糸川乃衣さんの短編集、収録作品&書影公開!
2023年に開催された第三回かぐやSFコンテストにて、「叫び」で審査員特別賞を受賞した糸川乃衣さんへの副賞として、糸川さんによる短編集『我らは群れ』を電子書籍にて刊行します。刊行は3月16日。本日は収録作品と表紙デザインを発表します!
第三回かぐやSFコンテストは「未来のスポーツ」をテーマに最大4,000字の短編小説を募集したコンテスト。297編の応募があり、審査員の磯上竜也さん、井上彼方さん、岸谷薄荷さん、佐伯真洋さんが筆者名を伏せた匿名の状態で選考を行いました。「叫び」は力強い詩情をもった語りや、テーマを拡張していく手腕、問題意識の掘り下げ方などを評価され、審査員特別賞を受賞しました。作品はこちらから、各審査員による選評はこちらから読むことができます。
収録作品発表!
糸川乃衣『我らは群れ』には、審査員特別賞を受賞した「叫び」の他に、蚕を題材にした「飼育」とモズのはやにえSFの「定点観測」が収録されます。また巻末には、Kaguya Booksの編集者の井上彼方さんと堀川夢さんによる解説が収録されます。
「飼育」はマルカフェ文藝社による『棕櫚10』に収録されている作品です。『棕櫚』は東京都大田区にある大人のための隠れ家〈マルカフェ〉の中川マルカさんが編集を手掛ける総合文芸誌。『棕櫚10』には、アート、小説、随筆、漫画、俳句など、多彩な作品たちが収録されています。
【新刊】マルカフェ文藝社「棕櫚10」(しゅろてん)は、2023日10月末発売予定です。
第10号ではなく「棕櫚10」です。
第8-9号をすっ飛ばして、やってくる✌👁
▶ 表紙 KazuTabu(@kazutabuchi)
▶ PV ナマハゲ(@nmhg_Bimbeers)
▶ 編集 中川マルカ(@C_Nakagawa)#malucafe #shuro10 https://t.co/Q0arMICHR0 pic.twitter.com/sq2uAm5TSd— 中川マルカ (@C_Nakagawa) September 20, 2023
「定点観測」は、井上彼方さんによる同人誌、『生物SFアンソロジー なまものの方舟』に収録されている作品です。『なまものの方舟』はカツオノカンムリやアパトサウルスなど、様々な生き物たちの特性を活かしたSF短編小説が25編収録されているアンソロジー。表紙から始まる『なまものの方舟』と、裏表紙から始まる『なまものの方舟』に出てきた生き物たちを紹介するコラム『方舟のかおぶれ』の二部構成という面白い作りになっているアンソロジーです。
『我らは群れ』への再録にあたって、改稿をしている作品もございます。もとの書籍をお持ちの方は、ぜひ読み比べてみてください。人以外の生き物がメインに出てくるという共通点を持つ三作品。三つ併せて読むことでどのような響き合いが生まれるかということもお楽しみください。糸川乃衣『我らは群れ』は3月16日(土)に刊行!
「我らは群れ」の書影公開!
「我らは群れ」のカバーデザインを手掛けたのは浅野春美さん。浅野さんはこれまでに、『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』の表紙デザインを手掛けた他、Kaguya Planetで多数のSF短編小説のカバーデザインを作成してきました。
たくさんの生き物たちの群れをイメージして作られた今回の表紙、よく見ると収録作品に出てくるあの生き物やこの生き物の姿もありますよ。
大賞「マジック・ボール」のイラスト公開中!
第三回かぐやSFコンテストで大賞を受賞した、暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」の副賞の一つとして作成されたカバーデザインを公開しています。こちらは大阪・豊中のリトルプレス専門店 犬と街灯 の店主、谷脇栗太さんがデザインを手掛けました。
「マジック・ボール」は、田田さんによる中国語訳(簡体字)が中国の老舗SFマガジン『科幻世界』に収録されます。作家の赤坂パトリシアさんとChell Yoshinoさんが共訳で翻訳を手掛けた英語訳版は、現在英語圏の媒体で掲載先を探しています。
読者賞、牧野大寧さん監修のマイクロノベルバトル!
「城南小学校運動会午後の部『マルチバース借り物競走』」で読者賞を受賞した牧野大寧さんには、副賞としてオンラインSF誌Kaguya PlanetとSF同人誌『SFG』のコラボ企画・マイクロノベルバトル〈カレーVSラーメン〉を監修していただいております。
マイクロノベルバトル〈カレーVSラーメン〉は、カレーかラーメンをお題にマイクロノベルを募集し、応募数で勝敗をつけるマイクロノベルの企画です。現在募集期間は終了し、応募してくださった作品をもとに、牧野さんが作品を執筆されています。牧野さんの作品はKaguya Planetに掲載します。どうぞお楽しみに!また応募作のうち、優れた作品10作品ずつ(計20作品)を2024年5月に刊行する『SFG』の最新号に掲載します。こちらもどうぞお楽しみに。
Kaguya Planetとは、バゴプラの主催するオンラインSF誌です。第一回かぐやSFコンテストから派生して始まったプロジェクトで、月500円で登録していただくと、毎月公開されるSF短編小説を先行公開期間に読むことができます。
現在は特集「気候危機」と開催中! 気候危機をテーマにした翻訳作品と日本語作品を1編ずつ先行公開しています。