『エコー』は11月に一斉配信
MCUドラマ『エコー(原題)』が2023年11月29日(水)よりディズニープラスで配信を開始する。米時間5月16日(火)、マーベル・スタジオが発表した。『エコー』は全6話で構成され、全てのエピソードがこの日に配信されるという。ショートアニメシリーズの『アイ・アム・グルート』(2022) は全話一斉配信されたが、MCUのドラマが全話一斉配信の形を取るのは初となる。
ドラマ『エコー』は2021年に配信されたドラマ『ホークアイ』に登場したマヤ・ロペスのその後と過去を描く作品。『ホークアイ』では“エコー”と呼ばれることはなかったが、“エコー”は原作コミックにおけるマヤの別名だ。MCUドラマでは初めて耳が聞こえないろう者の主人公を描く作品になる。
『エコー』の主演を務めるのはアラクア・コックス。原作と同じくネイティブ・アメリカンの俳優で、他のキャストにも多くのネイティブ・アメリカンが起用されている。キャストはチャスク・スペンサー、タントゥー・カーディナル、デヴァリー・ジェイコブス、コーディー・ライトニング、グレアム・グリーン、ザーン・マクラーノンらが発表されている。監督はシドニー・フリーランドとカトリオナ・マッケンジーが務める。
初めての一斉配信
『エコー』は、MCUドラマとしては異例の策を取ることになる。MCUドラマでは、第一作目『ワンダヴィジョン』(2022) から一貫して各話を毎週配信する形式をとってきた。毎週監督や出演者のインタビューが流れてきて、ファンの間で考察や感想戦が盛り上がるスタイルはすっかりお馴染みのものになっている。
これまでNetflixを中心に採用されていた全話一斉配信の形を取り、「イッキ見」を促して「バズ」を生み出すスタイルに対し、ディズニープラスやAmazonプライムビデオなどは毎週配信のスタイルをとっていた。メディアがその勢いを加速させ、毎週配信が配信ドラマにおける主流になりつつある中で、『エコー』では全6話を一斉配信する形を取るというのだ。
その背景には、配信ドラマにおけるキャラクター人気の格差があるのかもしれない。MCUドラマスタートから2年半を経て、映画でお馴染みのキャラクターが主人公になった作品と、ドラマから登場するキャラクターが主人公の作品では、盛り上がりに差があるように感じられた。
2022年のMCUドラマは『ムーンナイト』『ミズ・マーベル』『シー・ハルク:ザ・アトーニー』と新キャラクターの作品を投下したが、『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』『ホークアイ』が配信された2021年のような盛り上がりとはならなかった。
今回、MCU屈指の人気キャラを主人公に据えたドラマ『ロキ』シーズン2は10月6日(金) に配信を開始することも発表されたが、こちらは各話を毎週配信するようだ。MCUドラマは試行錯誤の時期にあると言っていいだろう。
MCUの秋
MCUとしては、2023年の秋は映画公開とドラマ配信が続くことになる。ドラマ『ロキ』シーズン2が10月6日から11月中旬にかけて配信され、映画『マーベルズ』が11月10日(金) に劇場公開される。そして、11月29日(水) にドラマ『エコー』が全話配信ということで、アメリカのサンクスギビングホリデーからクリスマスホリデーにかけて盛り上がりを見せることになりそうだ。
一方、2023年秋配信予定がアナウンスされていたドラマ『アイアンハート(原題)』や、2023年冬配信予定だったドラマ『アガサ:カヴン・オブ・カオス(原題)』についてはアナウンスがない。現在、アメリカでは全米脚本家組合(WGA)が15年ぶりのストライキに入っており、これらの作品についても製作が遅れる公算が大きい。MCUの今後の展開と、WGAの交渉の進展を注視しよう。
ドラマ『エコー(原題:Echo)』は2023年11月29日(水)に全6話がディズニープラスで独占配信開始。
マヤ・ロペスが初めて登場したドラマ『ホークアイ』はDisney+で配信中。
Source
Marvel.com
同時発表された『ロキ』シーズン2の配信日についてはこちらの記事で。
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『エコー』にはデアデビルとキングピン登場の噂もある。詳しくはこちらの記事で。
脚本は『デアデビル』『パニッシャー』の脚本家が就任している。
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