ドラマ『エコー』第3話ネタバレ解説&考察 チョクトーの戦士、スカーリの言葉。音楽の意味は? | VG+ (バゴプラ)

ドラマ『エコー』第3話ネタバレ解説&考察 チョクトーの戦士、スカーリの言葉。音楽の意味は?

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ドラマ『エコー』配信開始

MCUドラマ『エコー』は2023年1月10日(水)より全5話の配信をスタート。ドラマ『ホークアイ』(2021) で初登場を果たしたマヤ・ロペスを主人公に据えた作品で、MCUの実写作品では初めてネイティブ・アメリカンのキャラクターが主人公を務めている。

『エコー』では、同じく『ホークアイ』に登場した犯罪王キングピンことウィルソン・フィスクも登場。キングピンの右腕としてニューヨークの裏社会で生きてきたマヤ・ロペスは、故郷のネイティブ・アメリカンコミュニティの人々との軋轢に苦悩する。

今回は、全5話が一斉配信されたドラマ『エコー』の折り返し地点に当たる第3話をネタバレ有りで解説&考察していこう。以下の内容は『エコー』第3話のネタバレを含むため、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『エコー』第3話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『エコー』第3話「トゥクロ」ネタバレ解説&考察

チョクトーの戦士

ドラマ『エコー』第3話の冒頭はトゥクロという名のマヤ・ロペスの先祖の物語から幕を開ける。これで第1話のチャファ、第2話のロワクに続いて3人目のチョクトー族の女性が紹介されることに。舞台は1800年代後半ということで、前回のロワクの西暦1200年から大きく進んでいる。

ネイティブ・アメリカンは独自の警察部隊を組織し、それは“軽騎兵隊 (Lighthorsemen)”と呼ばれたと紹介されている。軽騎兵隊は実際に存在したネイティブ・アメリカンの自衛組織だ。白黒テレビ風の映像でトゥクロという見事な銃の腕前を持つ女性が登場するが、トゥクロの父は「女は命を授け、男は命を奪う」として軽騎兵隊への入隊を認めない。『エコー』では部族内の性差別も避けずに批判的に描いているところに好感が持てる。

性差別によって戦士になることを拒まれたトゥクロだが、自らの髪をチョクトーの戦士の証である三つ編みに結ぶ。ドラマ『ホークアイ』でもマヤは三つ編み姿を見せているが、これは自らをチョクトーの戦士と自覚してのことだったのかもしれない。

軽騎兵隊が白人たちの罠にかかるとトゥクロは水溜まりの中に光る渦を見る。これは第1話のチャファが住んでいた洞窟にあった泉の渦と同じものだ。さらにチャファとロワクのビジョンを見たトゥクロは見事な銃の腕前で軽騎兵隊を助けて英雄となる。ロワクはチャファから、トゥクロはチャファとロワクから、その力を引き継いでいる。

「話を聞く」こと

チュラはスカーリのもとを訪れていた。チュラとスカーリは第1話冒頭の回想シーンで仲睦まじい姿を見せていたが、今では疎遠になっている。それでもスカーリはチュラのことが好きなようで、チョクトー語でチュラを誘っている。

チュラがスカーリの元に来たのはマヤについて話をするためだ。ビスケッツは前回プレイステーション4を無線で売りに出していたが、結局$100でスカーリの質屋に入れたらしい。チュラはビスケッツとトラックを壊したことを挙げて「マヤは厄介」「父親にそっくり」と自らが追い出したウィリアムにマヤが似ていると話すのだった。

スカーリはマヤを庇うのだが、チュラはマヤが既にスカーリに会いに来たことに勘づく。チュラからすれば、マヤの帰還を親族でない人から聞かされて、けれどマヤはヘンリー・ロペスとスカーリには既に会っていて……という状況は快くはないだろう。意地を張ってマヤとは会わないとするチュラの態度は第2話のチュラに対するマヤの態度と同じだ。

チュラはウィリアムとマヤの追放を「家族を守るため」とするが、スカーリは「孫まで失うぞ」と警告し、「話をするんじゃなくて話を聞いてやれ」と助言するのだった。私たちは問題が起きた時の解決策として「話をする」という立場をとりがちだが、大切なのは「話を聞く」という姿勢なのかもしれない。Good Speakerである前にGood Listenerであれ、ということだ。このメッセージは、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) でのサム・ウィルソンの「テロリストとレッテルを貼る前に耳を傾けろ」という姿勢に共通するものがある。

