『ダークナイト』以降に登場したバットマン映画 & ドラマ 全13作品 『GOTHAM/ゴッサム』『ジョーカー』etc.. | VG+ (バゴプラ)

『ダークナイト』以降に登場したバットマン映画 & ドラマ 全13作品 『GOTHAM/ゴッサム』『ジョーカー』etc..

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『ダークナイト』から11年

バットマン映画の金字塔、クリストファー・ノーラン監督による名作映画『ダークナイト』(2008) の公開から、2019年で11年が経過した。『ダークナイト』は大人も楽しめる重厚な物語を提示し、公開当時のスーパーヒーロー映画の常識を覆した。ヒース・レジャーが演じたジョーカーは新たな (そして魅力的な) ヴィラン像は、ヴィランにもスポットライトを当てる近年のアメコミ映画の潮流を作り出した。10月4日(金)には、ジョーカーが単独主役に据えられた映画『ジョーカー』の公開を控えている。

『ダークナイト』以降、MCUが映画界を席巻するなど、11年で映画界も様変わりした。業界の変化については、『ダークナイト』公開から10年が経過した際に公開した以下の記事を参照していただきたい。

『ダークナイト』という作品は、「バットマン」というコンテンツそのものにも大きな影響を与えた。『ダークナイト』の大ヒットを受け、バットマン関連作品が次々製作されるようになったのだ。一方で、クリストファー・ノーラン監督作品である『ダークナイト』を超えるにはあまりにも高いハードルが存在していた。マット・リーヴス監督によるDCEU映画『ザ・バットマン』の公開は2021年を予定しており、新たなバットマン単独作品の公開に約10年を要している。

『ダークナイト』の登場以降、クリエイターたちはどのような切り口でバットマン作品を生み落としてきたのか。『ジョーカー』と『ザ・バットマン』という『ダークナイト』の“落とし子”とも呼べる二つの単独作品の公開を控えた今、改めて『ダークナイト』以降のバットマン作品を振り返ってみよう。

『GOTHAM/ゴッサム』(2014-2019)

2012年の『ダークナイト ライジング』で、2005年の『バットマン ビギンズ』から始まったクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」トリロジーに幕が降りた。そのわずか2年後、最も早く製作・公開されたバットマン関連作品がドラマ『GOTHAM/ゴッサム』だった。

ジム・ゴードン刑事の新米時代、後にバットマンとなるブルース・ウェインの少年時代、後に大悪党となるペンギンをはじめとするヴィラン達のチンピラ時代から物語をスタートさせ、映画でもおなじみのゴッサムシティが“出来上がっていく”様子を5年に渡って描き出した。2019年に通算100話目の放送と作中でのバットマンの誕生をもって、惜しまれながらフィナーレを迎えた。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)

新たな「バットマン」映画シリーズの誕生に向けて、大きな期待を背負って公開された映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、スーパーマンの単独映画『マン・オブ・スティール』(2013) に続いて公開された。DCEU (DCエスクテンデッド・ユニバース) の二作目に当たる。『マン・オブ・スティール』に続いてザック・スナイダーが監督を務めた。

クリストファー・ノーランも製作総指揮として参加したが、ストーリーを中心に散々な評価を受ける結果となった。MCUでは同年に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が公開されていたが、興行収入においても『シビル・ウォー』が約11億5,000万ドル、『バットマン vs スーパーマン』が約8億7,000万ドルで、商業的にもMCUに完敗を喫した。

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『スーサイド・スクワッド』(2016)

“『ダークナイト』超え”の重圧がかかる中、DCEU映画で一矢を報いたのは、DCのスーパーヴィランがチームを組んだ『スーサイド・スクワッド』だった。ヒース・レジャー以来初めてジョーカーを演じた俳優のジャレッド・レトは、『ダークナイト』とは全く異なる洗練されたジョーカー像を提示した。「バットマン」シリーズではおなじみのハーレイ・クインも銀幕デビューを果たしている。『スーサイド・スクワッド』にはバットマンも登場しており、DCEUの世界では、10年以上前にジョーカーによって相棒のロビンを殺害されたという設定が明らかになっている。

