『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』新映像公開
2022年5月4日(水・祝)に日本で世界最速公開されるMCU映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より、米時間4月2日(土)に新キャラの姿を映し出す「Fate」というタイトルの新映像が公開された。米国でのチケット前売り券の発売開始を告知する短い映像だが、公開を一ヶ月前に控えたこのタイミングで新要素が登場している。
冒頭のシーンでは、ワンダに会いに行ったドクター・ストレンジが「マルチバースは一か八かだ」と話している。過去の予告編でも、同じシーンの映像でワンダが「私が聞いたのは、危険すぎるということ」と話していた。
二人は「マルチバースは危険」という共通認識を持っていることになったが、ここでドクター・ストレンジが「アベンジャーを頼りたい」と言う。ワンダの力を借りたいということだろう。しかし、ワンダは「アベンジャーズは他にもいる」と返すのだった。
ワンダのセリフは英語では「There are other Avengers.」と言っている。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、原作コミックでプロフェッサーXやアイアンマン、ブラックパンサーらが加わる秘密結社イルミナティの登場が見込まれているが、マルチバース展開を絡めて「他のアベンジャーズがいる」と言ったわけではない。
ここでの会話の流れを素直に受け取れば、ワンダは「私以外にもアベンジャーズはいる」=「私に頼らないで」と言っているのだ。かつてアベンジャーズの一員として積極的に世界の危機に立ち向かったワンダが心に傷を負い、今ではかつての仲間に背を向けていることが分かる。
ワンダは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) で最愛のヴィジョンを失っただけでなく、『ワンダヴィジョン』(2021) で一般市民を巻き込む事件を起こし、双子の子どもまで失ったのだ。心痛むシーンだが、そんなワンダに対し、ドクター・ストレンジは「弁当箱に戻してやれる」と声をかける。
「弁当箱(=Lunchbox)」とはアベンジャーズのことだろう。だが、ワンダは今アベンジャーズに戻りたいのだろうか。そもそもドクター・ストレンジにその権限はあるのだろうか。そして、主要メンバーの抜けたアベンジャーズは再度結成されることになるのだろうか。
その後、新映像ではスカーレット・ウィッチになったワンダがエネルギー波を放つシーンや、前作ラストで闇落ちしたモルドが短剣でドクター・ストレンジに襲いかかるシーン、いまだ謎に包まれたアイアンマン風のキャラクターが映し出される。
そして今回のもう一つの新要素である巨大な怪物がウォンと向き合うシーンも。原作コミックでのこの怪物に似たキャラクターは思い当たらないが、ワンダにカオス・マジックの力を授ける古代神クトーンの映画版という可能性はある。
この怪物は今回の映像でもう一度現れるのだが、次のシーンでは何者かに立ち向かうウォンとスカーレット・ウィッチの背後におり、味方であるようにも見える。まずスカーレット・ウィッチが誰の側についているのかという問題はあるし、ワンダはウォンに対してにせよ怪物に対してにせよマインドをコントロールする力を持っているので一概には判断できない。それでも、クトーンとワンダの共闘というのはあり得るだろう。
クトーンについては、『ワンダヴィジョン』のラストで映った山岳地帯とのつながりが考えられる。詳しい考察はこちらから。
そして、ウォンは「マルチバースの運命は私たちにかかっている」と、いきなり大きな話をし出す。今回の映像のタイトル「Fate(=運命)」とは、ドクター・ストレンジ達がマルチバースの運命を背負うことを指していたのだ。ドクター・ストレンジが「じゃあプレッシャーはないね」と皮肉で返したところで今回の映像は幕を閉じる。
なお、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と『ロキ』シーズン1 (2021) の後が舞台になるとされている。『ロキ』シーズン1は通常のタイムラインとは異なる物語が描かれたにも関わらず、ドラマ『ロキ』が名指しされていることから、ロキの登場も期待できる。
シルヴィが神聖時間軸にもたらした混沌がマルチバースの混沌と混ざり合うことになれば、いよいよMCUはカオスな状況になっていく。開かれたマルチバースの扉と、枝分かれしたタイムライン……複雑になりつつあるMCUの世界をドクター・ストレンジは救うことができるのだろうか。
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は2022年5月4日(水・祝) より日本全国の劇場で世界最速公開。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』公式サイト
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