作品を彩ったチョコレート ネタバレ解説『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 | VG+ (バゴプラ)

作品を彩ったチョコレート ネタバレ解説『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

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キャストやキャラクター同様に作中を色鮮やかにしたチョコレートを振り返り

本国アメリカに先駆けて2023年12月8日(金)に日本で全国公開された『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。その作中では数多くのチョコレートが登場し、観客の目を楽しませてくれた。その設定は細かく、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では劇中歌として材料や作り方が語られている。

本記事では、そのような『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を彩ったチョコレートを紹介していこう。なお、本記事には『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のネタバレを含むので本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の内容に関するネタバレを含みます。

チョコレートの魔術師ウィリー・ウォンカの傑作たち

ホバーチョコ


ペルーの沼の天然の葵、ロシアのピエロの涙で味付けされた塩味のキャラメル、日本の腕利きのサクランボ摘みが摘んだサクランボが組み合わされたチョコレート。ペルーの沼(マシュー)の葵(マロウ)とはマシュマロのことであり、私たちが口にするマシュマロはメレンゲにシロップを加えてゼラチンで固めたものである。だが、マシュマロの名前の由来は古代エジプトではウスベニタチアオイのことで、すりつぶして喉薬として使っていた。このような言葉遊びにもウォンカの腕が光る。

しかし、その最大の特徴はそこではない。ホバーチョコの最大の特徴はその名の通り、食べると宙を浮くことだ。その秘密はムンバイ産のチョコ好きのアブの卵。食べるとおなかの中で卵が孵り、アブが空を飛ぶので食べた人も宙を飛ぶというわけだ。あまり気持ちの良い話ではないが、ウォンカからすれば蛆入りチーズのカース・マルツゥのようなものかと考察できる。

食べてもずっと浮き続けるわけではなく、20分もすればアブがお尻から出て行くので元に戻る。やはり気持ちの良い話ではない。味は絶品で宿敵であるチョコレート組合ですら認めていたほど。見た目はカシューナッツのようで、食べてすぐに効果が出る物と時間が経ってから効果の出る物の2種類が存在する。

ひとすじの光

ミセス・クラビットとブリーチャーに借金漬けにされ、ヌードルと出会った際に作ったチョコレート。その名の通り絶望の中でも希望の光を見出すことができるという不思議な効果を持つ。味は絶望の中にいたヌードルを元気づけたが、一方でチョコレートの味を知ってしまったために今後はチョコレートの無い人生を歩まなければならないという絶望を与えてしまった。

絶望と希望が両面であることを象徴したようなチョコレートだが、食べるとアイデアが思いつく効果がある。副作用としてはアイデアが思いつく度に「はあ」と口に出してしまうこと。材料は雷雲と太陽のしずくで、ムンバイ産のチョコレート好きのアブの卵以上に入手方法が不明な材料である見た目は雲に稲妻が走ったようなもので、かじると中から青い液体が出てくるのが特徴。

ナイトライフ


何層にも重なったボンボンショコラ。ボンボンショコラと聞くとウイスキーボンボンを思い出すが、ボンボンショコラとはチョコレート以外のものが詰められたチョコレートのことであり、ナイトライフに詰められているのはなんとアスピリンだ。

アスピリンと言えばまたの名をアセチルサリチル酸で、関節炎、痛風、腎結石、尿路結石、片頭痛、外傷、生理痛、歯痛、腰痛、筋肉痛、神経痛における多くの痛みに関する鎮痛目的で使用される薬品だ。その極小のアスピリンに至るまでは様々な酒の味のチョコレートが層となっている。

最初はシャンパン・トリュフ、次に赤ワイン、白ワインと続き、ウイスキー・ファッジの層に到達する頃には学生時代好きだった人に電話するまで酔ってしまう。そして最後は寝酒のポートワインのチョコレートとなり、アスピリンに辿り着く。ある意味ではゲートウェイドラッグっぽさのあるチョコレートだ。この危なっかしいところもウィリー・ウォンカの魅力だと考察できる。