『スーサイド・スクワッド』は、“スーパーヴィラン大集合”という新たな基軸を打ち出した作品として、『バットマン vs スーパーマン』に迫る約7億5,000万ドルの興行収入を記録した。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでおなじみのジェームズ・ガン監督が指揮をとるリブート版『ザ・スーサイド・スクワッド (邦題未定、原題: The Suicide Squad)』は2021年8月に公開を予定している。

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『ジャスティス・リーグ』(2017)

2019年現在、バットマンが主要キャラクターとして登場した実写映画は、『ジャスティス・リーグ』が最後になっている。やはりクリストファー・ノーラン製作総指揮、ザック・スナイダー監督で製作が進められたが、ザック・スナイダーは娘が急逝したことから追加撮影の途中で降板、『アベンジャーズ』(2012) のジョス・ウェドンが引き継ぎ、完成させた。

『ジャスティス・リーグ』では、スーパーマン不在の中、チームで唯一スーパーパワーを持たないバットマンがリーダーの役割を果たした。政府によって組織されるアベンジャーズに対して、民間企業の社長であるブルース・ウェインがリクルートを行うという設定を採用している。だが、『ワンダーウーマン』(2017)、『アクアマン』(2018)、『シャザム!』(2019)といったDCEU単独作品が好評を得る中で、『ジャスティス・リーグ』には厳しい評価が寄せられ、興行収入は『バットマン vs スーパーマン』を下回った。

なお、『ダークナイト』トリロジーのクリスチャン・ベールに代わり、DCEUで三作に渡ってバットマンことブルース・ウェインを演じてきたベン・アフレックは、『ジャスティス・リーグ』限りでバットマン役から降板。今後のDCEU作品では「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソンがバットマンを演じる。

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『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017)

映画化されたのは実写作品だけではない。バットマン関連の映画作品が苦戦する中、高い評価を受け、商業的にも成功を収めた映画作品が『レゴバットマン ザ・ムービー』だ。2014年に公開され、バットマンも登場した『LEGO ムービー』の続編にあたる。『LEGO ムービー』は公開初週に興行収入で全米1位を獲得すると、トロント映画批評家協会賞をはじめとする様々な賞の長編アニメーション部門を総なめにした。

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その続編として製作され、バットマンとジョーカーを中心に据えた『レゴバットマン ザ・ムービー』は、公開から2週連続で興行収入全米1位を記録。最終的な興行収入は約3億1,000万ドルに達した。同作では、ナルシストで自己中心的なバットマンの姿が描かれており、ジョーカーの雰囲気もこれまでの映画版と違った愛らしい (?) ものになっている。ファンにとっては新鮮なバットマンを楽しむことができる。

 

『ニンジャバットマン』(2018)

バットマンのアニメ映画としては、日本からも『ニンジャバットマン』が製作・公開されている。監督を水崎淳平、脚本を中島かずきが務め、バットマンの各キャラクターが日本の戦国時代にタイムスリップするという斬新な設定で話題を呼んだ。

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バットマンのスーパーヴィラン達が武将の姿で登場し、バットマン側には歴代ロビンが集結するなど、バットマン作品に馴染みのない人でも、バットマンファンでも楽しめる作りとなっている。2019年には、アメリカで『ニンジャバットマン』のカードゲームも発売されている。

なお、日本のアニメーションスタジオによるバットマン作品としてはOVA『バットマン ゴッサムナイト』が2008年に発売されている。『バットマン ビギンズ』と『ダークナイト』の間を描いた短編アニメ集で、日米ともに『ダークナイト』の公開直前に発売された。

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『TITANS/タイタンズ』(2018-)

