暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」カバーデザイン公開!
2023年夏に開催された第三回かぐやSFコンテストの大賞受賞作品、暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」のカバーデザインを公開します。デザインを手がけたのは谷脇栗太さんです。
第三回かぐやSFコンテストは「未来のスポーツ」をテーマに最大4,000字の短編小説を募集したコンテスト。297編の応募があり、審査員の磯上竜也さん、井上彼方さん、岸谷薄荷さん、佐伯真洋さんが筆者名を伏せた匿名の状態で選考を行いました。
世界へ届く「マジック・ボール」
かぐやSFコンテストでは、日本のSFを世界に発信していくことを目標に、大賞作品への副賞を“英語と中国語への翻訳”としています。「マジック・ボール」の中国語訳(簡体字・繁体字)は、これまでもかぐやSFコンテストの中国語訳を担当してきた田田さんが翻訳を手掛けました。中国語版タイトル「魔球」として中国の老舗SFマガジン『科幻世界』に掲載されます(掲載は簡体字)。
「マジック・ボール」の英語訳は、Chell Yoshinoさんと作家の赤坂パトリシアさんが共訳で手掛けました。Chell Yoshinoさんは文芸翻訳を手掛けるのは今回が初めて。赤坂さんは『ネコばあさんの家に魔女が来た』(KADOKAWA)や「Linguicide,[n.]言語消滅」(Kaguya Planet)など、日本語で小説を執筆されている他、言語をテーマにした「Annunciation」を米誌 Strange Horizons に寄稿するなど、英語でも執筆活動をされています。
「マジック・ボール」の英語版タイトルは「Magic Ball」です。翻訳はすでに完了しており、現在は英語圏の媒体への掲載を検討しています。そちらの結果が出るまで、バゴプラへの掲載は見送りとします。詳細が決定しましたら、随時お知らせいたします。
「マジック・ボール」カバーデザイン公開!
大賞の副賞の一つとして、「マジック・ボール」のカバーデザインを作成しました。デザインを手掛けたのは大阪・豊中のリトルプレス専門店 犬と街灯 の店主、谷脇栗太さんです。
谷脇さんはイラストレーター、デザイナー、作家として様々な創作活動を行なっています。2022年には、第一回・第二回かぐやSFコンテストの最終候補者らによる書き下ろしアンソロジー、井上彼方編『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(Kaguya Books/社会評論社)の装画・装幀を手がけています。
そんな谷脇さんが手掛けた「マジック・ボール」のカバーデザインはこちらです。
また、浅野春美さんが題字を手掛けた英語版、中国語版(繁体字・簡体字)のカバーデザインも合わせて公開いたします。
女子学生の投げる消える魔球がどこまでも飛んでいく、暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」は、規範に抵抗しながら野球に勤しむ女子学生たちの友情が魅力的な作品。読後感の爽やかなフェミニズム野球SFです。こちらからお読みいただけます。
また、第三回かぐやSFコンテストで最終候補に選ばれた作品はこちらの特設ページから全文無料で読むことができます。
審査員特別賞、糸川乃衣さんの短編集刊行!
第三回かぐやSFコンテストで審査員特別賞を受賞した糸川乃衣さんは副賞として、受賞作の「叫び」を収録した短編集を刊行します。刊行は3月15日。現在、収録作品と書影を公開しています。
読者賞、牧野大寧さん監修のマイクロノベルバトル!
「城南小学校運動会午後の部『マルチバース借り物競走』」で読者賞を受賞した牧野大寧さんには、副賞としてオンラインSF誌Kaguya PlanetとSF同人誌『SFG』のコラボ企画・マイクロノベルバトル〈カレーVSラーメン〉を監修していただいております。
マイクロノベルバトル〈カレーVSラーメン〉は、カレーかラーメンをお題にマイクロノベルを募集し、応募数で勝敗をつけるマイクロノベルの企画です。現在募集期間は終了し、応募してくださった作品をもとに、牧野さんが作品を執筆されています。牧野さんの作品はKaguya Planetに掲載します。また応募作のうち、優れた作品10作品ずつ(計20作品)を2024年5月に刊行する『SFG』の最新号に掲載します。こちらもどうぞお楽しみに。
Kaguya Planetとは、バゴプラの主催するオンラインSF誌です。第一回かぐやSFコンテストから派生して始まったプロジェクトで、月500円で登録していただくと、毎月公開されるSF短編小説を先行公開期間に読むことができます。
現在は特集「気候危機」と開催中! 気候危機をテーマにした翻訳作品と日本語作品を1編ずつ先行公開しています。