アカシアミント


キリンのアビゲイルからミルクを搾る際に用いられたチョコレートで、キリンの大好物のチョコレート。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ではキリンの大好物として解説されているが、チョコレートに含まれるテオブロミンはテオブロミンの代謝速度が遅い動物にとっては害になる成分だ。アメリカグマがチョコレートを摂取して心不全で死亡した事件が何例かあるので、実際のキリンにチョコレートを食べさせるのは注意が必要。

しかし、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ではキリンのアビゲイルが追いかけるほどの大好物。キリンのアビゲイルが食べた感想としては、耳の後ろを掻かれるように爽快で、心を癒してくれるというもの。

また、アカシアの花は食用に用いられ、生食にも向くほか、花の蒸し団子は甘い香りがするほか、てんぷらなどにも用いられる。アカシアのはちみつは「はちみつの女王」と呼ばれるほど繊細で味わい深いのが特徴。

キリンのミルクのマカロン


キリンのアビゲイルから搾ったミルクで作られたマカロン。食べた人間の自尊心を高め、自分が部屋の中で一番身長が高いような感覚を与えてくれる。これを食べた自尊心の低い青年コリンは恋人へのプロポーズに成功し、結婚にまで漕ぎつけた。

作り方はキリンのミルクを蒸留することが必要。浜松市動物園公式サイトでのキリンの飼育員によると、キリンのミルクは「牛乳よりは乳臭くなくてクセはあまりません」「薄めて温めた牛乳のような味」と解説されている。

ブロードウェイ・ショー

フォーティ・セカンド・スウィートとも呼ばれるチョコレート。食べる勝手に歌い、踊り出すのが特徴。歌ったり、踊ったりするのはナイトライフと同じだが、ナイトライフが酔っ払って歌って踊るのに対し、ブロードウェイ・ショーはその名の通り統率の取れたダンスや歌を歌う。

ウィリー・ウォンカのチョコレートに否定的だった警察署長ですら歌い出すほど絶品のチョコレートで、ウィリー・ウォンカは電車の乗務員のふりをして売りさばいていた。

ヘア・エクレア

ウィリー・ウォンカが理髪師のふりをして売っていたエクレアで材料はマニラの山々でとれたバニラとイエティの汗。イエティの汗は強力な毛生え薬であり、ヘアレスキャットを長毛種にするほど。ミセス・クラビットに毒として盛られ、ウィリー・ウォンカのチョコレート店を一度は閉店に追い込んだ。このチョコレートにカメレオン・ジュースを足すと毛の色を自由に変えることができる。

ピュアイマジネーション

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の最後でウィリー・ウォンカがつくったチョコレート。ウィリー・ウォンカの夢と希望の詰まったチョコレートであり、「夢見ることを禁じられた町」グルメガレリアが変わったという象徴。食べたら何が起きるのかは明かされていないので、続編などに期待したい。

ウィリー・ウォンカの母が遺したチョコレート

ウィリー・ウォンカの今は亡き母親が毎年一枚だけ作ってくれたチョコレート。美味しい秘密は明かされていなかったが、中に入っていた金色のチケットに書かれていた言葉から「チョコレートを分かち合うこと」がチョコレートを美味しくする秘密であり、映画の最後ではチョコレート組合の隠し財産のチョコレートを分け合うことで味わい深いものになった。

振り返り、おさらいしてみると材料が奇妙だったり、不可思議なものが多いウィリー・ウォンカのチョコレート。中には少々不気味なものもあるが、それもまた『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を味わい深いものにしている。

これを踏まえ、もう一度映画館で『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を見てみると、また違った味わいがあるかもしれない。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は2023年12月8日(金)より全国劇場公開。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』公式サイト

Source
浜松市動物園公式サイト

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『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のメッセージの感想はこちらから。

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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