実写作品に目を戻すと、やはり好調だったバットマン作品はドラマシリーズだろう。『GOTHAM/ゴッサム』の成功を受けて、次々とバットマン関連のドラマ作品が登場している。2018年に公開されたドラマ『TITANS/タイタンズ』は、かつてバットマンのサイドキックであったロビンを主人公に据えた作品だ。ロビンが中心となる若きヒーローチームタイタンズの戦いと苦悩が描かれている。ネタバレになるので詳細を記すことは控えるが、バットマンの意外な姿が見られると話題になった。

『ペニーワース』(2019-)

『GOTHAM/ゴッサム』製作陣が手がける最新のバットマンスピンオフドラマが『ペニーワース』だ。バットマンことブルース・ウェインの執事としてあらゆるバットマン作品に登場するアルフレッド・ペニーワースの知られざる青年時代が描かれる。アルフレッドの狂気的とも言えるウェイン家への忠誠心は、どのようにして生まれたのか。米国で2019年7月28日に放送を開始している。

『バットウーマン』(2019-)

ルビー・ローズが主演を務めるドラマ『バットウーマン』は、2019年10月6日に米国で放送を開始する。映画『ジョーカー』公開の二日後だ。バットマンが消えた後の近未来のゴッサムシティを舞台に、バットウーマンが暗躍する。DC史上初のLGBTQヒーローを主人公にしたドラマとして注目を浴びている。

ここからは、2019年以降に公開される予定のバットマン関連映画を見ていこう。

『ジョーカー』(2019)

2019年10月4日 (金) に公開を予定しているのは初のジョーカー単独映画『ジョーカー』だ。ホアキン・フェニックス主演、トッド・フィリップス監督で製作され、公開前から非常に高い評価を受けている。第76回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞している。

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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)

『スーサイド・スクワッド』に登場したハーレイ・クインを主役に据えたハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey (原題: Birds of Prey (And The Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn))』も撮影が進められている。かつて「バットマン」シリーズの女性キャラクター達を主役に据えたドラマ『ゴッサム・シティ・エンジェル (原題: Birds of Prey)』が放送されているが、本作でも女性キャラクターを中心にストーリーが展開される。監督はキャシー・ヤン。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』は2020年2月にアメリカで、3月20日より日本で公開予定。

『ザ・バットマン』(2021)

いよいよ、『ダークナイト ライジング』以来9年ぶりのバットマン単独映画がスクリーンに帰ってくる。『ザ・バットマン』の監督を務めるのは「クローバー・フィールド」シリーズ、「猿の惑星」シリーズで知られるマット・リーヴス。主演にロバート・パティンソンを据え、これまでのバットマン映画よりも若い30歳前後のブルース・ウェインの姿が描かれる。『ザ・バットマン』は2021年6月にアメリカで公開予定。

『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021)

すでに述べた通り、ジェームズ・ガン監督指揮の下、『ザ・スーサイド・スクワッド』の撮影が進行している。2016年の『スーサイド・スクワッド』からは、ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーや、キャプテン・ブーメランを演じたジェイ・コートニーらの続投が決定している。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でヨンドゥを演じたマイケル・ルーカーなど、MCUに出演した俳優も数多く登場する予定だ。『ザ・スーサイド・スクワッド』は2021年8月にアメリカで公開予定。

以上が、『ダークナイト』以降に公開されたバットマン関連のドラマ・映画作品だ。『GOTHAM/ゴッサム』や『レゴバットマン ザ・ムービー』『スーサイド・スクワッド』など、『ダークナイト』のイメージを解体するような作品の活躍も目立つ一方で、『ダークナイト』の影を追い、シリアスでダークな雰囲気の作品も並んでいる。『ダークナイト』トリロジーの公開以降、なかなか次のバットマン単独映画が登場しなかったことも事実だ。
2019年でバットマンの誕生から80年が経過した。『ジョーカー』や『ザ・バットマン』といった作品は、色濃い影響を残した『ダークナイト』以降のバットマン史を塗り替えることになるのだろうか。

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VG+編集部

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