び中国の劇場で公開されるようだ。
微博の『流転の地球』公式アカウントが2020年11月23日(火)に発表した内容によると、今回公開されるのは11分44秒の映像を追加した特別バージョンで、タイトルは『流転の地球: 飛躍 2020特別版 (原題: 流浪地球飞跃2020特别版)』になるという。公開日は2020年11月26日(木) となっている。
特別版の上映時間は137分になり、追加される映像は冒頭の“旅立ち”に関する詳細なストーリーになるという。また、チケット料金は15元 (約240円) 以下に設定される。これは、配給会社が配給代行手数料を免除するという特別処置に伴うもの。急激な変化と非日常を経験した2020年の最後に、人類の危機を乗り越えようとする『流転の地球』の物語をもう一度広く鑑賞してもらう狙いだ。
SF熱加速のきっかけに
『流転の地球』は、『三体』(2005) でアジア初のヒューゴー賞を受賞した劉慈欣による短編小説を長編映画化した作品で、2019年2月の春節 (旧正月) に中国で公開された。4月にはNetflixでも配信を開始し、世界中のSFファンが新たなSF大国の台頭を楽しんだ。
2019年は『流転の地球』のヒットもあり、中国におけるSFの市場規模は約1兆円に到達。北京での“SFシティ”建設計画も発表されており、中国のSF熱は高いままだ。
なお、日本の作品では、映画『デジモン LAST EVOLUTION 絆』が2020年10月30日(金)に中国で公開され、公開3週間で興行収入約19億円のヒットを記録している。同作の日本での興行収入は約2.4億円だった。また、2019年にアメリカで公開された『ヘルボーイ』も11月9日(月)に中国で公開され、初週末で興行収入約10億円を記録。『ヘルボーイ』は約52億円の製作費を投じたが、中国を除く世界での興行収入は製作費を下回る約46億円にとどまっていた。だが、米公開から1年半を経ての中国での公開により、この興行収入が製作費を上回ることになる。
9月に公開された『TENET テネット』をはじめ、映画市場が苦戦を強いられる中、中国のマーケットが存在感を増している。
Source
电影流浪地球 微博
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