『エコー』は2024年1月に一斉配信
MCUドラマ『エコー(原題)』は2024年1月にディズニープラスで配信を開始する。米時間2023年5月16日(火)にはマーベル・スタジオが2023年11月29日(水)からの配信を発表していたが、9月に入り米The Hollywood Reporterが2024年1月への延期を伝えている。
配信延期の背景には全米脚本家組合 (WGA) と米映画俳優組合 (SAG-AFTRA) のストライキがあると考えられる。配信プラットフォームからの公正な利益分配とAI利用のルール作りを求める両組合に、スタジオ側の映画製作者協会 (AMPTP) は納得のいく回答を出すことができていない。2023年9月15日(金)には、WGAとAMPTPが交渉の席に戻るためにスケジュール調整を行なっていることが報じられている。
MCUドラマ初の一斉配信
『エコー』は全6話で構成され、全てのエピソードが同日に一斉配信されるという。ショートアニメシリーズの『アイ・アム・グルート』(2022-) は全話一斉配信されているが、MCUのドラマが全話一斉配信の形を取るのは初となる。
ドラマ『エコー』は2021年に配信されたドラマ『ホークアイ』に登場したマヤ・ロペスのその後と過去を描く作品。『ホークアイ』では“エコー”と呼ばれることはなかったが、“エコー”は原作コミックにおけるマヤの別名だ。MCUドラマでは初めて耳が聞こえないろう者の主人公を描く作品になる。
『エコー』の主演を務めるのはアラクア・コックス。原作と同じくネイティブ・アメリカンの俳優で、他のキャストにも多くのネイティブ・アメリカンが起用されている。キャストはチャスク・スペンサー、タントゥー・カーディナル、デヴァリー・ジェイコブス、コーディー・ライトニング、グレアム・グリーン、ザーン・マクラーノンらが発表されている。監督はシドニー・フリーランドとカトリオナ・マッケンジーが務める。
『エコー』は、MCUドラマとしては異例の策を取ることになる。MCUドラマでは、第一作目『ワンダヴィジョン』(2022) から一貫して各話を毎週配信する形式をとってきた。ファンの間で考察や感想戦が盛り上がるスタイルはすっかりお馴染みのものになっており、毎週配信が配信ドラマにおける主流になりつつある中で、『エコー』では全6話を一斉配信する形を取るという。
その背景には、配信ドラマにおけるキャラクター人気の格差があるのかもしれない。MCUドラマスタートから2年半を経て、映画でお馴染みのキャラクターが主人公になった作品と、ドラマから登場するキャラクターが主人公の作品では、盛り上がりに差があるように感じられた。
2022年のMCUドラマは『ムーンナイト』『ミズ・マーベル』『シー・ハルク:ザ・アトーニー』と新キャラクターの作品を投下したが、『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』『ホークアイ』が配信された2021年のような盛り上がりとはならなかった。MCU屈指の人気キャラを主人公に据えたドラマ『ロキ』シーズン2は10月6日(金) に配信を開始するが、こちらは各話が毎週配信される。MCUドラマは試行錯誤の時期にあると言っていいだろう。
公開続くMCU
MCUとしては、2023年の秋から冬にかけて映画公開とドラマ配信が続くことになる。アニメ『アイ・アム・グルート』のシーズン2は9月6日(水)より配信を開始。ドラマ『ロキ』シーズン2が10月6日から11月中旬にかけて配信され、映画『マーベルズ』が11月10日(金) に劇場公開される。そして、2024年1月にドラマ『エコー』が全話配信ということで、年を跨いで盛り上がりを見せることになりそうだ。
一方、2023年秋配信予定がアナウンスされていたドラマ『アイアンハート(原題)』や、2023年冬配信予定だったドラマ『アガサ:カヴン・オブ・カオス(原題)』についても配信延期が発表されている。MCUの今後の展開と、WGA / SAG-AFTRA / AMPTP の交渉の進展を注視しよう。
ドラマ『エコー(原題:Echo)』は2024年1月に全6話がディズニープラスで独占配信開始。
マヤ・ロペスが初めて登場したドラマ『ホークアイ』はDisney+で配信中。
Source
Marvel.com / The Hollywood Reporter
同時発表された『ロキ』シーズン2の配信日についてはこちらの記事で。
主演のアラクア・コックスのこれまでの道のりはこちらの記事に詳しい。
『エコー』にはデアデビルとキングピン登場の噂もある。詳しくはこちらの記事で。
脚本は『デアデビル』『パニッシャー』の脚本家が就任している。
『ホークアイ』最終話で残された13の謎はこちらから。
映画『マーベルズ』予告の解説はこちらから。
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