ボニーとの再会

マヤは湖畔で先祖のチャファ、ロワク、トゥクロのビジョンを見る。キツツキも登場し、トゥクロも叫んでいるのでピンチを教えてくれているようだが、マヤはスケート場で働くヴィッキーが差し向けた手下に背後を取られて捕まってしまう。ビジョンを見ていなければ捕まらなかった気もするが……。

スケート場で目を覚ましたマヤはヘンリーもまた捕えられていることを知る。マヤはズッコケ三人組からキングピンの部下に引き渡されることになっていたのだ。マヤのことを聞きにヘンリーに会いに来たボニーを、銃を突きつけられたヘンリーは手話で追い返そうとする。マヤのために学んだ手話がろう者以外の人にも役立っていることを示す演出だ。

結局ボニーも捕まってしまい、マヤとボニーは拘束された状態で気まずい再会を果たす。両手を塞がれているため手話での会話ができないという点が、二人の気まずさを増幅させる。それでも、マヤが靴に仕込んでいたナイフで拘束を解くと、ボニーは「何年も待ってた」「力になれたのに」と思いを吐露するのだった。

マヤからすれば、小さい頃の別れ際に「ボニーも来てね!」と告げた約束をボニーは守ってくれなかったという思いもあるのかもしれない。ボニーは故郷に残り、父を失ったマヤは一人大都会での裏社会で生き抜くしかなかった。チュラの場合もそうだが、それぞれにそれぞれの想いと主張がある。誰もが理想通りに生きることはできない、そんな現実がお互いの間に壁となって立ちはだかる。

ロープを切ったことがバレたマヤはボニーを殴る演技(ガチ殴りしているが)をして一人軟禁されることに成功。マヤが敵にスマホを投げて慌てさせるのが面白い。スマホなんて投げられても無視すればいいのだが、咄嗟に「落としてはいけない」と反応してしまうのだろう。

スケート場の戦い

ここにキングピンの部下であるゼイン一行が到着。ゼインは前回倉庫でギリギリ爆発を免れた人物だ。ゼインを演じる俳優のアンドリュー・ハワードは、ドラマ『エージェント・オブ・シールド』(2013-2020) シーズン3第1話にルーサー・バンクス役で出演している。ヴィッキー役のトーマス・E・サリヴァンも『エージェント・オブ・シールド』に、ヘンリー役のチャスク・スペンサーもドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』(2015-2019) に出演しており、『エコー』ではABC製作のマーベルドラマからの起用が多くなっている。

マヤはまたも手作りの武器を開発。映画『アイアンマン』(2008) でトニー・スタークがやったように、自前で必要な道具を作るという能力もマヤの特徴になりそうだ。前回もそうだが、第1話の回想でもマヤはオートバイをハッキングするなど高度な技術を披露していた。ここでもお手製の銃を使って見張りを呼び出し、マヤは脱出に成功するのだった。

ヘンリーの言う通りゼインは金を持って来ず舐めた態度をとる。そしてヘンリーを見たゼインはヘンリーのことを「ヘンリー・“ブラック・クロウ”・ロペス」と呼び、旧知の仲であることを示唆する。「ブラック・クロウ」とはこのスケート場の名前だが、第1話の解説にも書いた通り、原作コミックに登場するネイティブ・アメリカンのヒーローの名前でもある。

金を要求したヴィッキーは射殺され、ヘンリーに危機が迫ると、照明が赤に変わり、ロブ・ゾンビの「ドラギュラ」(1998) が爆音でスケート場に鳴り響く。「ドラギュラ」では「お前に悪魔がついても私は殺せない」「やれ (Do it baby)」と歌われている。マヤの登場だ。ろう者のマヤは爆音の影響を受けないが、ゼイン一派は鼓膜にダメージを受けている。

お手製の銃で敵に発砲する時、マヤに白黒のトゥクロの姿が重なる。この辺りから、マヤの能力は先祖の力を得るということに察しがついてくる。その後は第1話以来の肉弾戦も披露。やはり本シリーズではマヤを演じるアラクア・コックスは『ホークアイ』で封印していたパンチを多用している。

