『アソーカ』最終回ネタバレ考察 スローンの今後、ダソミアの意味、『マンダロリアン』とどう繋がる? | VG+ (バゴプラ)

『アソーカ』最終回ネタバレ考察 スローンの今後、ダソミアの意味、『マンダロリアン』とどう繋がる?

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『アソーカ』完結、今後を考察

「スター・ウォーズ」ドラマ『アソーカ』シーズン1の最終話となる第8話が2023年10月4日(水)にディズニープラスで配信され、ついにフィナーレを迎えた。ヘイデン・クリステンセン演じるアナキン・スカイウォーカーや、ラース・ミケルセン演じるスローン大提督など、ファン待望のキャラたちが続々登場し話題となった。

特にスローン大提督は、非正史のレジェンズ作品からアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018) で正史入りを果たし、今回ついに実写化された最注目キャラだった。アニメ版で声優を務めたラース・ミケルセンが実写版も演じ、「スター・ウォーズ」の大ヴィランの一人として印象的な姿を見せた。

シーズン2への更新も期待されている『アソーカ』。一方でスローン大提督の今後や、ドラマ『マンダロリアン』(2019-) との繋がりはどうなっていくのだろうか。今回は『アソーカ』最終回の第8話のラストを踏まえて考察していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『アソーカ』最終話第8話の内容に関するネタバレを含みます。

スローン大提督のラスト

アニメ『反乱者たち』のラストでエズラ・ブリッジャーと共にパーギルの群れによるハイパースペースジャンプで行方しれずとなったスローン大提督。約10年が経過した『アソーカ』シーズン1では、スローンは別の銀河にある惑星ペリディアで自分の部隊を再建していた。

『アソーカ』ではスローンの共闘相手として意外な存在が紹介された。『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場したナイトシスターだ。ナイトシスターは惑星ダソミアに住む魔女の集団で、シスではないがフォースのダークサイドと高い親和性がある。ダソミアからは一時ドゥークー伯爵の弟子となったアサージ・ヴェントレスや、ダース・モールといった人材が輩出されている。

そして、ドラマ『マンダロリアン』シーズン2で期間が近づくスローンの一味として登場したモーガン・エルズベスは、ドゥークーに滅ぼされたナイトシスターの生き残りであったことが明かされた。さらにスローンが行き着いた惑星ペリディアではナイトシスターの祖先であるグレート・マザーたちがモーガンに呼びかけていたことが明かされた。グレート・マザーたちを目覚めさせたのはスローンで、帝国の残党とナイトシスターの連合が完成することになった。

ドラマ『アソーカ』最終話では、モーガンを切り捨てたスローンがグレート・マザーたちと元の銀河に戻ることに成功、惑星ダソミアを拠点にすることが示唆された。ダソミアはアウター・リム(外縁部)に位置する惑星で、ナイトシスターたちとそれに従うナイトブラザーたちが暮らしていたが、『クローン・ウォーズ』でドゥークー伯爵率いるシスの陣営に滅ぼされた。新たな基地にするにはぴったりの場所だ。

ダソミアという新たな拠点を手に入れたスローン大提督は、ここから帝国再建に乗り出すのだろう。『アソーカ』最終話ではグレート・マザーによる死者蘇生の魔術が披露されるとともに、スローンはペリディアから大量の棺を持ち帰った。戦力的にも不足はなさそうだ。

ダソミアが新たな火種に?

ポイントは、惑星ダソミアがその拠点に選ばれたことだ。『マンダロリアン』シーズン3では、モフ・ギデオンは惑星マンダロアを焼け野原にした上でそこに基地を建設していたことが明らかになった。スローンも同じように不毛の地に新たな根城を築くのだろう。

マンダロアとの共通点はそれだけではない。惑星ダソミアとマンダロアは共に外縁部(アウター・リム)に位置するというのもポイントだ。『マンダロリアン』シーズン3第5話では、海賊王ゴリアン・シャードの口から「新共和国は中遠部すら守れていない」という状況が明かされた。外縁部にある惑星ネヴァロを統治するグリーフ・カルガは海賊の襲来に対して新共和国に支援を要請するが援助は得られなかった。

帝国の残党が拠点にしていた惑星マンダロアの奪還も、ディン・ジャリンとボ=カターン・クライズたちが散り散りになったマンダロリアンたちを団結させることで達成している。ギデオンが帝国の復活に向けて着実に戦力補強を進めていたことを考えれば、新共和国は棚からぼたもちでリスクを回避できることになった。

新共和国が外縁部の脅威に対応できないことは明らかで、ダソミアを拠点にしたスローンも着実に戦力補強を進めるだろう。『マンダロリアン』シーズン3第7話では、パレオン艦長を筆頭にスローン大提督の帰還を待望する勢力があり、帰還が実現すれば「ハックス司令官の蘇り計画」が進められると話されていた。ギデオン亡き今、帝国の残党がスローンを中心に動き出すことは確実だ。

『アソーカ』では、スローン帰還の可能性を信じられず、対応する余力もない新共和国政府の姿も描かれた。「スター・ウォーズ」続三部作で描かれた通り、ここから約20年後にも新共和国はファースト・オーダーの台頭に対応できず、レイア・オーガナの私設軍が対応にあたるしかなかった。スローンの台頭にあたるのは、やはり新共和国の正規軍ではない人々になるのではないだろうか。

『マンダロリアン』とどう繋がる?

その人々の筆頭は、同じくアウターリムに位置する惑星マンダロアに住むマンダロリアンだろう。スローン大提督はまずアウターリムの星々を支配下に置こうとするかもしれない。そうなればマンダロリアンとの衝突は避けられない。そうでなくてもマンダロリアンにとって帝国の残党は、かつて惑星を滅ぼし同胞を殺した仇だ。マンダロアの大粛清を知るボ=カターンやアーマラーがスローンの復活を放置することは考えにくい。

同じくアウターリムにあるネヴァロで平和に暮らすディン・ジャリンとディン・グローグーも穏やかではいられないだろう。『マンダロリアン』シーズン3のラストでは、今後は新共和国軍のカーソン・テヴァから外縁部における新共和国の仕事を請け負うことになった。

テヴァは『アソーカ』でスローンの帰還阻止へ向けて単独行動をとった新共和国軍のヘラ・シンドゥーラ将軍についていき、アソーカが別の銀河へと飛ぶところまで一連の出来事を目撃した人物でもある。新共和国が外縁部の脅威に直接対応できないなら、テヴァからディン・ジャリンに依頼が来るであろうことは明白だ。

加えて、今回唯一アソーカ側で帰還できたエズラ・ブリッジャーは、『反乱者たち』でサビーヌの家族であるレン氏族を助けている。その際にボ=カターン・クライズと共闘しているため、エズラは新共和国ではなくマンダロリアンを頼る、あるいはボ=カターンの方からエズラのために力を貸すという展開も考えられる。まずはアソーカとサビーヌを奪還し、浪人ジェダイとマンダロリアンの同盟が、双方にルーツを持つサビーヌとグローグーを中心に組まれるとすれば期待は高まる。

また、『マンダロリアン』のスピンオフとして制作されたドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) では、ボバ・フェットがこちらも外縁部に位置するタトゥイーンの指導者となった。フェネック・シャンドやウーキーのクルルサンタンに加え、最終回のポストクレジットでは保安官のコブ・ヴァンスがサイボーグになって復活することが示唆されており、戦力は整っている。

パイク・シンジケートとキャド・ベインの反乱においては、ディン・ジャリンが加勢してボバのタトゥイーン統治を守った。ボバのペットのランコアが暴走した時にはグローグーが眠らせる場面もあった。グローグーもランコアに会いたいだろう。

アソーカ率いるジェダイチーム、ボ=カターンとディン・ジャリン率いるマンダロリアンチーム、ボバ・フェット率いるタトゥイーンチームがスローン大提督の軍隊と戦うというのが今後の展開になるのではないだろうか。

マンドーバースのフェーズ1?

この物語の続きは『アソーカ』シーズン2、または『マンダロリアン』シーズン3、もしくはデイヴ・フィローニ監督が同時代を舞台にして制作する「スター・ウォーズ」の新作長編映画で描かれることになるだろう。2023年4月に制作が発表されたその長編映画は、ドラマシリーズの集大成となることが報じられている。

一方で、『マンダロリアン』を手掛けてきたジョン・ファヴローは「ずっと続いてほしい」と、同シリーズを終わらせる気がないことを表明している。ディン・ジャリンを演じるペドロ・パスカルも同役を「生涯演じる」と発言しているなど、『マンダロリアン』の終わりは心配しなくても良さそうだ。

“マンドーバース”と呼ばれる『マンダロリアン』から始まる一連のドラマシリーズは、スローン大提督との対決までで一つのフェーズを形成することになるかもしれない。その決着の場が長編映画になるとすれば、マンドーバースのファンには堪らない。次の展開を楽しみに待とう。

追記:『アソーカ』はシーズン2への更新が正式に発表された。詳しくはこちらから。

ドラマ『アソーカ』は全8話がディズニープラスで独占配信中。

『アソーカ』(Disney+)

『アソーカ』最終回第8話の詳細なネタバレ解説はこちらの記事で。

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「スター・ウォーズ」映画の新作についての発表の詳細はこちらの記事で。

ベイラン・スコールとシン・ハティの北欧神話との繋がりに関する考察はこちらの記事で。

グレート・マザーとギリシャ神話の繋がりに関する考察はこちらの記事で。

 

『マンダロリアン』シーズン3最終話のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト(原題)』の情報はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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