ストーリー上の理由づけができるとすれば、マヤはジャージ・マフィアのリーダー格であった間は手話を使う手を武器にすることをやめていたが、第1話の回想の下っ端時代と、『ホークアイ』ラスト以降の組織を抜けた後は手も武器として使っていると考えることもできるだろう。

射撃ゲームのパーツをムチとして使い、スキーボールのボールをトゥクロの力を借りて投げるなど、身の回りのものをなんでも武器にしてしまう。やはりその場にあるものはなんでも使えるというのがマヤの特徴だ。しかし、ヘンリーを人質にとられても気にせず戦っていたマヤが、ボニーを人質にとられて動きを止めてしまう。やはりボニーまで失うことはできない。

「思いとは違うことをしてしまう」

捕えられた一行だったが、ゼインに一本の電話が入り事態は急変。全員釈放となりゼインたちは去っていくのだった。命拾いした瞬間だったが、より巨大な何かの動きを感じさせる不気味な展開だ。なお、ゼインの携帯の着信音はイーグルス「ニューヨーク・ミニット」(1994)「ニューヨークでは刻一刻と状況が変わる」と歌われており、ニューヨークからの指示が入ったことが示唆されている。

マヤはボニーを守ることを約束して帰らせるが、ヘンリーはマヤに対し、ゼインに中止を命じるとすればキングピンしかいないと主張する。ヘンリーは意外にもマヤへの協力を約束。そして、サマンサ・クレイン「When We Remain」(2020) が流れる。この曲では「ここに残るなら、忘れられた街の美しい骨としてではなく、私たちは花や木々となる」と歌われている。

マヤはスカーリから「チョクトーの戦士が戦う様子を表す」というゴールドの新たな義足のパーツを受け取る。かつてトゥクロが三つ編みで表現したチョクトーの戦士の証を、マヤは義足で身にまとうことになる。「お前は一族の代表だ」というスカーリの言葉があたたかい。

スカーリは、「家族の話に口出しするのは好きじゃない」とした上で、チュラとは別れたことを明かして祖父ヅラしない気遣いを見せつつ、チュラに会いに行かないのかとマヤに問う。この順を追った問い方、スカーリも実はかなりジェントルな人である。

チュラはずっと連絡をくれなかったと主張するマヤに対し、スカーリは「人は誰しも自分の思いとは違うことをしてしまう」という名言を残す。この言葉を胸に抱いておけば、日常での誰かとの小さなすれ違いも許せるようになる気がする。

最後に現れたのは…

マヤ自身にも思い当たる節があったはずだ。マヤはタマハの街をバイクで走り、想いを巡らせる。
ネイティブ・アメリカン・チャーチにいるチュラもそうだ。隣ではビスケッツが一所懸命に讃美歌を歌っている。どう見ても良い奴である。

しかし、夜になりマヤが家に戻ると、そこに立っていたは隻眼のキングピンことウィルソン・フィスクだった。でかい。家と家の間に立つとデカさが際立つ。スーツ姿ではあるがいつもよりもラフな姿のフィスクが穏やかな表情を浮かべてマヤの方へ歩み寄ってきたところで、ドラマ『エコー』第3話は幕をとじる。

マヤへの態度を見ても分かる通り、ゼインへ一報を入れてマヤを救ったのはフィスクだったのだ。マヤにとっては殺したと思っていた相手、頭を撃った相手が故郷まで自分を追ってきたということになる。言葉にし難い恐怖を残して、最終話目前の第4話へ。引き続き解説&考察記事を更新していくので、お楽しみに……!

ドラマ『エコー』はディズニープラスで全5話が配信中。

ドラマ『エコー』(Disney+)

『エコー』第4話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

ドラマ『ホークアイ』最終話のネタバレ解説はこちらの記事で。

『ホークアイ』最終話で残された13の謎はこちらから。

『エコー』主演のアラクア・コックスのこれまでの道のりはこちらの記事に詳しい。

 

【!ネタバレ注意!】ドラマ『ロキ』シーズン2最終話のネタバレ解説はこちらから。

【!ネタバレ注意!】映画『マーベルズ』のラストからポストクレジットシーンまでの解説&考察はこちらの記事で。

【!ネタバレ注意!】映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』のラストからポストクレジットシーンまでの解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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